ビジネスエリートになるための 教養としての投資

未 読
ビジネスエリートになるための 教養としての投資
ジャンル
著者
奥野一成
出版社
ダイヤモンド社 出版社ページへ
定価
1,500円 (税抜)
出版日
2020年05月27日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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ビジネスエリートになるための 教養としての投資
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著者
奥野一成
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1,500円 (税抜)
出版日
2020年05月27日
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3.5
明瞭性
4.0
革新性
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レビュー

投資をはじめれば、世界の見方が変わる。そして投資によって得られた知見は、あなたを必ずビジネスパーソンとして何段階も上の世界に導くだろう。ここでいう「投資」とは、値動きを見ながら短期間で売り買いを繰り返す、ギャンブルのような「投機」ではない。経営者の目線に立って長期的に利益を拡大することができる企業を探し出し、その企業のオーナーになったつもりで、半永久的に株式を保有することだ。

このような投資に必要なのは、テクニックやハウツーではない。英語や会計、統計学の知識、財務諸表の読み方などのスキル、そしてビジネスや投資における経験だ。

投資は決して、「濡れ手に粟」の楽して儲けられる手段ではない。あなたがある企業に投資しようとした場合、その企業を徹底的に分析し、判断する必要がある。それはつまり、自ら何らかの事業を手がけるときと全く同じ経営者的なアプローチなのだ。多くのビジネスパーソンにとっては、普段自分が手がけている仕事よりも何段階も高い目線で考えなくてはならないだろう。その経験があなたをレベルアップさせるのだ。本書は、企業を観察するうえでの重要なヒントをたくさん与えてくれる。

投資は「知の総合格闘技」なのだ。真剣に取り組めば、ビジネスの世界で自分が躍進していくための教養だけでなく、人生100年時代の備えを手に入れることもできる。本書は、このまま「使われる」だけの人生で終わりたくないと考えるすべてのビジネスパーソンにとって、最良の導きとなるだろう。

ヨコヤマノボル

著者

奥野一成(おくの かずしげ)
農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)
京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。2014年から現職。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している。

本書の要点

  • 要点
    1
    投資とは、自分より優秀で稼いでくれそうな、自分以外の仕組みに対してお金を投ずることだ。
  • 要点
    2
    「投資はいかがわしいもの」という意識を持つ人も多い。しかし優秀な経営者とは、ほぼ間違いなく優秀な投資家だ。日本人は、もっと資本家のマインドを持たなければならない。
  • 要点
    3
    株式を買うときは、株価の動きに注目するのではなく、それぞれの企業がたたき出している利益に注目しなければならない。将来的に安定して利益を伸ばしていける企業の株式を買えば、いちいち売り買いしなくても大きく資産を増やせる。

要約

投資家の思想が人生を成功に導く

労働者2・0を目指せ
Andrew Rich/gettyimages

学校を卒業すると、大多数の人は社会人として働くようになる。組織の一員として上からの指示に従い、日々の生活を支えるために働く。それは「労働者1・0」の働き方だ。労働者としてのマインドセットしか持ち合わせておらず、常に指示待ちで、いつまで経っても使われる側の人たちだ。自分の時間と才能という自己資産を、他の人に搾取されたままにしている。

その対極にあるのが「資本家」だ。お金を出して、他人の才能と時間を使う立場にいる人たちである。

労働者1・0は自分の身の周りのことにしか関心を持てない。所属している職場で与えられた課題に対応する力だけが求められるからだ。一方資本家は、広く世界を知ろうとし、自分で課題を見つけて変革する力を持っている。

しかし、労働者1・0の人が一足飛びに資本家になるのは難しい。だからまずは「労働者2・0」を目指すべきである。才能を搾取されるのではなく、自らアピールして自分の才能を誰かに売ってやろうという気構えを持つことだ。

自分で主体性を持って働くようになると、所属している会社、狭いコミュニティや人間関係の外にも自分の世界が広がる。たとえ勤めている会社が倒産したとしても、培ったスキルや人脈を活用して、新しい道を開くことができるのだ。

また労働者2・0では、自分自身が働く以外にも収入を得られる方法に気づけるため、資産形成に投資を組み込もうという発想が自然と生まれる。

人生100年時代の投資

これから、100歳を超えて生きる人がどんどん増えていくだろう。その年齢まで人間として十分な生活を送るには、人ひとりが65歳までの労働年齢で稼げる現在の総量では足りない。解決策の1つは、若い頃から自己投資してスキルを高め、多くの経験を積んで収入を増やすことだ。しかし、会社が倒産する、自分が病気になるといったリスクがあり、自分の才能を伸ばす方法には限界がある。そこで、得られた報酬の一部を株式投資に回すのだ。

投資とは、自分より優秀で稼いでくれそうな、自分以外の仕組みに対してお金を投ずることだ。言ってみれば、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスに働いてもらうようなものである。自分自身が働ける時間は1日8時間でも、株式に投資すれば、自分が属している企業や産業とは異なるところからもお金が入ってくるようになる。時間あたりの効率が格段に増し、自分の1日の持ち時間を増やすことができる。

しかし、株式投資をすればすぐにリターンが得られるということではない。どんな企業でも、企業価値を高めるには相応の時間が必要だからだ。

日本でもバフェット流の投資を
aluxum/gettyimages

投資というと、株価の値動きを見ながら短期で売買を繰り返して利ざやを得るもの、と考えている人も多いだろう。しかし、「投資の神様」と呼ばれているウォーレン・バフェットの手法は全く異なっている。永続的に利益を生み出す利益モデルを持っている企業かどうか、企業買収をするかのような企業価値評価を行なうのだ。そうして選んだ投資先の企業を、オーナーの一人として永久に保有しようとする。実際バフェットは、スキャンダルが起きた企業の暫定CEOとして経営の指揮をとったこともある。

こうしたバフェット流の投資を日本企業に対して実現するために、農林中金で社内ベンチャーを立ち上げた。「買ったら売らずにリターンを挙げる」という運用は実績を積み上げ、2009年には農林中金バリューインベストメンツとして独立する。100億円でスタートした運用資産は、現在3000億円まで成長している。

日本人はなぜ投資が苦手なのか?

投資に対する偏見

日本には1800兆円もの個人金融資産があるといわれる。だからといって、日本が豊かな国だというわけではない。

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