どうしても頑張れない人たち

ケーキの切れない非行少年たち2
未読
日本語
どうしても頑張れない人たち
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ケーキの切れない非行少年たち2
未読
日本語
どうしても頑張れない人たち
出版社
定価
792円(税込)
出版日
2021年04月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

児童精神科医として精神科病院や医療少年院での現場経験が豊富な著者は、70万部超のベストセラーとなった前著『ケーキの切れない非行少年たち』で世の中に問題提起をした。本書はその続編として、前作で書ききれなかったことやその先にあるべき支援、適切な支援につなげるための知識とメソッドについて書かれている。

自己責任論がまかり通っている現代。頑張っている人なら応援する、できない人はもっと努力すべし、というのが多くの人の常識だろう。たしかに頑張っている人は応援したくなる。たとえば、テレビの特集でアスリートが努力している姿を見ると感情移入し、ファンになることも多い。

しかし著者は、そうした風潮に待ったをかける。頑張る人が賞賛される陰で、頑張りたくても頑張れない人たちは確実に存在するし、そういう人たちこそ本来は応援・支援しなくてはならないのではないだろうか、と。しかも、このような人たちが助けを求めることはほとんどない。

現場を知る著者だからこそ、頑張れない人たちの本音や支援者の葛藤などについても丁寧に書いている。支援には誰にでも当てはまる正解があるわけではないし、すぐに結果が出るわけでもない。もしかしたら、結果が出ずに諦めてしまうこともあるかもしれない。しかし、気づかれにくい問題だからこそ、真に支援すべき人たちに目を向ける必要がある。そんな現実に気づかせてくれる一冊だ。

ライター画像
大島季子

著者

宮口幸治(みやぐち こうじ)
立命館大学産業社会学部教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。医学博士、臨床心理士。著書に『ケーキの切れない非行少年たち』などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「頑張ったら支援します」「やる気のある人を応援します」といった言葉は、頑張れない人たちを突き放したり見捨てたりする厳しい言葉となりえる。頑張れない人には、認知機能が弱い、自己実現欲求以前の欲求が満たされていないなど、本人の意思以外の理由があるかもしれない。
  • 要点
    2
    本人が「頑張りたい」と思っていても、周囲の何気ない声かけでやる気を削いでしまったり、支援者が本人の意向を無視して頑張らせなかったりして、結局本人が不幸になってしまう場合もある。
  • 要点
    3
    頑張れない人でも、本人の特性に沿った支援をし続ければ、強みを引き出すことは十分可能だ。

要約

【必読ポイント!】頑張りたくても頑張れない現実

「頑張ったら支援します」という言葉の裏

「頑張ったら支援します」「やる気のある人を応援します」といった言葉は一般的によく使われる。だがこれは、裏を返せば「もし、あなたが頑張らなかったら、支援はしません」という意味にもなる。つまり、支援が必要な「頑張れない人」を突き放したり見捨てたりする、厳しい言葉になりえるのだ。

一方、現代社会においては、「頑張らないで生きよう」「嫌なことは我慢しない」といったキャッチコピーを見かけることがある。これらは頑張りすぎている人たちへの言葉であって、頑張れない人たちや彼らを支援する人たちは額面通りに受け取るべきではない。支援者が本人の意向も考えず、この言葉を鵜吞みにしたり、苦手なことをやらせたらかわいそうだと考えたりすれば、本人の可能性を奪ってしまうかもしれない。

頑張れないとどうなる?
kohei_hara/gettyimages

なんらかの形で頑張らなければ、この社会を生き抜くことはできない。つまり、「頑張らなくてもいいよ」という安易な声かけは無責任なものになりかねないし、相手が直面している課題をどんどん先送りにしてしまうリスクがある。

たとえば、計算が苦手な子に「頑張らなくてもいいよ」と言うとしよう。子どもたちの多くは進んで勉強したいわけではない。そんな中で「やらなくてもいいよ」と言われると、お墨付きをもらったと思い、ますます勉強しなくなるだろう。その結果、どんどん授業に置いていかれ、同級生との会話にもついていけず、孤立したり、いじめに遭ったりするかもしれない。

「無理をさせる」と「頑張らせない」は違う。あとで辛い思いをするのは本人だ。

評価されなければ「できた」とは言えない

「頑張る」「頑張らない」以前の問題として、「できる」と「できない」はどう違うのか。できるかどうかは自己評価ではなく、他者評価だ。結果を出して評価されて初めて、「できる」という状態になる。つまり「頑張ったらできる」とは、「学校や会社など、どこかで認められる結果を出す」ということだ。いくらゲームが得意でも、学校や会社などで認められない限り、変人扱いされたり、評価されなかったりする。

ところが、一見無駄な活動に見えても、それがお金になれば評価は一転する。

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