NINE LIES ABOUT WORK

仕事に関する9つの嘘
未読
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仕事に関する9つの嘘
未読
NINE LIES ABOUT WORK
出版社
サンマーク出版

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出版日
2020年06月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「どの会社で働くかは重要だ」「目標は連鎖させよう」「フィードバックは多いほどよい」。ビジネスパーソンだったら誰でも耳にしたことがある、もはや定説ですらあるこれらの言説が、じつは「ウソ」だと言われたらあなたはどうするだろうか。

本書の著者は、「最も影響力のある経営思想家ベスト50」にも選出され、人材や組織に関する研究の第一人者であるマーカス・バッキンガムと、企業の人材活用支援にキャリアを捧げてきた、ビジネスの世界で活躍するリーダーであるアシュリー・グッドールの2人だ。マーカスの大ベストセラー『さあ、才能に目覚めよう』はあまりにも有名で、「ストレングス・ファインダー」の受験経験がある方も多数いることだろう。

そんな著者らが今回題材にするのは職場における「ウソ」だ。職場でホントだと信じられている慣行は、たとえ最初は「ホント」から始まっていたとしても、やがて機能しなくなり、人の成長や活躍を妨げているものがある。本書はそんな慣行をあえて「ウソ」と呼び、より普遍的な真実を明らかにしようとしている。本書があばく「9つのウソ」と、最新の研究結果に基づいて示される「9つの真実」は、これまでの慣行を信じてきた私たちに揺さぶりをかける。驚いたり、ショックを受けたりする方もいるかもしれない。しかし、そこには成長のヒントが隠されている。新しくリーダーになろうとする方から経験豊富な経営層にまで、ぜひ手にとっていただきたい一冊だ。

ライター画像
狩野詔子

著者

マーカス・バッキンガム
人々の強みを解き放ち、パフォーマンスを高め、未来の仕事のあり方を示すことに全力を尽くす、「最も影響力のある経営思想家ベスト50」に選出された世界的研究者、思想リーダー。ADPリサーチ・インスティテュートで「ピープル&パフォーマンス」に関わるすべての調査を指揮する。
著書に『さあ、才能に目覚めよう』(ドナルド・O・クリフトンとの共著、田口俊樹訳、2001年、日本経済新聞出版社)、『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』(加賀山卓朗訳、2006年、日本経済新聞出版社)など、ベストセラー多数。

アシュリー・グッドール
シスコのリーダーシップ・アンド・チームインテリジェンス部門担当シニアバイスプレジデント。前職ではデロイトのディレクター兼最高人材育成責任者を務めた。
マーカス・バッキンガムとの共著に、「社員の成長につながる人事評価システムをつくる」(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー、2015年10月号)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書では、企業に多数存在する欠陥を含んだ慣行を「ウソ」と呼ぶ。「ウソ」にコントロールされている職場では、従業員が強みを発揮することが難しくなる。
  • 要点
    2
    エンゲージメントや離職率に関連するのは、「どの会社」で働くかよりも「どのチーム」で働くかだ。
  • 要点
    3
    目標設定は複雑化・儀式化している。企業は目標よりも企業や業務の「意味」と「目的」を組織内に落とし込むべきだ。
  • 要点
    4
    ネガティブなフィードバックには負の効果がある。リーダーが部下に与えるべきなのは「関心」と「注目」だ。

要約

【必読ポイント!】 仕事に関する9つのウソ

企業は慣行に満ちている
sesame/gettyimages

職場において「ホント」のこととして定着している考えや慣行の多くは、その職場で働く人々をいらだたせたり、疎んじられたりしている。たとえば、組織目標をブレイクダウンして、各階層で働く人々の目標を組織目標に連動させることは、仕事での連携を図ったり、働く人々を評価したりするのに最適だとされている。

しかし、毎年目標設定を行っている従業員のほとんどは、このような目標設定プロセスに対して「実際の仕事とはほとんど関係がない」あるいは「無意味で複雑すぎる」と感じているのではないだろうか。

このような欠陥の多いシステムやツール、プロセスなどによって職場がコントロールされているために、従業員が日々の仕事で強みを発揮することが難しくなっている。このような慣行を、本書では「ウソ」と呼ぶ。「ホント」から始まったはずのものが「ウソ」になってしまったことを暴き、その裏にある、より普遍的な真実を明らかにすることが本書の目的だ。

本書が扱うウソは次の9つだ。

(1)「どの会社」で働くかが大事

(2)「最高の計画」があれば勝てる

(3)最高の企業は「目標」を連鎖させる

(4)最高の人材は「オールラウンダー」である

(5)人は「フィードバック」を求めている

(6)人は「他人」を正しく評価できる

(7)人には「ポテンシャル」がある

(8)「ワークライフバランス」が何より大切だ

(9)「リーダーシップ」というものがある

本要約ではそのうち(1)、(3)、(5)のウソについて紹介していく。

「どの会社」で働くかが大事、というウソ

「企業文化」という虚構

最初に暴くべきウソは、「どの会社で働くかが大事」というものだ。

『フォーチュン』誌の「働きがいのある企業100」といったランキングに取り上げられる企業は、自社の「企業文化」を定め、巧みに築き上げてきたように見える。

企業文化が重要である理由は、企業文化が次の3つの役割を果たすからだと言われている。第一に、企業文化はその会社で働く人の人となりや立ち位置について教えてくれるということ。第二に、人々に注目される企業文化は、いまや「企業の成功要因」と見なされているということ。第三に、企業文化は「企業が目指す方向性」を示す言葉になっているということだ。多くの求職者は、企業文化を参考に、希望の職場を探している。

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要約公開日 2020.11.21
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