ベゾス・レター

アマゾンに学ぶ14カ条の成長原則
未読
日本語
ベゾス・レター
ベゾス・レター
アマゾンに学ぶ14カ条の成長原則
未読
日本語
ベゾス・レター
出版社
定価
1,980円(税込)
出版日
2019年11月22日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

インターネット黎明期、ビジネスチャンスを狙って数々のECサイトが誕生した。そのうちの1社がアマゾンである。他の多くのECサイトは失敗に終わり消え去ったが、アマゾンは生き残り、今では時価総額1兆ドルを超える巨大企業に成長した。

消えた企業とアマゾンとの違いは何だったのか。その理由は本書を読むと明確になるだろう。

本書の著者は、保険業界で35年以上のコンサルティング経験のあるビジネスコンサルタントである。いわば、事業におけるリスク研究のプロだ。著者は本書で、アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスが1997年から2018年の間に株主向けに書いた21通のレターを丹念に読み込んで分析。ベゾスはリスクを避けるのではなく、自分の利益につながるよう戦略的に活用する独特の思考法を持っていると指摘する。そうしたベゾスの思考法がアマゾンの企業文化に大きな影響を与えているのだ。

著者はさらに、アマゾンが取り組むすべての事業に共通する、とある「成長サイクル」の存在を発見した。アマゾンの急成長の秘密は、この成長サイクルにあるのだという。その内容は、本書でたっぷり語られる。

著者は、どんな業種のどんな事業でもこの成長サイクルが役立つと強い口調で書いている。35年以上にわたり、公的機関から民間企業までさまざまな企業を見てきた著者がそう言うのだから、十分な説得力がある。この成長サイクルを知りたい人は、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

著者

スティーブ・アンダーソン(Steve Anderson)
ビジネスコンサルタント。専門分野はリスク、テクノロジー、生産性、革新性。保険業界で35年以上のコンサルティング経験がある。保険法で修士号を取得。講演と執筆の実績も豊富で、「フューチャリスト」でもある。これまで行ってきた講演のテーマは、テクノロジーの未来、SNSプラットフォームの影響力、ビジネスに役立つインターネットの活用法やリスクの評価法など。 リンクトインによる「影響力のある150人」に選ばれた経験があり、34万人以上のフォロワーがいる。

カレン・アンダーソン(Karen Anderson)
執筆コーチ。出版コンサルタント。出版界で30年以上活躍するとともに、ダイレクトレスポンスマーケティングの経験も豊富。その影響力は『ニューヨーク・タイムズ』や『USAトゥデイ』などが選ぶベストセラー 書籍の多数に及ぶ。

本書の要点

  • 要点
    1
    アマゾンは、大きな可能性を秘めているアイデアでも最初は小さく賭ける。そして、その成功を確認すると、さらに大きく賭ける。
  • 要点
    2
    「弾み車」は、一度動き始めて勢いがつくと、軽く押すだけで動き続ける。自社の「弾み車」を理解することで、やるべきことにリソースを集中でき、事業は勢いよく成長していく。
  • 要点
    3
    アマゾンでは迅速な決定が行われる一方で、「スピードを上げるために減速する」という考え方もある。決定のために準備することで、かえって時間を節約できるということだ。

要約

なぜベゾス・レターなのか

レターから見えてきた成長サイクル
fizkes/gettyimages

リスクに関する行動には、2種類しかない。リスクをとるかとらないかだ。

リスクと成長は切っても切れない関係にある。事業にリスクが伴うのは当然のことだが、考えなしにリスクをとるわけにはいかない。ベゾスのとるリスクには意図があるし、彼はリスクを「悪」とは捉えていないようだ。

ベゾスは、安定したウォール・ストリートの仕事を辞め、両親から30万ドルを借りてオンライン書店を始めた。当時オンライン事業は「博打(ばくち)」でしかなかった。それでもベゾスはリスクをとり、かき集めた資金と親からの借金で会社を始めた。そしてその結果、アマゾンを世界中で知られている会社に育て上げた。ベゾスはリスクの達人なのだ。

ベゾスはどうやって「博打」を1兆ドル規模の会社に成長させたのか。著者は、その秘密を読み解くため、ベゾスが1997年から現在まで株主向けに発表してきた年次レターを分析した。すると、実験、構築、加速、規模の拡大の4つで構成される「成長サイクル」が浮かび上がってきたのだという。

本書は、レターの引用とこの「成長サイクル」、そしてそれぞれのサイクルに当てはまる「成長への14カ条」によって構成されている。

成長サイクル:実験

第1条「いい失敗」を促す

アマゾン・ドット・コムは何度も失敗を経験していますし、損失も数十億ドル出しています。誇張ではありません。ペッツ・ドット・コムやコズモ・ドット・コムを思い出す方もいるかもしれませんね。こういう失敗をしでかしたときは、麻酔なしで根元から歯神経を抜かれたような気分です。楽しいはずもありません。ですが、結局はたいしたことではないのです。――2014年『ビジネスインサイダー』カンファレンス「IGNITION」

アマゾンでは、「失敗」が予算に組み込まれている。失敗から学ぶことで、新たなものを構築できるとわかっているからだ。

成功のもとになった「失敗」として、「アマゾンオークション」が挙げられる。アマゾンオークションは、1999年、イーベイに対抗すべく始められたサービスだ。しかし、最終的に失敗に終わった。

失敗の主な要因は、消費者がアマゾンで商品を競り合うことに拒否反応を示したことだ。消費者がアマゾンに対して求めていたのは、安定した価格で商品を購入できることであった。そのため、アマゾンをこれまでと異なる方法で利用することができなかったのだ。

その後、アマゾンはzShopsというサービスを始めた。アマゾン以外の売り手が、アマゾンのサイト内に自分の商品を表示する特設ページを作れるというサービスだ。しかしこれも失敗に終わった。顧客が余分な手順が増えるのを嫌がったからだ。

アマゾンは2つの失敗をしたが、アマゾン以外の売り手がアマゾンで販売するというアイデアは、アマゾンマーケットプレイスに引き継がれることとなる。

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