eスポーツのすべてがわかる本

未 読
eスポーツのすべてがわかる本
ジャンル
著者
黒川文雄
出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年06月20日
評点
総合
3.3
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.0
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eスポーツのすべてがわかる本
eスポーツのすべてがわかる本
著者
黒川文雄
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出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年06月20日
評点
総合
3.3
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
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レビュー

「eスポーツ」という言葉が、近年ずいぶん耳慣れたものになりつつある。オリンピックの正式種目として検討されるなど、ニュースで扱われることも増えてきた。しかし「eスポーツとは何か?」と聞かれてはっきり説明できる人は、まだそれほど多くないのではないだろうか。「名前は知っているが、内実はよく知らない」という人がほとんどであろう。本書はそんなeスポーツを、知識ゼロから理解できる入門書だ。

eスポーツとは、ビデオゲームを使って行う競技全般を指す。「要はゲームでしょ?」と侮るなかれ。実に奥深いスポーツであり、ビジネスなのである。eスポーツはただエンタテインメント性の高いコンテンツとして発展しているのではなく、時代の変化を如実に現している分野ということが、本書を読むとよくわかる。

eスポーツはゲームとプレイヤー、プレイヤーとプレイヤー、プレイヤーと観客のコミュニケーションなのだと著者は語る。パッケージビジネスが終焉を迎え、インターネットによる情報の「シェア」が当たり前になったいま、ゲーム業界も大きな変革を迎えている。その中でeスポーツは、コミュニケーション・ビジネス、ライブ・ビジネスという新しいビジネスの最先端を歩んでいると言えよう。

本書ではeスポーツビジネスの仕組みや魅力、発展と今後の展望を丁寧に解説している。現役プロゲーマーのインタビューも多数収録されており、読み応えは抜群だ。

池田明季哉

著者

黒川 文雄(くろかわ ふみお)
メディアコンテンツ研究家。株式会社ジェミニエンタテインメント代表取締役。1960年東京都生まれ。アポロン音楽工業、ギャガ・コミュニケーションズ(現在のGAGA)を経て、セガ・エンタープライゼス(現在のセガゲームス)、デジキューブ、デックエンタテインメント、ブシロード、コナミデジタルエンタテインメント、NHN Japan(現在のLINE、NHN PlayArt)などの企業にてゲームビジネスに携わる。現在はジェミニエンタテインメント代表取締役、黒川メディアコンテンツ研究所・所長を務め、メディアコンサルティング業務を行なう。また、エンタテインメント系勉強会の黒川塾を主宰。取材活動も精力的に行ない、エンタテインメント系コラム連載、インタビュー取材記事などを執筆する。映像プロデュース作品に「ANA767 FOREVER」「ATARI GAMEOVER」他、大手パブリッシャーとの協業ゲームコンテンツなども数多く手がけ現在に至る。「オンラインサロン黒川塾」も展開中。

本書の要点

  • 要点
    1
    eスポーツとは、ビデオゲームを使って行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す。「ただ座ってゲームしているだけ」ではなく、知力、体力、忍耐力、精神力を要求される21世紀のスポーツである。
  • 要点
    2
    eスポーツの発展とともに周辺ビジネスも活発化している。イベント運営のプロ集団や実況アナウンサーなど新たな職業が発生しているほか、プロゲーマーやeスポーツの大会が新たなメディアとして企業に注目され始めている。
  • 要点
    3
    eスポーツは「誰でも参加できる」スポーツとして、中高生の部活動に取り入れられたり、高齢者、障碍者にもプレイされたりしている。

要約

【必読ポイント!】 新たなスポーツとして

eスポーツとは?
adamkaz/gettyimages

eスポーツとは「Electronic Sports」の略称で、ゲームを用いて特定のルールのもとに対戦し、勝敗を競うものだ。広い意味ではビデオゲームを使って行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す。

日本では家庭用ゲームが普及したため、ゲームは「家の中で、少人数で」という遊び方が一般的だった。一方で海外では、1990年代から「テトリス」などの人気ゲームの競技会がアメリカ各都市で行われるなど、開かれた環境で発展してきた。現在アメリカではすでにeスポーツが産業として成立しており、eスポーツで活躍するプレイヤーである「プロゲーマー」は「スポーツ選手」として広く認められている。

eスポーツは定義が定まっていない部分もあり、競技人口の正確なデータはないが、世界のeスポーツの市場規模は2016年に493億円、2018年には906億円に達しており、2021年には1650億円にまでのぼると考えられている。

また従来は主流だったパッケージゲーム市場をデジタル配信ゲーム市場が逆転するなど、ゲーム業界は大きな変化を見せている。

eスポーツの種類

eスポーツにはさまざまな種類があるが、そのジャンルは大きく6つに分けられる。

(1)マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)は、複数人のチームで戦い、味方と協力しながら敵の本拠地を破壊して勝利を目指すものだ。ゴールとなる「敵陣地の破壊」を目指し、メンバーの配置や攻撃と防御など、戦略的要素が重要になる。

(2)ファーストパーソンシューティング(FPS)はシューティングゲームとアクションゲームが複合されたゲームだ。主人公の一人称視点でゲームが進み、敵と戦ってクリアを目指す。

(3)スポーツゲーム(SPG)はその名の通りスポーツを題材としたゲームだ。サッカーやバスケットボール、アメリカンフットボールなどが人気である。

(4)コレクタブル・カードゲーム(CCG)は、日本ではトレーディングカードゲームと呼ばれる。対戦形式のデジタルカードゲームだ。

(5)格闘ゲーム、いわゆる「格ゲー」は日本人にはなじみ深いだろう。キャラクター同士の対戦ゲームを指す。

(6)スマホゲームアプリは近年急速に増えている。日本では「モンスターストライク」と「パズドラ」のみプロゲーマーとしてのライセンス認定がなされている。

現在世界で最も参加人口の多いゲームは、MOBAの「リーグ・オブ・レジェンド」である。

eスポーツの条件
Homunkulus28gettyimages

eスポーツとして認められているゲームとそうでないゲームには、どのような違いがあるのか。

2018年に設立された一般社団法人eスポーツ連合(JeSU)が掲げている「eスポーツ公認条件」は次のとおりだ。

(1)ゲーム内容に競技性が含まれること

(2)ゲームとして3カ月以上の運営・販売実績があること

(3)今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること

(4)eスポーツとしての大会の興行性が認められること

つまり競技性、稼働実績、大会の継続、興行性の4つが条件である。この条件は敷居が低いため、今後も多くのゲームがeスポーツ公認ゲームとして世に出るだろう。

eスポーツは「スポーツ」か?

「座ったままパソコンを操作して遊ぶゲームがスポーツか?」という議論は絶えない。日本国内ではeスポーツを「スポーツ」とすることについて、否定的な立場の人が多い。その理由として、野球のグローブやミットのように共通した道具を使用していないこと、各eスポーツのコンテンツによってルールや内容が異なることなどが挙げられる。

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