「IR」はニッポンを救う!
カジノ? それとも超大型リゾート?

未 読
「IR」はニッポンを救う!
ジャンル
著者
渋谷和宏
出版社
マガジンハウス 出版社ページへ
定価
1,300円 (税抜)
出版日
2019年06月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.0
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カジノ? それとも超大型リゾート?
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1,300円 (税抜)
出版日
2019年06月20日
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革新性
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レビュー

タイトルが示すように、本書のテーマは「IR」だ。しかしIRという言葉を聞いても、解禁されるカジノの「おまけ」のようなイメージを持っている人も多いのではないだろうか。

実際のIRはカジノにとどまるものではない。さまざまな設備・サービスが集まった巨大リゾート施設である。この巨大リゾート施設にとって、カジノがなくてはならないものであることは事実だ。しかし同時に、カジノだけでIRを理解することもできない。

カジノが社会問題として取り上げられるのは、言うまでもなくそれがギャンブルだからだ。2017年9月の「国内のギャンブル等依存に関する疫学調査(全国調査結果の中間とりまとめ)」によると、日本でギャンブルをしたことのある人のなかで、ギャンブル依存症が疑われる人の割合は成人の3.6%だという。これは海外と比べても大きな割合で(パチンコ・パチスロの影響が指摘されている)、ギャンブルという観点からカジノを懸念することも間違ってはいない。

一方でIRの先輩であるシンガポールでは、IRの誕生とカジノの解禁後、ギャンブル依存症の割合が低下したと報告されている。こうした先例から日本が学ぶべきことは何か。またギャンブル依存症の対策をとったうえで、なおカジノが必須となるIRを開業して得られるメリットとは何か。詳しくは、本書をお読みいただきたい。

三浦 健一郎

著者

渋谷 和宏 (しぶや かずひろ)
1959年12月横浜市生まれ。経済ジャーナリスト、作家。大正大学表現学部客員教授。
1984年4月、日経BP社入社。日経ビジネス副編集長などを経て2002年4月『日経ビジネスアソシエ』を創刊、編集長に就任。ビジネス局長、日経BP net総編集長などを務めた後、2014年3月末、日経BP社を退職、独立。1997年に情報ミステリー小説『銹色(さびいろ)の警鐘』(中央公論新社)で作家デビュー。経済ノンフィクション『稲盛和夫独占に挑む』(日本経済新聞出版社)などをペンネーム渋沢和樹で執筆。また、ペンネーム井伏洋介として青春群像小説『月曜の朝、ぼくたちは』(幻冬舎)など。本名(渋谷和宏)としては『文章は読むだけで上手くなる』(PHPビジネス新書)、『東京ランナーズ』(KADOKAWA)などがある。『シューイチ』(日本テレビ)などコメンテーターとしても活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    IRは会議場や展示場、エンタテインメント施設など、さまざまな施設が集まったリゾート施設である。決して「IR=カジノ」ではない。
  • 要点
    2
    日本で構想されているIRは、単なる滞在型の施設ではない。外国人旅行者に日本の魅力を訴えるショーケースとして活用し、観光産業に与える効果をさらに増幅させることを狙いとしている。
  • 要点
    3
    「コト消費」が充実しているIRは、これからの社会に必要とされるものだ。
  • 要点
    4
    IRによって雇用が生まれれば、地域に希望をもたらすことができるし、日本人の働き方まで変えるポテンシャルを秘めている。

要約

【必読ポイント!】 IRとは何か

「IR=カジノ」ではない
scottmarblephotography/gettyimages

IRは「Integrated Resort」の頭文字をつなげた言葉で、「統合型リゾート」と訳される。いろいろな施設がひとつのエリアにまとまり、リゾート拠点を形成する。

IRに入る施設として、まず挙げられるのがMICE(マイス)だ。これは企業などの会議(Meeting)、報償・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関や国内団体などが行う会議(Convention)、展示会・見本市やイベント(Exhibition/Event)、それぞれの頭文字を取っている。

また宿泊施設もIRには欠かせない。加えて劇場や映画館、スポーツアリーナなどの文化・エンタテインメント施設、レストランやショッピングモールなども入る。

これほど多様な施設を統合する目的は、広く国内外からさまざまな属性の客を誘致するためだ。たとえばMICEで行われる国際会議に参加する経営者やビジネスパーソンには、家族連れも多い。IRなら会議中でも、子どもたちはエンタテインメント施設で過ごせるし、会議が終われば一家でディナーを楽しむことも可能だ。もちろんビジネス客だけでなく、カップルや子ども連れの家族、高齢の夫婦など、幅広い年齢層の方が楽しめるように工夫されている。

たしかにIRには、カジノもある。ただしカジノは、IRの一施設に過ぎない。IR=カジノではないのだ。

日本のIRとカジノ
Noppanun Lerdwattanapaisan/gettyimages

それにもかかわらず日本では「IR=カジノ」という見方が広まっている。これは2016年のIR基本法がきっかけだと思われる。IR推進法はIRの設立を推進する基本法だが、同時にそこでカジノ解禁への道筋も示された。これにより一部のメディアが、IR推進法をカジノ推進法と呼んだのだ。

さらに2018年にはIR実施法が成立。IRの整備に向けた動きが始まっていくこととなった。ただしIR実施法の細則によると、カジノの営業区域の延床面積はIR全体の3%以下に制限することとなっている。この3%という数字は、日本がモデルにしているシンガポールのIRとほとんど同じである。この数字からも、IRをカジノと同一視するのは実態とかなり異なることがわかるだろう。

ではなぜ、IRにはカジノが必要なのか。日本がモデルにしているシンガポールのIR「マリーナ・ベイ・サンズ」を例に取ると、じつはIR全体の売上高のうちの78%をカジノが占めている。さらにいえばカジノはIR全体の3%に満たない施設のため、建設費などの初期投資は他の施設に比べて極端に少ない。つまりカジノは、利益率がとても高いのである。

IRも常に新しい施設などを開発し魅力を高めていかなければ、かならず飽きられてしまう。それを防ぐための再投資に、カジノで稼いだ利益が必要なのだ。

民間主体のプロジェクトであるIR

IRは、国の交付金や補助金による箱モノ建設プロジェクトや産業支援策とは異なる。

IR実施法によると、自治体と自治体が事業者(民間の企業)を選定し、その事業者がつくったIRの基本計画を認可するのは国となっている(認可するのは現時点で3つのみ)。こうして認可を受けたIRは、開業準備から開業後の運営まで、その事業主体は民間企業となる。公的資金や税金は使わず、民間主体で地域経済の自立を目指すプロジェクト、それがIRなのだ。

日本型IRの狙い

日本で実施しようとしているIRについて、政府は「日本型IR」と呼んでいる。

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