生産性が高いのは、「朝型」と「夜型」のどちらか。一般的には、朝型だとされている。
実際、オーストラリアの研究グループが、これを裏付ける研究結果を報告している。人間が十分に覚醒して仕事ができるのは起床後12~13時間までで、17時間を超えると「ほろ酔い状態」と同じくらいまで集中力が低下するというのだ。
つまり、朝6時に起きれば18時には集中力の限界がやってくる。さらに23時まで残業すれば、ビール中びん1~2本、もしくは日本酒1~2合を飲んだのと同じような状態になってしまう。
この研究結果を踏まえると、思考がクリアなうちに集中して仕事をこなし、定時に切り上げるのが理想的だとわかる。著者は夜22時までに眠り、朝は日の出前後に起きて、太陽の光を浴びて瞑想するのが習慣だ。午前中から太陽が南中し少し傾くまでは思考力が必要な業務に集中し、16時ごろからは事務処理系の仕事に移行する。時間帯ごとに取り組む業務の種類を変えることで、成果を最大化しているのだ。
仕事ができる人は、自分の集中力がどれくらい続くのかを把握している。20分が限度なら、「20分仕事をしたら5分休憩する」というサイクルを繰り返せばいい。
一般的に、人間の集中力の限度は15~30分程度だとされている。60~90分集中することも可能だが、集中が切れた場合の反動が大きくなり、再びペースに乗せるのが難しくなる。調子がよくても小まめに休憩をとることが、生産性アップにつながるといえるだろう。
まずは、自分が集中できる時間の長さを知っておこう。そわそわしたり気が散ったりするのは、集中が途切れたサインだ。
仕事の効率を上げるには、優先順位づけが重要だ。好きで得意な仕事から着手して勢いをつける人もいるが、やはり重要な仕事から取り掛かるのがいいだろう。
優先順位づけには、「緊急度と重要度のマトリックス」というフレームワークが役立つ。縦軸に「重要度」の高低、横軸に「緊急度」の高低を示したマトリックスをつくり、仕事を割り振っていこう。
マトリックスをつくったら、まず右上の「重要で緊急」に分類された仕事を処理する。その後は、「重要ではないが緊急」→「緊急ではないが重要」→「重要でも緊急でもない」の順に片づけていく。
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