「すぐやる人」と「やれない人」の習慣 の表紙

「すぐやる人」と「やれない人」の習慣


本書の要点

  • 「すぐやる人」は自分をラクに動かす方法を知っている。自分を無理に動かそうとするのではなく、自然と行動できるような習慣を身につけよう。

  • 「やりたい!」と思った瞬間がモチベーションのピークだ。モチベーションの鮮度を保つためには、まず小さく行動してみるのが効果的だ。

  • アポを取るには、相手に日程の候補を三択で提示するとよい。多すぎず少なすぎない選択肢を出すことで、相手のアクションを促せる。

1 / 4

思考

自分をラクに動かす仕組み

stockvisual/gettyimages

誰しも、面倒なことはできるだけ避けてラクをしたいものだ。一方で、私たちは向上心も持ち合わせている。素敵な自分でいたい。もっと稼ぎたい。おいしいものが食べたい……。

いつの時代も成功の鍵は行動である。アクションを起こさずして、よりよい人生を手に入れることはできない。ラクをしたい自分とより良い生活を手に入れたい自分という、矛盾するような状況を両立させるためには、どのようにして自分を操り、アクションさせるのかを考える必要がある。

では、「すぐやる人」は、いかに自分を操っているか。「すぐやる人」は、自分を無理に動かそうとしない。ラクに自分を動かせる術を心得ているのだ。

逆に「やれない人」は、自分を無理に動かそうとして失敗する。ダイエットしようと思うのに先延ばしを続ける。余裕を持って仕事を終わらせようとしたけど、結局ギリギリになってしまった……こうした失敗を繰り返すことで、「自分はダメな人間だ」という思い込みが刷り込まれていく。そしてますます行動できなくなるという悪循環に陥ってしまっている。

まずは自分を動かす勝ちパターンを見つけて、自分を自然と行動させるような習慣を身につけよう。

「やりたい!」と思った瞬間に行動する

モチベーションには「鮮度」がある。鮮度が最も高いのは「やりたい!」と思った瞬間だ。書店で参考書を買って帰ったが、「明日から始めよう」と開かずにおき、いつの間にか本棚の奥にしまい込まれていたという経験はないだろうか。これは「やれない人」の典型的な行動である。明日も高いモチベーションを維持できると思い込み、明日やればいいと自分を納得させているのだ。

一方、「すぐやる人」は未来を信じない。「いつか」はやってこないと知っているから、今この瞬間にアクションしないと気が済まないのだ。

「すぐやる人」は、すぐにやることでモチベーションを高めている。心理学では「ツァイガルニック効果」という「人間は達成できなかった物事や、中断・停滞している物事に対して、より強い記憶や印象を持つ」という現象がある。要するに、小さな一歩でもアクションを起こすことで「やり残し感」を持てば、「完成させたい」という欲求が自然と湧き上がるというわけだ。モチベーションの鮮度が高いうちに0を1に変えるようにしよう。

逆算思考と積み上げ思考を使い分ける

Suppachok Nuthep/gettyimages

ゴールを設定し、プランに従って行動する「逆算思考」。今できることに精一杯取り組む「積み上げ思考」。ビジネスやプライベートにおいて、逆算思考は多くのメリットをもたらしてくれる。道筋が明確で行動に無駄がないからだ。

「やれない人」は逆算思考を持っていない。ゴールを考えず「なんとなく頑張れるところまで頑張りました」となりがちである。

一方「すぐやる人」は、積み上げ思考も否定せず、時には必要だと考える。現代はかつてないほど選択肢にあふれているため、「将来何に繋がっていくか今はわからないけど、やってみたいからやってみる」という道も残しておきたい。「好きこそものの上手なれ」と言われるように、「やってみたい」「楽しい」という気持ちも大切にすべきである。

逆算思考はゴールから考える思考法で、積み上げ思考は現時点から歩いていく思考法だ。どちらがいいということではなく、使い分けるのが「すぐやる人」である。

2 / 4

【必読ポイント!】自分を動かす

誘惑のない環境を作る

私たちが最も影響を受けるのは、目で見た情報だ。おいしいものを見たら無意識に唾液が分泌されたり、衝動的になってしまったりする。

このようなとき「やれない人」は、衝動的になったことを、自分の意志の弱さのせいにしてしまう。しかし、

もっと見る
この続きを見るには...
残り2746/4253文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2021.01.23
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

人生を変えるモーニングメソッド
人生を変えるモーニングメソッド
ハル・エルロッド鹿田昌美(訳)
本当の自由を手に入れる お金の大学
本当の自由を手に入れる お金の大学
両@リベ大学長
5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本
5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本
ひきたよしあき
人は話し方が9割
人は話し方が9割
永松茂久
トヨタの会議は30分
トヨタの会議は30分
山本大平
やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ
やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ
大平信孝
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣
越川慎司
1分で話せ
1分で話せ
伊藤羊一

同じカテゴリーの要約

壁打ちは最強の思考術である
壁打ちは最強の思考術である
伊藤羊一
しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?
しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?
橘玲樺山美夏
とりあえずやってみる技術
とりあえずやってみる技術
堀田秀吾
無料
肩書がなくても選ばれる人になる
肩書がなくても選ばれる人になる
有川真由美
子どもが本当に思っていること
子どもが本当に思っていること
精神科医さわ
忘我思考
忘我思考
伊藤東凌
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
堀田秀吾
ハーバードの心理学講義
ハーバードの心理学講義
ブライアン・R・リトル児島修(訳)
なぜあの人は同じミスを何度もするのか
なぜあの人は同じミスを何度もするのか
榎本博明
1つの習慣
1つの習慣
横山直宏