半歩先を読む思考法

未 読
半歩先を読む思考法
ジャンル
著者
落合陽一
出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2021年07月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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半歩先を読む思考法
半歩先を読む思考法
著者
落合陽一
未 読
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定価
1,540円(税込)
出版日
2021年07月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「未来」ほど曖昧な概念はないかもしれない。近くもあり遠くもあり、遥か彼方のような気もするが、確実にやってくる時間。過去のように時空間の座標軸が定まらず、しかも目には見えないため、未来を考えることは空を掴むような感覚にも近い。

著者・落合陽一氏は「ちょっと先の時間」、つまり「半歩先の未来」について考えることが好きだという。落合氏によると、半歩先の未来とは、五感に接続されているように感じる手触りのある時間である。半歩先にある現実感を持った未来を想定し続けることが、その先の未来へ繋がるという。

本書は、落合氏が2019年1月から2021年3月の2年間にnoteで書き記した文章を編集し、時系列に掲載している。SNSで炎上が起こる仕組み、分かりにくいコンテンツと思考の関係、加速的な社会で自分を深化させる方法など、身近なトピックを手繰り寄せながら、深い海へと潜るような思索が繰り広げられている。

雰囲気が一変するのは2020年3月である。コロナショックに見舞われ、世界中がパニックに陥った頃だ。そこからは、ウィズコロナによる社会構造の変化やディストピア要素を含んだスマートシティ構想へと話が展開する。読み進めるうちに、短い間に社会はこんなに変わってしまったのだと改めて気づかされた。

社会はこれからも変わり続けるだろう。望ましい未来を創造するために私たちはどうすべきか。本書を片手に考えてみてはいかがだろうか。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

落合陽一(おちあい よういち)
1987年東京都生まれ。筑波大学情報学群情報メディア創成学類を卒業し、東京大学大学院学際情報学府で博士号を取得(学際情報学府初の早期修了者)。現在、筑波大学図書館情報メディア系准教授/デジタルネイチャー開発研究センター・センター長。ベンチャー企業や一般社団法人の代表を務めるほか、政府有識者会議の委員等も歴任。メディアアーティストとして個展も多数開催し、EUのSTARTS Prize やメディアアート賞のPrix Ars Electronicaなど、研究から芸術に至るさまざまな分野において国内外で受賞多数。日本テレビ系「news zero」やNewsPicksのライブ動画番組「WEEKLY OCHIAI」、NHK Eテレ「ズームバック×オチアイ」など、メディアでの発信も行う。著書に『魔法の世紀』『デジタルネイチャー』『2030年の世界地図帳』などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    SNSは時々「換気」した方がいい。暴言や陰口ばかりのアカウントはアンフォローするなどし、気持ちのいいコミュニティを作る努力をすべきだ。
  • 要点
    2
    世の中には「分かりやすいコンテンツ」が溢れている。しかし、思考のスイッチが入るのは「分かりにくいもの」だ。
  • 要点
    3
    ウィズコロナにより、デジタルとアナログの乖離が進んでいる。キャッシュポイントの変更やデジタルの付加価値の再検討が必要だ。
  • 要点
    4
    社会システムに監視の目が組み込まれる「ディストピア」が現実になりつつある。個人の権利と集団の利益を共存させる世界の構築が課題である。

要約

SNSと向き合う

炎上の構図
Tero Vesalainen/gettyimages

SNS上で、文脈にそぐわない切り取られ方をされて叩かれる人が増えている。そこにはどのような構図があるのか。

まず「発信者」が情報を発信する。この人は「Aという業界・文脈の人」で、「(Aの業界ではよく知られる)Bという事例」を知った上で「Cだ!」と発言をする。Aを知るには体系だった知識が必要で、Bは検索すればすぐ出る事例だ。

Aを知る人ならBとCの区別はつくが、そうでなければ見分けるのが難しい。ABCをよく知る「理解者」たちは日々考えながらAを練り上げており、さらにDまで知る「詳しい人」たちは、新しい切り口や情報を提供してくれる。

フォロワーが少ないうちは建設的に話が進むが、徐々にCを知ったことを誇りたい「自称情報感度の高い人」たちが増えてくる。彼らは自分の中で考えを反芻しないため、ABを無視してCに飛びつく。

この動きが顕著になると、それを快く思わない「意識高い嫌い」や、Aに疎くBとCの区別がつかない「エセインテリ」が出てくる。「エセインテリ」は自分の専門分野の知見で頭がいっぱいなので、自分の価値観でマウンティングをしてくる。

本を一冊読めばわかるようなメッセージがSNSで炎上するきっかけは、「意識高い嫌い」がネタとして喋り始めるか「エセインテリ」の誤解のあるマウンティングであることが多い。

良い情報発信者になる秘訣は、「理解者」、「詳しい人」の仲間を増やしていくことだろう。

SNSを換気しよう

学校や会社の集まりで、暴言を吐いたり陰口を言ったりする人がいたら「空気悪くなるし、そういうことはやめよう」と誰かが注意するだろう。皆が過ごしやすい場所にしようとする努力が社会を作ると、私たちは小学校の時に教わったはずだ。

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