本書では、「お金持ち」の定義を「資産1億円以上」としている。まずは、資産1億円以上を達成するための「お金持ちマインド」とはどのようなものかを見ていこう。
億万長者になりたい人は数多いるだろう。しかし、「この3つを実践すればなれる!」といった簡単な方法はない。
著者はデータから事実を捉えることを推奨する。例えば、保有資産規模ごとの資産構成(ポートフォリオ)を帯グラフで表したデータがある(図を参照)。このグラフによると、資産額が少ない人ほど自宅や車の占める割合が大きい。一方、資産額が多くなるほど株式、投資用不動産など、投資の部分が大きくなっている。つまり、世界のお金持ちの大半は、資産のほとんどを投資で築いているといえる。
お金持ちになる近道は、お金持ちが実践している方法を参考にすることだ。それはすなわち、ポートフォリオから事実を知り、真似るということである。
ライオンは、狩りをするとき以外はほとんど動かない。このライオンの生態は、お金を稼ぐときの参考になる。
エネルギーには、フィジカルエネルギーとメンタルエネルギーの2つがある。必要がないときには2つのエネルギーを溜めておき、動く必要のあるときだけ動く。著者はこれを「ライオン戦略」と呼んでいる。
特に、疎かにしがちなメンタルエネルギーを溜めるコツは、「思考の繰り返し」を減らすことである。職場の人間関係や家族のことで、何度も後悔しているとメンタルエネルギーを無駄に消費してしまう。
対処法としては、1つのことを50回リピートするのではなく、5つのことを10回リピートするなどして、思考を多様化させることだ。これによりエネルギーを分散し、効率的に使うことができる。
日本には、間違いを犯すと大いに批判されるというカルチャーがある。しかし、お金持ちになるためには、失敗を経験して、上手に失敗する術を学ばなければならない。
著者がウォール街で働いていた20代の頃、あるメンターに「失敗の仕方をマスターすれば、それを回避する術がわかる。そして失敗を回避していれば、自ずと成功はやってくるものなんだ」と諭された。それ以来、失敗をポジティブに捉え、同じ失敗を防ぐ対策を考えられるようになった。大事なことは、小さな失敗を繰り返し、そこでの学びを活かして大きな成功につなげるというマインドだ。
著者は、12歳から23年間投資を続け、世界のお金持ちの方法論を取り入れていった。そこから著者が見出したのが、「投資で利益を出す5つのルール」だ。
1つめは、情報をできるだけ集めることである。投資の世界では情報は武器だ。武器が多いほど判断が正確になる。
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