1日誰とも話さなくても大丈夫

精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ
未読
1日誰とも話さなくても大丈夫
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精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ
未読
1日誰とも話さなくても大丈夫
出版社
定価
1,210円(税込)
出版日
2020年07月26日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

新型コロナウイルスの流行で、突如として始まった在宅勤務。誰とも直接話ができない「ステイホーム」で、予想外にストレスを抱えてしまったという方も多いのではないだろうか。

本書の著者は、現役の精神科医だ。メンタルの専門家である著者でさえも、誰とも口をきかずに過ごしているうちに孤独を強く感じてしまい、「このままではいけない」と危機感を覚えたそうだ。本書は、著者自身が試行錯誤しながら実践し、効果があると感じた対処法を集めたものである。

専門家としての視点からの解説も含まれているが、文体はやわらかく親しみやすい。専門家である著者でもすべてを投げ出したくなったり、疲れたり、コンプレックスを感じたりする。そんな著者が「効果あり」と感じている対処法は、難しいものでも特別なものでもない。紹介されているコツは、どれも気軽に取り入れられそうなものばかりだ。だからこそ、忙しい日常にもすぐに始めることができるだろうと思わせてくれる。

現在のような感染症の流行時だけでなく、今後も在宅ワークが必要になり、ひとりで過ごさなければならない日々が続くことは大いにあり得る。たとえひとりぼっちで1日誰とも話さなくても、心身ともに健やかに過ごしたいものだ。そんな時に、本書の「楽に生きるコツ」は心を落ち着けるヒントをくれることだろう。暗い気持ちになりがちな現在のような状況であっても、肩の力を抜いて穏やかに生きていける、そんな明るい気持ちにさせてくれる一冊だ。

ライター画像
金井美穂

著者

鹿目将至(かのめ まさゆき)著
精神科医。1989年、福島県郡山市生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県豊橋市の松崎病院に勤務。2020年4月に総合情報サイト・プレジデントオンラインで発信した「激増中『コロナ鬱』を避けるための5つの予防法〜精神科患者の9割以上がコロナ案件」がYahoo!ニュースのトップページに掲載され、大きな反響を呼ぶ。

鳥居りんこ(とりい りんこ)取材・文
エッセイスト&教育・介護アドバイザー。2003年、『偏差値30からの中学受験合格記』(学研プラス)がベストセラーに。自らの体験を基に幅広い分野から積極的に発信し、悩める女性の絶大な支持を得る。近著に『親の介護をはじめたらお金の話で泣き見てばかり』(ダイヤモンド社)、企画・構成を担当した『神社で出逢う 私だけの守り神』(浜田浩太郎著・祥伝社)など多数刊行。

●公式ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
https://note.com/torinko
●Facebook
https://www.facebook.com/rinko.torii
●YouTube「鳥居りんこちゃんねる」

本書の要点

  • 要点
    1
    ステイホーム以来、1日誰とも話さない日々に孤独を感じてメンタルに不調を訴える人が増加した。本書では、そんな中でも楽に生きるためのコツを精神科医の著者が紹介していく。
  • 要点
    2
    朝起きたら日光を浴びて、体内時計を整えるとともに、幸せホルモンの分泌をうながそう。
  • 要点
    3
    コインの裏表のように、物事の見え方は見る角度によって変わる。三日坊主も見方を変えれば「経験豊富」だ。
  • 要点
    4
    決断力が鈍ったら、ストレスが溜まっているサインだ。好きなことをして自分をリセットし、自分の「オール」を取り戻そう。

要約

ステイホームで増加した、孤独を感じる人々

1日誰とも話さなくても、楽に生きていく
filo/gettyimages

2020年、新型コロナウイルスの流行の影響を受けて、これまでは精神科とは縁遠かった人たちの受診が急増している。特に、「ステイホーム」が叫ばれ出してからは、ひとり暮らしの人の受診が目立って多くなっているのだという。突然自宅待機でリモートワークを強いられ、あらゆる行動が制限されている中で、大きなストレスを感じたのだろう。特に一人暮らしの人は、誰かと直接言葉を交わす機会のない日々で孤独を感じやすかったに違いない。メンタル専門の現役精神科医である著者ですら、誰とも面と向かって話をしていない日々を続けているうちに、毎日がつまらなく感じ、空っぽで虚しく、叫び出したくなる気持ちになったのだという。

私たちはこれからもウイルスと共存していかなければならず、また災害などの感染症以外の理由で、今後も「巣ごもり」状態を強いられる可能性がないとも限らない。しかし、そんな状況であっても、人生に絶望しないですむ方法はあるはずだ。そう考えた著者は、1日誰とも話さなくとも猫のように楽に生きていくためのコツを本書に集めた。著者が実際に試して効くと感じた方法ばかりだ。5つのステップにわけて紹介されているコツのうち、本要約では一部を扱う。

ひとりぼっちな1日を楽しむための朝の過ごし方

起きたら何時でも、カーテンを開ける

朝でも昼でも、目が覚めたらとにかくカーテンを開けよう。太陽の光を部屋いっぱいに取り込めば、人間の体はビタミンDの生成作業を開始する。カルシウムの吸収を助けて骨を強くするほか、免疫力を高めて風邪やがんの予防効果が期待できる。

さらに、太陽光を浴びることで、体内時計を調整することができる。体温やホルモン分泌などの調整をになう体内時計(概日リズム)は、1日およそ25時間のサイクルになっている。私たちの体は日光を浴びることでこれを調整している。そのため、日の光を浴びない生活をしていると、半月もしないうちに昼夜が逆転してしまうことになる。

また、太陽光は「幸せホルモン」のひとつであるセロトニンの分泌をうながす。ストレスホルモンの抑止力があり、心のバランスを整える作用もある。

日が沈むと、セロトニンはメラトニンという睡眠ホルモンに変化する。昼のうちにたくさんセロトニンが出れば、夜にたくさんメラトニンができて、ぐっすり眠ることができる。起きたら、とにもかくにもカーテンを開けよう。

朝の「ブルーライト」は魔法の光
recep-bg/gettyimages

朝、スッキリと起きられず、困っている人は多いものだ。頭がボーッとしてなかなか起き出せないのは、体が「もっと寝させて」と訴えているからである。これは専門用語で「睡眠慣性」と呼ばれ、肉体的疲労やストレス、もしくはその両方で心身に疲労がたまっている時に感じやすくなる。

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