心理的安全性のつくりかた

「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える
未読
日本語
心理的安全性のつくりかた
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「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える
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日本語
心理的安全性のつくりかた
出版社
日本能率協会マネジメントセンター

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定価
1,980円(税込)
出版日
2020年09月10日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「心理的安全性」とは、組織やチーム全体の成果に向けて、率直な意見や素朴な疑問、そして違和感の指摘がいつでも、誰でも気兼ねなく言えることだ。

この考え方の重要性を見出したのは、グーグルである。同社が4年の歳月をかけて「効果的なチームはどのようなチームか」を調査・分析した結果、「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」のほうが真に重要だということがわかった。さらに圧倒的に重要なのが心理的安全性であり、心理的安全なチームは離職率が低く、収益性が高いとも結論づけられている。

もちろん心理的安全性の重要さは、グーグルだけが発見したわけではない。組織行動を研究する研究者たちも、さまざまな成果を学会に発表しており「業績向上に寄与する」「イノベーションのプロセスや改善が起きやすくなる」「意思決定の質が上がる」といったビジネスの現場における有用性が次々と報告されている。

いま、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活や仕事で大きな変化を余儀なくされている方も多いだろう。このように先が見えず、変化の激しい時代には「確固とした正解がある」時代のチームマネジメントは役に立たなくなっている。だからこそチームの心理的安全性を高め、「挑戦・模索」からチームの学習を促進することの重要性が増しているのだろう。

本書は単なるノウハウ集ではなく、理論と体系に基づいて実践に向けた指針が示されており、多くのビジネスパーソンにとって、これからの働きかたの実現に向けた必携の書となるだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

石井遼介(いしい りょうすけ)
株式会社ZENTech取締役
一般社団法人 日本認知科学研究所理事
慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究科 研究員

東京大学工学部卒。
シンガポール国立大 経営学修士(MBA)。
神戸市出身。
研究者、データサイエンティスト、プロジェクトマネージャー。
組織・チーム・個人のパフォーマンスを研究し、アカデミアの知見とビジネス現場の橋渡しを行う。心理的安全性の計測尺度・組織診断サーベイを開発すると共に、ビジネス領域、スポーツ領域で成果の出るチーム構築を推進。2017年より日本オリンピック委員会より委嘱され、オリンピック医・科学スタッフも務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    チームの心理的安全性とは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」である。
  • 要点
    2
    心理的安全な職場とは、メンバーどうしが和気あいあいとしているだけの「ヌルい職場」ではない。高い基準の目標を達成するため、健全な衝突が起こる職場のことだ。
  • 要点
    3
    日本の組織では、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」という4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられるということが、著者の研究で確認されている。

要約

【必読ポイント!】 心理的安全なチームとは、「ヌルい職場」?

そもそも「チーム」とはなにか
Rawpixel/gettyimages

「チームの心理的安全性」という概念を提唱したのは、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授だ。教授は論文の中で「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」だと定義した。より現場に即した言い方をすれば、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場」が心理的に安全なチームである。

そもそも「チーム」とはなにか。実は職場でチームという考えが導入されたのは、比較的最近のことだ。マサチューセッツ工科大学のオスターマン教授は、「職場における、チームという概念それ自体が、1980年代以降、最も広まったイノベーションのひとつだ」と評している。単なる人の集団、すなわちグループは、共通の目標に向かって互いにアイデアを生み出し、ともに問題に取り組むという活動や相互作用によってチームへと変わっていく。

ハイ・スタンダードの仕事

「心理的安全性」の誤解の最たるものが「ヌルい職場」という認識だろう。この誤解を解き、心理的安全性を正しく機能させるためには、「仕事の基準」(スタンダード)という考え方を理解する必要がある。

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