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本書の要点

  • 叱り、叱られ慣れない人が増えている。叱る方はよけいに覚悟がいるご時世だ。でも、一回だけ叱る、いくつかの点に気を付けて叱る、などコツはある。

  • 著者本人は、叱られ続けて60年。振り返ると叱られて身についたことはたくさんあるし、自分にとっての「怖い存在」のおかげで、自制心をもつことができているとも思える。

  • 叱られる方にもコツはある。落ち込んだ気持ちを引きずらず、寝たり、人に話して発散したりする。叱られるとき、言い訳はしない。叱られたことをネガティブな経験にせず、自分のたくわえにしていける叱られ方がある。

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叱る覚悟

叱り方は一回だけ

macrovector/iStock/Thinkstock

アガワさんが聞いたところによると、近頃、後輩を叱れない人たちが増えているらしい。へたに叱りつけて過度に落ち込ませては面倒だし、などといろいろと気を回しているうちに、タイミングを逃してしまう。ややもすればパワハラと言われてしまうこともある。

若い人たちも叱られ慣れていないらしく、怒られるとびっくりして泣き出す人もいるという話だ。新人の男性社員に「もっと元気よく挨拶をしなさい」といったら、出社しなくなってしまったというケースもあるのだとか。

だが一方で、何も注意されないと、若手はこれでいいのだと思って仕事をするせいで、良くない状態がなかなか改善しなかったりもする。

叱り、叱られ慣れなくなったせいで、世の中の風潮は「誉めて育てる」方向に偏ってしまったのかもしれない。

ある女性社長は、「今は誉める技術のほうが盛んに取り上げられるけれど、私は誉める前にまず叱り方が問題だろうと思うんですよ」といったという。

彼女は、叱るときのルールを自らに課したそうだ。「叱るのは一回だけ。何度もしつこく叱らない」。

その信念をもって部下と向き合うのだが、ドキドキするし、叱ったあと、眠れない夜もあるという。今の世の中、叱ることは、なかなか難しいことになっている。

見事な叱り方

Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

あるレストランで、アガワさんたちは食事をしていた。そこへ、とてもうるさい客がやってきた。6~7人の男女のグループで、ときどきは自分たちの会話が聞こえなくなるくらい騒がしい。なかなか注意できずにいるうち、彼らは帰って行った。

その直後、お店のスタッフ数人が、ホール中のテーブルをまわって謝り始めた。本人たちを叱ってくれればよかったのに、と、どうもモヤモヤが残った。

別のある日、アガワさんは、笑い声のとても大きな友人と食事をしていた。注意はしているものの、お酒が入るにつれて、いつのまにやらガッハガッハと笑い出してしまった友人。そこへ、ウエイターの若者がやってきて、腰をかがめてビシッと囁いた。「もう少し、静かにしてください! 他のお客様にご迷惑です!」きっぱりはっきりしっかり、叱られてしまった。

心で泣き、猛省するとともに、アガワさんは見事な叱り方に感動すら覚えたという。

「借りてきた猫」

友人の女性編集者が叱り方の極意を教えてくれたという。「借りてきた猫」というものだ。

「か……感情的にならない

り……理由を話す

て……手短に

き……キャラクター(人格や性格)に触れない

た……他人と比べない

ね……根に持たない

こ……個別に叱る」

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要約公開日 2014.07.11
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