著者が生まれ育った家庭では、朝食は5時半からだった。父親が会社員で、満員電車を避けるために6時には家を出ていたからだ。父親にあわせて家族全員が朝型の生活をしており、22時に寝て5時に起きるのが習慣となっていた。
だが、著者の生活は、社会人になったことで一変する。10時始業で夜遅くまで仕事をし、上司や同僚と飲みに行くことが増えた。心身ともに疲れが溜まり、週末は昼まで寝る日々だった。
ある日、そんな生活に嫌気がさし、思い切って上司に「2時間早く出社するので、2時間早く帰っていいでしょうか」と相談した。上司は驚いたが、申し出を受け入れてくれた。
朝型の生活は、いいことずくめだった。朝の8時前に出社すると、静かな職場で、スッキリと冴えた頭で仕事ができる。8時から10時までの2時間、集中して仕事をすると、他の社員が出勤してきたころには、その日のうちでもっとも重要な仕事がほぼ終わっている。午前中にはその日の仕事がほとんど片付き、午後は余裕をもって、他の仕事に集中できる。
上司からの評価も上がった。「きちんとしている」「しっかり仕事をしている」とみなしてくれるようになったのだ。認められたことでモチベーションが上がり、成果も上がっていった。
このように、朝型の生活は、単なる生活習慣ではない。人生における武器にもなり得るのだ。
早起きをすると、平日にも自分の時間がつくれる。
多くの人は、英語の勉強がしたい、本が読みたいなどの潜在的な願望をもっている。それなのに、「平日は仕事があって時間がない」と諦めてしまっているのだ。
やりたいことがあるなら、早起きをすればいい。平日の朝に時間があれば、仕事が効率よく進むのはもちろんのこと、自分のやりたいことをする時間をつくれるようになる。
たとえば、英語を習得したいなら、オフィス近くのカフェで朝の7時から8時まで勉強すればいい。通勤時間も英語の勉強に使うようにすれば、かなりの時間を確保できるはずだ。
早起きをすると、夜の付き合いが減ってお金が貯まる。
1回の飲み会にかかる費用を5,000円とする。2次会に行けばさらに2,000円~3,000円程度かかるし、さらにはタクシーを使うこともあるだろう。そうなると、ひと晩で1万円はかかってしまう。飲み会にお金をつかうよりも、その金額を貯めて将来に備えるほうがよほど建設的ではないだろうか。
「飲み会をやめると、ひと付き合いがなくなってしまう」と懸念する人もいるかもしれない。それならば、「1回3時間5,000円」の飲み会ではなく「1回1時間1,000円」のモーニングに誘ってみてはどうだろうか。飲み会で愚痴を言い合うより、朝のフレッシュな時間をつかって、前向きな話題で盛り上がるほうがずっといい。
続いて、具体的な早起きの方法についてみていく。
早起きするための準備として有効なのが、「朝と夜の時間割」をつくることだ。自分の生活習慣を可視化してみると、いかに普段の活動が夜に傾いているのかが把握できるだろう。
このときのポイントとしては、できるだけ詳細に書き記すことだ。
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