一番伝わる説明の順番

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一番伝わる説明の順番
出版社
フォレスト出版

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定価
1,540円(税込)
出版日
2018年06月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

一生懸命説明したあとに、「結局、何が言いたいの?」などと言われたことはないだろうか。プレゼンテーション、進捗報告、決裁申請など、仕事で説明する機会はたくさんあるし、物事を説明して理解してもらうことは、ビジネスの基本だ。日常生活ならまだしも、ビジネスにおいては、説明が下手なことは致命的な問題になりかねない。「伝わらない説明」をしていると、あなた自身の評価や仕事の質にも悪影響を与えてしまう。

本書では、「説明はコミュニケーション(情報伝達)である」ということをカギに、伝わる説明のコツを解説している。著者・田中耕比古氏によると、「何をどの順番で話すか」を意識するだけで、説明力を劇的に上げることができるという。ビジネス書ではしばしば「どう伝えるか」が取り上げられているが、それ以上に「情報を伝える順番」が物を言うのだ。

説明が苦手な方はぜひ、本書を手に取って読んでいただきたい。説明の順番をマスターすれば、説明力を劇的に上げることができるだろう。またプレゼンや調査報告の準備を行う上でも、「説明の順番」を参考にすることで、押さえるべきポイントを掴むことができ、準備をスムーズに進めることができるだろう。あなたの印象のみならず、仕事の成果も大きく好転するはずだ。

ライター画像
木下隆志

著者

田中 耕比古(たなか たがひこ)
株式会社ギックス取締役 CMSO(Chief Marketing & Strategy Officer)。

2000年、関西学院大学総合政策学部卒業。アクセンチュア株式会社、日本IBM株式会社を経て、2012年より現職。

「考える総量の最大化」をビジョンに掲げ、製造、金融、医薬、通信、流通・小売などの多様な業界の、事業戦略立案からSCM改革、業務改革、人材育成にいたるまで幅広い領域で、“思考支援 ”型のコンサルティングに従事。

著書に『数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本』『論理思考×PowerPointで企画を作り出す本』(ともに翔泳社)、『デキる人が「当たり前」に身に着けている! 仕事の基礎力』(すばる舎)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    あなたの説明を改善するためには、(1)何をどの順番で説明するのか意識する、(2)説明する相手の理解レベルを意識する、(3)何を言いたいのか決めてから話すの3つを心がけよう。
  • 要点
    2
    説明とはコミュニケーションである。相手の思考を意識しながら説明することが大切だ。
  • 要点
    3
    一番伝わる説明の順番とは(1)前提をそろえる、(2)結論・主張・本質、(3)根拠・理由・事実、(4)補足情報、(5)結論・相手に促したいアクションの流れだ。

要約

説明が下手な人は、何が間違っているのか

説明が上手な人、下手な人

説明が上手な人もいれば、下手な人もいる。説明が下手な人の話を聞いても、結局何が言いたいのかよくわからないことがあるだろう。一方、説明が上手な人の話を聞くと、今までわからなかった事柄が理解できたりする。この違いはなんなのだろうか。

「頭がいい人は説明がうまい」と言われることもある。では、大学教授はどうか。大学教授は頭がいいに違いないが、その講義が退屈で眠気を誘うものだったり、内容が頭に入ってこなかったりする場合もある。つまり、頭がいい人が必ずしも説明が上手だとは限らない。

残念な説明の特徴
bee32/gettyimages

では、説明が下手な人は何を間違えているのか。その特徴は3つある。

1つ目は、考えた順番で説明してしまっていること。「考えた順番」と「説明する順番」は違うということを肝に銘じよう。「自分の考えた順番」ではなく、「相手が聞きたい順番」で話すようにする。

2つ目は、相手の理解度を意識していないこと。テレビのニュースなどで、専門家が登場して解説することがある。多くの場合、一般人にとって、その説明は難解でわかりにくい。それは、聞き手のレベルに合わせた説明ができていないからだ。「専門外」の人たちと話すときには、相手がどの程度の前提知識を持っているのか、またどの程度の詳細さで物事を理解したいのかを知っておく必要がある。相手と言葉を交わしたり、相手の様子をうかがったりして、相手に応じて伝わる言葉や例を用いて話すようにしよう。

3つ目は、言いたいことがわかっていないこと。自分が何を言いたいのか、どのようにしたら伝わるのかを整理できていない。伝えたい内容を紙に書き出すなどして、考えをまとめあげよう。

残念な説明をしてしまう人は、あまり深く考えず、「なんとなく説明したつもりになっている」という共通点がある。そんな人に取り組んでほしいのが、先ほど紹介した「3つの残念な説明」をひっくり返すことだ。つまり、(1)何をどの順番で説明するのか意識する、(2)説明する相手の理解レベルを意識する、(3)何を言いたいのか決めてから話すの3つを心がけるのが効果的だ。

【必読ポイント!】わかりやすい説明の順番

相手の思考を想像する

説明とは「コミュニケーション」である。説明というと一方通行のものをイメージするかもしれないが、説明が上手な人ほど、相手とうまくコミュニケーションを取りながら進めている。何も言葉を交わしたり、質問のやりとりをしたりすることだけでない。「この表現だとわかってもらえないかもしれない」「別の例を使ったほうがいいかもしれない」など、相手を観察し、相手の思考を想像してそれに柔軟に対応しつつ話すことが重要だ。

なお、柔軟な対応は必要だが、伝えるべき内容からブレないように気をつけよう。あくまで説明の目的は、相手に情報を伝え、理解してもらうことだ。

「自分主導の説明」と「相手主導の説明」の違い
metamorworks/gettyimages

説明の順番には、基本のパターンがある。これを押さえておけば何も難しいことはない。

説明の順番を解説する前に、知っておくべきポイントがある。それは、説明には2種類あるということだ。それは「自分主導の説明」と「相手主導の説明」である。

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要約公開日 2019.02.03
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