運動脳

未読
日本語
運動脳
出版社
サンマーク出版

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定価
1,650円(税込)
出版日
2022年09月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

脳は身体の一部だ。誰もが知っていることだが、情報化した現代社会に生きていると忘れがちなことでもある。身体の一部であるということはすなわち、トレーニングによって鍛えられるということだ。

脳を鍛えるというと、パズルなどの「脳トレ」が思い浮かぶかもしれない。しかし著者によると、脳を鍛えるためには脳トレよりも運動のほうがずっとおすすめだという。

本書では、運動は脳を最も効率よく働かせる方法であるとされている。運動は、記憶力や集中力、創造力を上げ、気分も上げてくれる、魔法のような活動なのだ。

特筆すべきは、根拠となるデータが多数提示されている点である。精神論やごまかしは一切なし。最新の科学でもわかっていないことは「わかっていない」とはっきり述べているのがフェアで読みやすく、かえって説得力がある。

本書は「ただちに本を閉じよ」と締めくくられている。この言葉のとおり、読み終わった後はすぐに身体を動かしたくなってくるだろう。特に、仕事のパフォーマンスを上げたい人、ストレスに気分や体調を左右されやすい人、ぼんやりとした不調に悩んでいる人におすすめしたい。今のあなたに必要なのは、運動かもしれない。

※本要約は、過去に作成した要約を最新版に合わせて一部再編集したものです。

ライター画像
池田明季哉

著者

アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
精神科医。スウェーデンのストックホルム出身。
カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を修めた。現在は上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っている。
これまでに、『ダーゲンス・インドゥストリ』(スウェーデンの経済新聞)、『SvD』(スウェーデンを代表する朝刊紙の1つ)、『レーカレ・ティードニング』(スウェーデンの医療関係者向けの雑誌)、『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』などに医学研究や医薬品に関する記事を2000件以上寄稿。ラジオやテレビでも情報を発信し、とくにテレビ番組『科学の世界』への出演で有名。自身のテレビ番組もスウェーデン国内で持っている。講演活動も精力的に行っている。
精神科医として活動するかたわら、テニス、サッカー、ランニングに励み、週に5日、少なくとも1回45分取り組むようにしている。
主な著書に『スマホ脳』(新潮社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    ストレスがかかると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌される。しかし運動を習慣づけると、やがてコルチゾールがほとんど分泌されなくなり、ストレスに対する抵抗力が高まる。
  • 要点
    2
    太古の昔から、人間が生きていくためには運動が不可欠だった。それゆえ人間は、運動すると「報酬系」と呼ばれるシステムが働き、ドーパミンが放出されて気持ちが明るくなる仕組みになっている。
  • 要点
    3
    BDNFは、脳の健康に欠かせない物質だ。BDNFを増やすには、30~40分の有酸素運動を週に3回行うことが有効である。

要約

【必読ポイント!】 ストレスを取り払う

ストレスと脳の関係

人間は絶えずストレスにさらされている。ストレスは脳の働きを阻害し、不眠などの様々な症状を招くものだ。

ストレスは次のような流れで生じる。脳が何らかの脅威を感じると、脳の中の視床下部がホルモンを放出し、下垂体を刺激する。すると下垂体が別のホルモンを放出し、それが血流によって運ばれ、副腎を刺激する。その刺激によって、副腎からコルチゾールというストレスホルモンが放出される。

たとえばあなたが大勢の同僚の前でプレゼンテーションをしなければならないとする。あなたの動悸は速くなり、口の中は乾き、手はかすかに震えるだろう。こうした反応は、コルチゾールによって引き起こされている。

プレゼンテーションが終わり、ストレスを受ける状況から解放されると、コルチゾールの分泌量は速やかに減っていく。だがストレスを受ける状況が何カ月、何年と続くと、慢性的にコルチゾールが分泌され、脳の記憶中枢である海馬が委縮してしまう。ストレスはあなたに負担をかけるだけでなく、脳に損傷を与えさえするのだ。

コルチゾールを手なずける
filadendron/gettyimages

ストレスにうまく対処するためには、コルチゾールが脳に与える影響を減らさなければならない。それには運動が有効だ。

運動している間は身体に負荷がかかるため、それが一種のストレスとなり、コルチゾールの分泌量が増える。運動が終われば、分泌量は運動する前のレベルまで下がる。これが運動とコルチゾールの関係だ。

注目してほしいのはここからだ。運動を習慣づけると、運動している間のコルチゾール分泌量が増えにくくなり、運動を終えたときには減りやすくなる。そして、定期的に運動を続けると、運動以外のことが原因のストレスを感じたときにも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。つまり運動によって、ストレスに対する抵抗力を高めることができるのだ。

心拍数を上げてストレスに勝つ

ストレスに強くなるためには、筋力トレーニングよりも、ランニングやスイミングなどの有酸素運動が効果的だ。少なくとも20分、体力に余裕があれば30~45分続けるとなおよい。これを習慣化して、週に2、3回は心拍数が大幅に増えるような運動をしよう。すると脳は、動悸が激しくなっても「これは恐怖からくるものではなく、プラスの変化をもたらすものだ」と学習していく。

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