会話は、とぎれていい

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会話は、とぎれていい
出版社
出版日
2019年04月16日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「カトパン」の愛称で知られる加藤綾子さんは、フリーのアナウンサーとして活動しながら、最近では女優業などにも活躍の幅を広げている。本書は、そんな彼女が著したコミュニケーションのヒント集だ。

アナウンサーの仕事が「伝える」ことであるのはもちろんだが、ときにはインタビュアーとして「聞く」ことも求められる。アナウンサーとして第一線で活躍してきた彼女は、まさに双方向のコミュニケーションのスペシャリストだといえる。

フジテレビ時代から数多くの番組に出演してきた彼女だからこそ語れる、明石家さんまさん、タモリさんといった芸能界の大御所のエピソードは必見だ。本書に目を通せば、会話のプロ達が話している言葉の裏にどんな思いやりや気遣いがあるのかを垣間見ることができるだろう。

人の悩みのほとんどは、友人、職場の同僚、家族など、周囲の人とのコミュニケーションに関するものだと言われている。相手とうまくコミュニケーションができるようになったり、コミュニケーションにつらさを感じないようになったりすれば、人生はきっとそのぶんだけ明るくなる。「会話は、とぎれていい」という本書のタイトルは、コミュニケーション術の定石から外れるようにも感じられるが、そもそもコミュニケーションに決まったセオリーはないのかもしれない。「こうしなければいけない」というような固定観念を取り払い、よりあなたらしいコミュニケーションの形を見つけてみてはいかがだろうか。

ライター画像
山下あすみ

著者

加藤 綾子 (かとう あやこ)
1985年4月23日、埼玉県出身。
ニックネームはカトパン。
2008年国立音楽大学音楽学部 音楽教育学科卒業後、フジテレビに入社。『めざましテレビ』や『笑っていいとも』など、数々の人気番組でレギュラーを務めた。2016年4月末にフジテレビを退社、フリーアナウンサーとしてさらに活躍の場を広げている。2019年4月からフジテレビ夕方の報道番組「Live News it!」の新キャスターを務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    魅力あるコミュニケーションのためには、言葉を生み出す元となる心が何よりも大切である。目の前の相手に対する優しさ、気遣い、思いやり、自分自身の心のあり方を大事にしよう。
  • 要点
    2
    嫌なことやつらいことも自分の中で面白がったり、楽しい材料の一つに変えていったりすることができれば、自分の気持ちと周りの空気を明るくすることができる。
  • 要点
    3
    人に好かれるには、人を好きになることだ。「この人苦手だな」と感じたとき、ダメなところを前向きに解釈して「愛のあるツッコミ」をしてみると、多くの人を受け入れることができるだろう。

要約

【必読ポイント!】 言葉より大事なもの

人生で一番落ち込んでいたときに救ってくれた一言
coffeekai/gettyimages

多くの人は、コミュニケーションを「言葉」や「仕草」など、表面に現れるものだととらえているかもしれない。けれど、相手に対する気遣いや思いやりといった「根」にあたる部分があってこそ、表面に現れるコミュニケーションが魅力的なものになる。

著者がフジテレビ入社1年目の頃、「アナウンサーをやめたい」と思うことは何度もあったという。何もできない状態でテレビに出て、多くの人の視線を受けるプレッシャーが苦しかったからだ。2008年には『カトパン』という番組が始まり、大きな重圧を受けて「つらい」「やめたい」という拒否反応はさらに募った。

そんなとき、先輩アナウンサーの松尾翠さんに「考えすぎなくていいよ! ちょっとみんなとおしゃべりしに行こ! って遊びに来るぐらいの気持ちで仕事に来ればいいじゃない」というふうに声をかけられた。「やめたい」と口にしてはいても、心の中で相反する感情が渦巻いていた著者に、この言葉はすっと届いた。心の負担が軽くなるとともに、仕事への前向きな気持ちも引き出され、本当に救われたという。

自分の中に「もっと頑張りたい」という気持ちがあったことを実感したのは、『カトパン』が終了すると知ったときに涙が流れたからである。松尾翠さんの思いやりのこもった言葉は、落ち込んでいるとき、慰めるだけでなく、そっと背中を押してくれたのだった。

「目を見て話す」にこだわらない

会話では、必ずしも相手の目を見て話す必要はない。もちろん、相手の目を見て自信満々に話すことも大事だが、それが苦手な人もいる。

著者がある番組で、大人気のバンドメンバーにインタビューしたときのことだ。とても口数が少ないと有名なメンバーの一人が、目を合わせてくれなかったものの、しっかりと曲への思いや制作エピソードを話してくれた。目が合わなかったことはまったく気にならず、話そうとしてくれたことが純粋にうれしかったという。

目が合うか合わないか、ではなく、お互いが伝えたいことを伝えられるかどうかが大切なことだ。「明るくハキハキしなければいけない」「常に笑顔を絶やしてはいけない」というようなプレッシャーを自分にかけるのではなく、相手を知り、自分を知ってもらうことを意識すれば、自然と楽しい会話が生まれるだろう。

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要約公開日 2019.06.06
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