35歳の教科書

今から始める戦略的人生計画
未読
35歳の教科書
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35歳の教科書
出版社
定価
880円(税込)
出版日
2021年03月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

なぜ人生に「戦略」などというものが必要になったのか――本書はこの問いに答えるところから始まる。著者によると、かつては個人が人生の戦略を考える必要などなかった。その理由は、みんなが同じプランに従って生きていれば、成功し、幸せになれたからだという。いい大学に入り、一流企業に就職し、結婚してマイホームを持ち、定年まで同じ会社に勤め上げる。これがみんなに共通するライフプランだった。

今の時代、こんなモデルを信じている人はどこにもいないだろう。しかし、「ではどのように生きればいいのか?」と問われると答えに困る。著者が述べるように、現代は「モデル不在の時代」だからだ。本書はこのような「答えのない」時代を生き抜くために、どのようにライフプランニングすればいいのかを教えてくれる。

キーワードは「多様化」と「納得解」、そして「クリティカル・シンキング」だ。社会が多様化して唯一の「正解」がなくなったということは、誰もが自分の舞台で、自分らしく輝けるようになったということだ。みんなと同じものを追い求める必要がないなら、自由で豊かな人生がもたらされるはずである。モデル不在の社会は不安かもしれないが、可能性に満ちた社会でもあるのだ。

タイトルにもある「35歳」は、これからの人生の方向性をある程度定めていく時期だ。本書は今まさに30代の人はもちろん、これからキャリアプランを考える20代、また、社会の急激な変化にとまどっている40代以降のビジネスパーソンにとっても大いに得るものがあるだろう。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

藤原和博(ふじはら かずひろ)
「朝礼だけの学校」校長https://chorei.jp/。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003~08年、杉並区立和田中学校で義務教育初の民間校長を務める。2008~11年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016~18年、奈良市立一条高等学校校長を務める。著書に『本を読む人だけが手にするもの』『必ず食える1%の人になる方法』『10年後、君に仕事はあるのか?』『処生術』『人生の教科書【よのなかのルール】』(宮台真司との共著、いずれもちくま文庫)、『僕たちは14歳までに何を学んだか――学校では教えてくれない新時代の必須スキル』(SB新書)等多数あり。詳しくは「よのなかnet」http://www.yononaka.netに。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本は、成長社会から成熟社会へと変化している。成熟社会では多様化が進み、自立した個人として人生をプランニングしなければならない。
  • 要点
    2
    成熟社会に唯一の「正解」は存在しないため、自分で考えた「納得解」を追求する能力が必要だ。そのためには、さまざまな立場に立って考えるクリティカル・シンキングが大切である。
  • 要点
    3
    企業と個人の関係も見直される必要がある。組織に依存するのではなく、組織と対等な立場で、組織と自分の双方が利益を得られるポイントを探ることが重要だ。

要約

なぜ、人生に戦略が必要なのか?

「みんな一緒」から「それぞれ一人一人」へ
metamorworks/gettyimages

日本が「成長社会」から「成熟社会」へと変化している中で、人生を支配するルールもまた変わりつつある。「みんな一緒」だった世の中から、「それぞれ一人一人」の世の中へと、大きく変貌を遂げているのだ。

成長社会であった戦後日本では、みんなが同じライフプランを持っていた。良い高校・大学に入り、一流企業に就職し、郊外にマイホームを建て、庭に犬を飼い、定年後は盆栽を楽しむというものだ。そして、この流れに乗ってさえいれば幸せになれると、誰もが信じていた。そのような社会では、個人の人生戦略など必要なかった。

ところが現代社会には、「みんなが幸せになれる成功モデル」が存在しない。個人がそれぞれの価値観でそれぞれの幸せを追求する時代になっている。

成熟社会のキーワードは「多様化」「複雑化」「変化」だ。すべてのものが多様化して社会システムが複雑になり、変化が激しくなっているのである。成熟社会では、過去の成功パターンは通用しないため、人生を生き抜くための戦略を自ら練らなければならない。

【必読ポイント!】戦略的ライフプランニングのすすめ

「正解」ではなく「納得解」を探せ

成長社会では、「正解」を導き出す力、すなわち計算力や暗記力といった情報処理力が重視されてきた。もちろんこうした力の重要性は変わらないが、それだけでは成熟社会に対応できない。今求められているのは「納得解」を導き出す力であり、情報編集力である。

納得解とは、自分が納得でき、他人も納得させられる解のことだ。過去の成功パターンが通用しない社会では、万人に共通する唯一絶対の答えは存在しない。学校教育で植え付けられた「正解主義」の呪縛から逃れ、各々が試行錯誤しながら納得のできる解を求めるしかないのだ。

納得解を導き出す情報編集力を培うためには、まず前例を根本から疑ってみることだ。転職を繰り返す若者が増えたり、晩婚化が進んだりしているのも、「正解主義」の影響だろう。理想の職場やパートナーという「正解」を追い求めるのではなく、現状を自分の力で変えられないか、現状に学ぶべきところや良いところはないか考え、「納得解」を探すようにしたい。

これからの時代を生き抜くには、その人固有の武器が必要となる。といっても、武器選びに「正解」はない。最悪なのは、どの武器がいいかわからないからと何も行動しないことだ。「どこかに自分にぴったりの武器があるはず」などと考えずに、自分にとっての「納得解」を見つけなければならない。

社会人として働いているなら、何らかのスキルがあるはずだ。そのスキルにこれまでの10倍のエネルギーを注げば、人生はますます有意義なものになるだろう。

生き抜くための武器を持て
scyther5/gettyimages

現代においては、誰でもインターネットを通じて情報発信できる。これを、技術を磨くための場として使わない手はない。

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要約公開日 2021.06.25
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