感情はコントロールしなくていい

「ネガティブな気持ち」を味方にする方法
未読
感情はコントロールしなくていい
感情はコントロールしなくていい
「ネガティブな気持ち」を味方にする方法
未読
感情はコントロールしなくていい
出版社
日本実業出版社

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定価
1,540円(税込)
出版日
2020年06月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「怒り」「不安」「我慢」「焦り」――こういったネガティブな感情を感じてしまい、自己嫌悪に陥ってしまったという経験はないだろうか。こんな感情はどうにかして抑えつけなければならないと思ってもうまくいかず、ずっとそのことを考えてしまったり、人にあたったりしてしまう。あるいは、あまりにも抑え続けすぎても、もはやネガティブな感情を抱いているという実感すら持てなくなっている人もいるかもしれない。

こうしたネガティブな感情をうまくコントロールしてこそ大人、というイメージがあるが、本書では感情をコントロールする必要はないというのだ。コントロールというのは、ある意味では起こった感情を無視してやり過ごすということになる。そうではなく、感情が起こる根本的な原因を考え、自分がポジティブに過ごすことができるための土台づくりをしようというのが本書の主張だ。

コントロールしないというのは、感情の赴くままに振る舞ってよいということではない。むしろ、根本的な原因にアプローチすることによって、ネガティブな感情自体を減らし、コントロールしなくてもよい状態にするということだ。本書を読んでいると、ネガティブな感情を感じるのも悪いことではないという思いがしてくる。ネガティブな感情を感じて辛いと思っている方、日常の小さな歓びを大切にしたい方に、ぜひ読んでいただきたい一冊だ。

ライター画像
上條まゆみ

著者

石原加受子(いしはら かずこ)
心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表。
日本カウンセリング学会会員、日本学校メンタルヘルス学会会員、日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくり」アドバイザー。
「思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声」などをトータルにとらえた独自の心理学で、問題解決、生き方、対人関係、親子関係などのセミナー、グループ・ワーク、カウンセリングを行う。『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』(すばる舎)、『仕事・人間関係「もう、限界! 」と思ったとき読む本』(KADOKAWA)などベストセラー著書多数。累計は150万部を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    ポジティブでもネガティブでも、感情が起こるには理由がある。感情を無理に抑えようとするのではなく、自分に何が起きているかを知るための情報としてとらえよう。
  • 要点
    2
    「怒り」「我慢」「競争心」「見栄」「不安」「焦り」のようなネガティブな感情は、あなたが自分を大事にするためのメッセージを送っている。
  • 要点
    3
    自分の感情を味方にすることで、人生はうまくいく。自分の“実感”を信じて、判断し、行動しよう。

要約

「感情」は自分を知るための情報

感情には「理由」と「目的」がある
Hakase_/gettyimages

「感情を抑える」という言い方が一般的であるように、とくに怒りや不安などのネガティブな感情は「コントロールすべきもの」という思い込みが根強い。しかし、ネガティブであれポジティブであれ、感情は何らかの「理由」があって起こるものだ。

自分にとって好ましいことが起こればポジティブな気持ちに、自分にとって不都合なことが起こればネガティブな気持ちになる。感情によって、自分に何が起こっているのかを知ることができるのだ。

また、私たちは無意識の内に、ある「目的」を達成するために感情を利用していることがある。たとえば、子どもが腹を立てたくなるようなことをしでかし、親が怒鳴ったとしよう。しかし、怒鳴る以外の解決方法があるのであれば、怒鳴る必要はない。親は怒りという感情を利用し、怒鳴ることで子どもを黙って従わせているのだ。

このように自分の目的達成のために怒りを利用していると、怒鳴ることが当たり前になっていく。そのうち、まったく腹をたてる必要のない場面においても自動的に「怒鳴る」という方法にスイッチが入ってしまうようになる。

「自分中心」の生き方で感情を味方につける

怒りを相手にぶつけてしまうのは、自分が問題を抱えているからだ。その問題を未解決のまま、怒りだけをコントロールしようとしてもうまくいくはずがない。

怒りが生まれるのは、「他者」を中心とした視点で判断し行動する「他者中心」の考え方をしているからだ。他者に認められたいと願い、必死に行動しても、その欲求が満たされなければ、不満足感が鬱積していく。そんなネガティブな意識がネガティブな感情を生成していき、ついには他者にぶつけないではいられないほど増幅していく。これが「怒り」の正体だ。

著者は独自の視点から、「自分中心」「他者中心」というとらえ方で心のメカニズムを語り、これを総じて「自分中心心理学」と呼んでいる。著者が提案するのは、自分を中心とした視点で判断し行動しようとする「自分中心」の生き方だ。

【必読ポイント!】感情は自分を愛するためのメッセージ

怒りをコントロールするより、原因を突き止める
Tetiana Lazunova/gettyimages

自分中心的なとらえ方をするのであれば、「怒り」が湧いてくるのは「自分が自分を大事にしていないから」であり、「自分を愛していないから」だ。暴力的な怒りは他者に向かっていても、自分自身を傷つけていると著者は指摘する。

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