暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり
「良貨」になりうる3つの理由

未 読
暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり
ジャンル
著者
吉本佳生 西田宗千佳
出版社
講談社(ブルーバックス)
定価
972円
出版日
2014年05月20日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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レビュー

ビットコインと聞くとどのような印象をお持ちだろうか。マウントゴックスという当時最大規模の取引所の破綻や、投機対象として不安定なもの、将来有望な暗号通貨というような、様々な印象があるだろう。本書(暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり)はその名の通り、ビットコインを客観的に評価しようという野心的な書籍であると言える。

マウントゴックスの破綻のニュースは多くの方に影響を及ぼしたため、それ自体はネガティブなインパクトを持つだろう。しかし、だからといってビットコインそのものの信頼性が揺らいだ訳ではない点に注意が必要だ。今回の問題はあくまでもビットコインの取引所側の瑕疵が起因となり発生した問題であって、ビットコインの暗号が破られて多大な損失を出したものではない。一般的に通貨を取り巻くシステムは、国家の軍事力、法的拘束力、中央銀行、金融機関、決済システムなど、多くの要素から成り立っており、日本国通貨である「円」に関しても盤石なものではないのである。

本書はビットコインを中心に展開される書でありながら、その内容は通貨制度、暗号の仕組み、中央銀行の歴史、ウェブ上およびリアルでの決済手段など、多様な要素から構成されている。本書を読めば複数の視点から客観的にビットコインが評価できるとともに、ビットコイン等の暗号通貨は今後の可能性を見出すことができることだろう。金融機関に関わる方やウェブサービスの運営者はもちろん、ニュースに惑わされずその本質を理解しようという一流のビジネスパーソンこそ、本書を読む価値が十分にある。

大賀 康史

著者

吉本 佳生
エコノミスト。著述家。1963年三重県生まれ。名古屋市立大学経済学部卒業後、住友銀行勤務を経て、名古屋市立大学大学院経済学研究科満期退学。主な著書に『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり』『スタバではグランデを買え!』『データ分析ってこうやるんだ!実況講義』『これから誰に売れば儲かるのか』『スマホは人気で買うな!』ほか多数。

西田 宗千佳
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。
得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、アエラ、週刊朝日、週刊現代、週刊東洋経済、月刊宝島、ベストギア、DIME、日経トレンディ、AV Watch、ASCII.jp、マイコミジャーナルなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビットコインは中本哲史を名乗る人物が提唱した論文を元に世界の技術者が構築した、画期的な暗号通貨である。
  • 要点
    2
    マウントゴックスの破綻によりビットコインが持つ暗号の強固さが損なわれた訳ではない。資産を預かる取引所としてのマウントゴックスの情報システムに問題があったのである。
  • 要点
    3
    ビットコインにはそれを支える中央銀行もなく、武力もない。暗号が破られないという「知力」が基礎になっている通貨だと言える。

要約

ビットコインとはなにか?なぜ生まれたのか?

johnnyknez/iStock/Thinkstock
ビットコイン概要

本書は投機の集中や、マウントゴックスの破綻で一気に注目を浴びた「ビットコイン」に関して、通貨・暗号技術・未来の視点でまとめられている書籍である。

はじめに読者の方が「ビットコイン」をイメージしやすくなるように、「ビットコイン」の概要が解説されているので、以降で主要な項目について紹介する。

・ビットコインとは?

ネットワーク上に存在する、電子データを通貨として流通させる「暗号通貨」。

・ビットコインの形

データでコンピュータの中に存在しているもので、保存用として「紙」に印刷した「ペーパーウォレット」をつくることも可能。

・1ビットコインはいくらか?

変動レートとなっており、2014年3月現在は、1ビットコイン(BTC)=約640ドル=約6万4千円となっている。

・ビットコインの入手方法

「取引所」「換金所」で円やドルを支払って入手するか、「マイニング(採掘)」と呼ばれる手法で生み出すことも可能。

・ビットコインはなにに使えるのか?

相手が受け取ることを前提として、一般的な通貨と同じく、何にでも使える。

・複製や詐欺の危険はないのか?

ビットコイン自体の複製は困難だが、流通や換金の過程でのサービスの瑕疵によって、詐欺や盗難の可能性はある。

一般的に主要な通貨は現金、決済性預金が代表的なものだ。クレジットカードやデビットカードは、通貨そのものではなく、決済性預金を使い決済するための補助手段としての位置づけとなる。一方でビットコインは、他のどの通貨とも異なる単位の、匿名性を持つ非金融・電子情報の暗号通貨であると言える。

インターネット上の決済手段とリアルにおける脱現金化の流れ

スマートフォンやタブレットでは、様々なアプリを楽しむことができる。2008年7月から2013年10月までの約5年間で、アップルのアプリ全体の売上が、約1.9兆円にもおよぶ巨大な市場を形成している。

ここまで大きな市場となっているのは、アップルが「iTunes Store」という、アプリ・音楽・映像・書籍を統合したオンラインストアを持ち、それらがひとつのIDで決済できるという手軽さがあるためだろう。

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暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり
未 読
暗号が通貨(カネ)になる「ビットコイン」のからくり
ジャンル
テクノロジー・IT トレンド
著者
吉本佳生 西田宗千佳
出版社
講談社(ブルーバックス)
定価
972円
出版日
2014年05月20日
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