5Gでビジネスはどう変わるのか

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5Gでビジネスはどう変わるのか
出版社
定価
1,870円(税込)
出版日
2019年11月18日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

第5世代の通信規格を表す5Gが、にわかに注目を浴びている。通信規格は3Gから4Gを経る中で、ガラケーからスマホへと、私たちの生活スタイルを変化させてきた。これに対し、5Gには、新しい未来やスマホの次を想起させる響きがある。そして、その予感はすでに現実になろうとしている。腕時計やメガネ型の通信端末が登場し、AR/VRも普及への一途をたどっている。また、クルマの自動運転も現実化しつつあり、ドローンは人を乗せて空を飛ぶ勢いだ。くわえて、次世代型の情報技術は、5Gなくして実現しないといっていいだろう。

本書によると、5Gに対する人々の過剰な期待が先行しすぎており、間もなく5Gに幻滅する時期が訪れるという。ただし心に留めておきたいのは、多くのテクノロジーが、先行する期待から幻滅期に直面し、それを乗り越えることで広く普及してきたという事実だ。5Gサービスを開発するのならば、ユーザーと共に幻滅しなければ、ユーザーのニーズを正しくくみ取ることはできないともいえるだろう。

変化の速いビジネス環境において、5Gを使った新しいサービスを開発し、早期に市場に投入して競争優位を築く必要に迫られた企業も少なくない。そうした企業のほとんどは、幻滅期で淘汰されるのかもしれない。しかし、幻滅体験こそが5Gで競争優位を築くという主張は、非常に有用といえよう。

本書を熟読することで、5Gサービスを開発するための要諦を理解し、確かな足掛かりを見つけることができるはずだ。

ライター画像
香川大輔

著者

クロサカタツヤ
慶應義塾大学大学院(政策・メディア研究科)修士課程修了。学生時代からインターネットビジネスの企画設計を手がけ、卒業後は三菱総合研究所にて情報通信事業のコンサルティングや国内外の政策分析に従事。2008年に株式会社企(くわだて)を設立。現在は 同社代表取締役として、通信・放送セクターの経営戦略や事業開発のコンサルティング、 官公庁プロジェクトの支援を実施するほか、総務省、経済産業省、国土交通省などの政府委員を歴任。2016年より慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任准教授を兼務。

本書の要点

  • 要点
    1
    デジタルとリアルの融合をもたらす5Gは、過度な期待のピークを過ぎると幻滅期が訪れる。
  • 要点
    2
    5Gサービスとして、まずはゲームや動画が注目され、その後は社会的な課題を解決するための、スマートシティやスマートホームが普及する。
  • 要点
    3
    5Gサービスを成功させるためには、幻滅期にユーザーと共に幻滅しながら、社会的な課題に目を向ける必要がある。

要約

デジタル化時代をもたらす5Gの衝撃

4Gと5Gの違いとは?
Fokusiert/gettyimages

5Gサービスが始まることで何が変わるのだろうか。5Gを4Gと比較した場合の技術的な特徴として、「超高速、低遅延、多数同時接続」が挙げられる。これ以外にも技術的な違いは多く、5Gと4Gは似て非なるものと考えたほうがよい。ソフトウェア技術によりネットワークを仮想化するという、5Gがもつネットワーク・スライシングは、その代表例といえるだろう。両者が別物である以上、事業開発とその難易度も違うものだ。4Gが広く普及する中、5G時代に何が差別化要因となり、何が新たな価値として認められ得るのか、問い直さなければならない。

では5Gで事業開発を進めるうえで、理解しておくべき点は何か。最も重要なのは、5Gが新しいマネタイズプラットフォームだということだ。通信事業者がサービスから対価を得るために巨大な集金装置として機能し、さまざまなサービスの徴収代行者の役割を担う可能性がある。さらには、5Gがフルコネクテッドである点も押さえておく必要があるだろう。4Gの世界では、スマートフォンやパソコンを覗き込まなければ4Gサービスは利用できない。一方5Gでは、フル(どんな時でも)コネクテッド(接続している)な世界が待っているのだ。

5Gが実現するデジタルとリアルの融合

5Gが普及すると、街のあちこちに仕込まれたセンサーやディスプレイが、ネットワークへの常時接続を前提に稼働するようになる。従来は何もなかった空間がどんどんコネクテッド化し、空間自体がネットワークコンピュータになっていく。こうして私たちは、スマートフォンやパソコン画面といった「窓」の外側にいることになるのだ。

ではこうした5G環境の未来はどのようなものか。まず、生活環境にコンピュータやセンサーが溶け込んでいるので、コンピュータを使うという自覚なしに様々なサービスを受けられるようになる。VR/AR用のヘッドマウントディスプレイやスマートスピーカーといった新しいデバイスは、より身近なものになるだろう。このような5Gの世界では、リアルとバーチャルの境目が曖昧になる。つまり、すべてがシームレスになっていく。いずれは、「デジタルを含めたすべてがリアル」という世界が、5Gによって実現することになる。

くわえて、リアル空間の情報がデジタルデータとして得られるようになると、人工知能の予測精度は向上する。こうして、社会機能に予測が反映される「予測前提社会」が訪れることとなる。もはや5Gの世界にはスマートフォンは必要ない。「窓」を覗き込まなくても、自らがデジタル化した環境の中に身を置き、意識することなくサービスを享受できる世界が待っているのだ。

5Gの黎明期~幻滅期
gorodenkoff/gettyimages

それでは5Gはどのように普及するのか。一般的に、モバイル通信規格のライフサイクルは、実際に普及が始まって完全に終了するまで20年を要する。その中でも旬の時期は、最初の10年だ。それでは、5Gにとって旬の時期にあたる2020年から2030年に、5Gはどのような形で広まるのか。ここでは、ガートナー社が提唱する「ハイプ・サイクル」に沿って説明する。

2019年後半は、5Gは「黎明期」でありながら、「過度な期待」のピーク期に該当する。実際に、新聞やテレビで5Gを取り上げない日はなく、「5Gバブル」とも呼べるような様相を呈している。5Gへの期待は、モバイルインターネットに飽きつつあるユーザーの、次なる変革に向けた渇望の表れなのかもしれない。

このような黎明期とピーク期に注目される産業は、ゲームと動画配信の2つだ。すでにゲーム開発の取り組みは活発化しており、グーグルやアップルがゲームプラットフォームの立ち上げを発表している。また、ゲームの先には動画配信が視野に入ってきている。

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