取締役の心得

未 読
取締役の心得
ジャンル
著者
柳楽仁史
出版社
総合法令出版
定価
1,620円
出版日
2014年07月23日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
5.0
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レビュー

本書は、取締役としての心得や立場について分かりやすく簡潔に書かれており、取締役に就任する方、現在取締役の方には是非一度読んで頂きたい至極の一冊である。

著者は、長年経営コンサルタントとして数多くの中堅・中小企業と関わってきた経歴を有し、社長を支える取締役の力量次第で会社が大きく左右されることを肌で感じてきた人物である。「取締役」という立場の重要性をよく知る一方で、事前に教育を受けず取締役に就任したがために失敗した事例を数多く見てきた経験から、取締役のあるべき姿を最低限知る材料になれば、と本書を執筆したとのことである。著者の想い通り、取締役の立場や姿勢、トップとの関係構築術、トラブル対処法等、取締役として知っておきたい数多くの情報が網羅されており、取締役の人には不可欠の一冊と言えよう。

また、取締役という重責の立場に関するテーマながら、随所に人としての基本的な姿勢が取り上げられている点も本書の魅力である。それは、取締役という仕事の重きを占める人間関係の在り方を改めて問うことが本書の核にあるからだろう。本書を読み進めるにつれ、基本的な姿勢が普段の意識の中には案外欠如していること、取締役として意識しておくべき範囲は広く、一つ一つの難易度が高いことに気付かされる。普段から意識出来る知識やノウハウが後々の仕事に大きく生きてくる、こういった具体的なアドバイス本はありそうで意外に少ないのではないか。そんな「気付き」を与えてくれる貴重な一冊である。

著者

柳楽 仁史(なぎら・ひとし)
株式会社船井総研ホールディングス執行役員CSR・IR室担当
株式会社船井総研コーポレートリレーションズ 代表取締役
兵庫県出身。関西学院大学商学部卒業。1992年船井総合研究所に入社。株式会社船井情報システムズ 代表取締役常務、株式会社船井総合研究所 経営統括室副室長、同執行役員社長室長などを経て、現職。内部マネジメント業務の責任者を歴任する傍ら、経営コンサルタント業務にも従事、幹部社員教育や社員の自発性を誘発する自活組織づくり、新規事業の開発と展開などに数多く携わる。主に年商10億円~100億円の中堅企業を得意とし、不動産賃貸管理業に多くの支援先を持つ。

本書の要点

  • 要点
    1
    取締役とは、経営のプロとして会社の成長を先導し、与えられた権限以上の責任とリスクを取る立場にある。
  • 要点
    2
    取締役には様々な顔がある。トップの参謀役であり、実行部隊を先導する統率者、部下に対する教育者、ビジネスや組織体制の改革者である。また、会社経営に対し重責を担い、訴訟リスクを背負うこともある。
  • 要点
    3
    トップとの信頼関係を構築し、常にトップを立てた組織統制により経営を前進させることが重要である。

要約

取締役とは何か?

「取締役就任=ゴール」と考えてはいけない

取締役は勤め人として目指すべき頂点ではあるがゴールではない。取締役就任という責任や使命の重さを十分に知っておく必要がある。取締役と管理職との大きな違いの一つに「会社との契約形態」がある。取締役就任後は、会社とは委任契約を結ぶことになり雇用関係は消滅する。また、経営責任を問われる立場になるため、解任や損害賠償請求の訴訟問題に発展することもある。そういった立場を理解した上で、経営陣の一角として大きなやりがいを感じることができるのも取締役の醍醐味である。

取締役がしっかりしている会社は長期的に安定して成長している!
weerapatkiatdumrong/iStock/Thinkstock

利益を出している会社の多くは、明確なビジョン及び哲学を持った社長に対し優秀な取締役が実務面で支えていると言える。企業としてワンマン経営から組織的経営への移行に成功するかどうかは、取締役の腕次第と言っても過言ではない。

組織論からみた取締役の役割

実行部隊を率いる「統率者」

取締役は経営陣の牽制役・監視役であるイメージが強いが、実際の会社運営においては、決定事項の統率者、つまり戦略や計画を実行に移していく役割が大きい。組織と戦略は相互作用を通じて形成されるものであり、取締役には、組織に見合った戦略を構築し優秀な実行部隊を統率して、計画を実現していく力が求められる。そのためには、リーダーシップと人望も欠かせない要素である。

自発性とボトムアップを促進する「コーチ」

取締役には、優秀な後継者を育てていく「教育者」という一面と、組織のメンバーそれぞれが自主性・自発性を持って仕事に取り組めるよう意識改革を行う「コーチ」という一面がある。トップダウン方式の会社は、一見効率が良く成果も出やすいが社員の主体性に欠ける。そのため、不測の事態に直面した場合や事業規模が一定以上になった場合、組織が硬直化し、トップの判断ミスで会社が迷走する事態も想定される。

また、経営陣から現場の実態に即さない目標設定を押し付けられると社員のやる気が削がれてしまう恐れがある。成果を出しやすい組織とは、社員一人一人が仕事を「やらされている」のではなく「こんな仕事をしたい」と思えるモチベーションを持続させながら仕事に取り組んでいることにある。具体的な目標設定と達成、承認というプロセスを通じて意識改革を行っていくことが、取締役として経営を強固なものに変えていく大事な役目の一つだ。

ビジネススキームや組織体制の「改革者」
Violka08/iStock/Thinkstock

時流や市場の変化を感じ先手を打つのが経営者の仕事ならば、それに伴い社内変革を進めて行くことが取締役の重要な仕事である。変革は現状維持の打破であるため社内にはどうしても抵抗が伴う。そこで、早く変革を推し進めたい経営者を抑えつつ、社内の皆が変革を理解する土壌を作りその上で具体策を進めて行くコントロール力が問われる。

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取締役の心得
未 読
取締役の心得
ジャンル
リーダーシップ・マネジメント 人事
著者
柳楽仁史
出版社
総合法令出版
定価
1,620円
出版日
2014年07月23日
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