センスのいらない経営

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センスのいらない経営
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著者
福島良典
出版社
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出版日
2018年09月07日
評点
総合
3.8
明瞭性
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革新性
4.0
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センスのいらない経営
センスのいらない経営
著者
福島良典
未 読
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ジャンル
出版社
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定価
0円 (税抜)
出版日
2018年09月07日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

「グノシー」や「ニュースパス」などの、今をときめく情報キュレーションサービス・ニュース配信アプリ。これらを開発・運営している株式会社Gunosy創業者、福島良典氏の初の著書が登場した。若くして起業し、創業から2年半でスピード上場を果たした福島氏。彼が感じてきた社会的課題や経営で大事にしてきた指針、今後求められる人材像を描ききったのが本書だ。

タイトルにある「センス」は「経験知」や「勘」を指す。進化したテクノロジーが、従来は人間のセンスに頼っていた部分まで担ってくれるようになった。それは経営においても同様で、テクノロジーの力を借りれば、カリスマ経営者のセンスがなくとも、事業を成功に導けるようになったといってもいい。

一方で現代は、人々のニーズが多様化した時代でもある。とにかく実験を重ねることでしか、潜在ニーズ=正解はつかめない。こうした時代背景もまた、経営におけるテクノロジーの活用を後押ししている。

ではこうした時代において、人はどんなスキルを磨くべきか。どのような人材をめざすべきなのか。こうした大事な問いに正面から向き合った本書は、経営者やエンジニアだけでなく、あらゆる業種・職種のビジネスパーソンにとって有用なコンパスになってくれるだろう。キャリアについて再考し、仕事の進め方をさらにアップデートさせたい方にぜひお読みいただきたい。

三浦健一郎

著者

福島 良典(ふくしま よしのり)
1988年生まれ、愛知県出身。東京大学大学院工学系研究科修了。大学院在学中に「グノシー」のサービスを開発し、2012年11月に株式会社Gunosyを創業、同社代表取締役に就任。2013年11月より同社代表取締役最高経営責任者(CEO)に就任。同社は創業より約2年半というスピードで東証マザーズに上場、2017年12月には東証第一部へ市場変更する。「グノシー」は2018年7月現在で2400万ダウンロードを突破。2018年8月、ブロックチェーン領域の技術開発のために新たに設立した、Gunosyの子会社である「株式会社LayerX」の代表取締役社長に就任。2012年度情報処理推進機構(IPA)「未踏スーパークリエータ」。2016年にはForbes Asiaよりアジアを代表する「30歳未満」に選出される。

本書の要点

  • 要点
    1
    テクノロジーの進化によって、人間はセンスから解放された。それは経営についても同様で、テクノロジーの力を借りれば経営者にセンスは必要とされなくなった。
  • 要点
    2
    経営者は、リスクを見極めながら、抽象的かつ揺るがないゴールに基づいて意思決定をすることが求められる。
  • 要点
    3
    これからの時代はどんな業界においても、テクノロジーを駆使し、自ら課題を見つけて解決できる「エンジニア的人材」が必要となる。

要約

【必読ポイント!】 センスからの解放

テクノロジーの進化とセンス

本書は「センスのいらない経営」のエッセンスの解説から始まる。そのキーとなるのはテクノロジーである。

これまでテクノロジーは、時に暴力的にビジネスを取り巻く環境を変えてきた。今ではテクノロジーの進化と普及によって、「人間の仕事が機械に奪われる」ことまで危惧されている。この流れは個人の意思とは無関係に進化していき、誰にも止められない。

そもそもテクノロジーの本質は、その「再現性」にある。正しい設計図さえあれば、誰でも同じものを作ることができる。例えば電車や新幹線に関していえば、設計図をもとに高い性能の車両を何個も作ることが可能だ。

現代のテクノロジーはさらに進んで、かつて人間の「経験知」や「勘」、つまりセンスに頼っていた部分にまで、私たちに新たな恩恵をもたらしている。以前は人間の「経験知」や「勘」による判断に依存していた列車走行中の異常などは、テクノロジーによって、はるかに正確に検知できるようになってきた。このようにして人間は、センスからも解放されてきたのである。

人間が担う重要な仕事とは?
gorodenkoff/gettyimages

テクノロジーは、人間の脳の学習機能にかなり近づいてきている。機械学習の進歩はめざましい。機械は膨大なデータを与えられれば、自分で特徴を学習し、適切なアウトプットまで行えるようになった。

しかし当然、データさえ大量にあれば機械が何でもしてくれるわけではない。人間の重要な仕事は、機械に適切なデータと目的をセットすることである。また、機械がアウトプットした答えも、人間が統計的に評価する必要がある。こうしたことが人間の重要な仕事となる。

センスを必要としない経営

機械が得意とするのは、大量のデータを学んで、未知の状況に対して適切なアウトプットをすることだ。しかし、大量のデータというのは、過去のデータに他ならない。過去に学ぶべきデータがない分野では、機械はほとんど力を発揮できないのである。つまり、いくらテクノロジーに精通していても、それだけではテクノロジーを駆使した経営は難しい。

何を機械に任せ、何を人間が行うべきか。これを的確に線引きできてはじめて、経営にテクノロジーの力を活かすことが可能となる。その上で、理念や目的を掲げ、それに沿って経営判断をくだすことも、人間だからこそ担える役割であり価値である。

人間が意思決定を行い、そこで設定した目的を、機械を使って最大化できれば、利益も最大化していく。こうした循環がうまく回れば、経験や直感に優れた、いわばカリスマ経営者がいなくても、事業を成功に導けるといえるだろう。

不確実性の高い時代のゴール

潜在ニーズという正解
Rasulovs/gettyimages

ここからは、不確実性の高い現代の時代考証と、経営者が担うべき役割や仕事にスポットライトを当てる。

現代は変化のスピードが速く、ライフスタイルや価値観の多様化により、人々のニーズも多様化している。こうした「不確実性の高い時代」には、潜在ニーズを知ることが重要となり、これこそが「正解」だといえる。そんな時代には、とにかく「やってみる」という実験をくり返せる「手数の多い人」が勝者になる。もちろん、手数を増やすだけではだめで、実験後には結果の検証が必要となる。

失敗した場合には原因を突き止める。そして、その問題を解決する方法を見出して、また実験をする。こうしたトライ&エラーをくり返してはじめて、潜在ニーズを掘り起こせる。

「判断」と「意思決定」は異なる

「判断」と「意思決定」は異なる。判断材料が揃っており、後はそれに基づいて機械的にどういったアクションをとるかを選択すればいいという状況は、「判断」にあたる。この「判断」では、正しいかどうかを考えるのは不毛であり、時間をかけるべきではない。時間がかかるのなら、それは判断基準が明確でないからだ。

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