命の経済
パンデミック後、新しい世界が始まる

未 読
命の経済
ジャンル
著者
ジャック・アタリ 林昌宏(訳) 坪子理美(訳)
出版社
プレジデント社 出版社ページへ
定価
2,970円(税込)
出版日
2020年10月16日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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パンデミック後、新しい世界が始まる
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ジャック・アタリ 林昌宏(訳) 坪子理美(訳)
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2,970円(税込)
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2020年10月16日
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レビュー

いま、新型コロナウイルスの動向に関心を持たずにいられる人はいない。著者のジャック・アタリ氏は、20年以上前から世界的な感染症の流行に対して警鐘を鳴らしてきた。そんなアタリ氏はまず、人類が経験してきた感染症の歴史をひも解いていく。次に、いま直面しているパンデミックの状況をさまざまな観点から分析する。中国の隠されていた事実や欧州の現状に対する著者の考察は実に鋭い。そして、満を持してこの本の核心に迫っていく。パンデミック後の世界はどうあるべきか。コロナを経験した人類はどのような経済、社会を築いていくべきか。アタリ氏は、自身が「命の経済」と名づけた、パンデミックに負けない経済・社会の構想について、わかりやすく丁寧に、情熱をもって訴えかけてくる。

重要なのは、傍観者になるのではなく、自ら主体的に生きる行為者となることだ。事実から目を背けることなく、過去の事例から学び、未来について考えていくことで、われわれは初めて自分の人生を生きられるようになる――。こうしたメッセージには、大切なものを守るためには断固として闘うというアタリ氏の覚悟がにじみ出ている。本書を読めば、その情熱に胸を打たれることだろう。

いま直面している危機とこれからの社会について、自分の頭でしっかりと考えてみたい人には、うってつけの一冊だ。本物の知性にふれてみていただきたい。

たばたま

著者

ジャック・アタリ(JACQUES ATTALI)
1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業、81年フランソワ・ミッテラン大統領顧問、91年欧州復興開発銀行の初代総裁などの要職を歴任。政治・経済・文化に精通することから、ソ連の崩壊、金融危機の勃発やテロの脅威などを予測し、2016年の米大統領選挙におけるトランプの勝利など的中させた。
林昌宏氏の翻訳で、『2030年ジャック・アタリの未来予測』『海の歴史』『食の歴史』(いずれもプレジデント社刊)、『新世界秩序』『21世紀の歴史』『金融危機後の世界』『国家債務危機―ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』『危機とサバイバル―21世紀を生き抜くための<7つの原則>』(いずれも作品社)、『アタリの文明論講義:未来は予測できるか』(筑摩書房)など、著書は多数ある。

本書の要点

  • 要点
    1
    パンデミックに備えるための研究開発や発展させるべき産業の経済部門を「命の経済」と呼ぶ。今後は「命の経済」の部門を成長させることが重要となる。
  • 要点
    2
    経済、自由、文明を崩壊させないためには、予期せぬ未知の出来事への備えが必要である。
  • 要点
    3
    今後は「放置された民主主義」から「闘う民主主義」へと移行しなければならない。選挙権のまだない将来世代の利益について、議論をすることが大切である。

要約

感染症の歴史をひも解く

疫病の発生は文明の誕生とともに
swisshippo/gettyimages

紀元前5000年頃までに、メソポタミア、インド、中国では、人間がある程度密集し、家畜化に成功した動物とともに生活し続けるようになった。しかし、動物から人間へ細菌やウイルスがうつることは知られていなかった。また、細菌がペスト、結核、コレラなどの病気を、そしてウイルスがインフルエンザなどの病気をうつすことも知られていなかった。

ペストの初めての大流行は541年だ。中国で最初に発生し、エジプトを経由したこの疫病は、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルを襲い、毎日1万人の死者を出した。その後各地へ蔓延し、世界中でおそらく1億人以上が命を落とすことになる。

735年、朝鮮半島から新たに流入した疫病(天然痘)により、日本の人口の三分の一が死亡した。世界的には天然痘が頻繁に起こるようになったが、一方のペストは500年間姿を消していた。この当時、ヨーロッパでは疫病を退治するのは宗教の役割であると信じる人々がいた。ところが、宗教の力をもってしても流行がおさまらないため、宗教は急速にその存在価値を失っていく。

18世紀、国家が発達し、国民の衛生観念が向上し、ワクチンの開発が進んでいく。やがてペスト、天然痘、黄熱病などの疫病との戦いは、国家の仕事になっていった。

充分に予測できた新型感染症

本インフルエンザが初めて大規模な流行を見せたのは19世紀末だ。1918年に再び猛威を振るったインフルエンザによる被害は、第一次世界大戦の中立国だったスペインで初めて報告された。このためスペイン風邪と呼ばれるようになった。この感染症による死亡者の数は、当時の世界人口18億人の3~6%、5000万人から1億2000万人といわれている。

その後、検疫や世界保健機構(WHO)の設立といった国際協調、ワクチン開発において、多くの進歩が見られた。しかし、エイズ、エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ、MERS(中東呼吸器症候群)などの流行を抑えることはできなかった。

このように、歴史とともにパンデミックの種類は増えていった。2017年には、新たな疫病が流行する兆候が散見されるようになる。そこで著者は、複数の著書、論考、講演会を通じて、パンデミックの到来を力説した。そんななか今回の災禍が起こった。新型感染症の流行は充分に予測できたはずなのだ。

未曾有の現状を分析する

パンデミックは中国から始まった
gettyimages/Zephyr18

著者は、今回のパンデミックをめぐる対応について中国を厳しく批判する。独裁体制の中国が、新型コロナウイルスが流行し始めたという事実を隠蔽したことが、今回の災いをもたらした。そして世界全体がパニック状態に陥ったとき、各国が都市封鎖という中国の対応策を模倣したことが、その災いを未曾有のものにしたのである。

2020年3月11日、WHOは今回の流行が「パンデミック」になったと宣言した。これは最初の感染者が確認されてから3カ月以上後のことだ。

感染爆発を許した5つの背景とは

今回のパンデミックは起こるべくして起こった。その拡大の背景について、著者は5つの観点を挙げている。

第一は、世界各地で、医療制度が脆弱化していたことだ。医師、病院、医療機器、医療物資が必要な水準より不足していた。

第二は、ヒトとサービスの相互依存が進み、不可逆的に経済・社会がグローバル化していたことである。

第三は、人類自らの過信だ。

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