世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

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世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた
出版社
出版日
2021年09月14日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

一口に「頭のいい人」といっても、さまざまな人がいる。気の利く同僚、話題が豊富で話していて楽しい友人、役柄によってまったく違う顔を見せる俳優など、皆それぞれ頭がいいと要約者は思う。どの人も、自分の得意分野や性格を理解し、それをうまく仕事や生活に生かしているのだろう。気の利く同僚は、ある仕事を自分がどこまでやるべきかを理解し、線引きや加減ができる人。話していて楽しい友人は、相手にたくさん話してもらうところと、自分がたくさん話したいところのバランスがとれる人。演技派俳優は、もともと持っている愛らしさや色気、茶目っ気、力強さ、しなやかさなどを表現するとき、役柄によってバランスを調整できる人だと考える。

著者自身も相当に頭のいい人物だ。東京大学大学院で博士課程を修め、フランスの研究所に勤務した。高IQ集団、MENSAの会員でもある。

本書ではそんな著者が脳科学者としての視点から、今まで出会った世界の「頭のいい人」たちについて、その人となりや心がけ、行動、習慣などを紹介している。どの人物もそれぞれの分野においてトップレベルの実績を上げており、そうした人たちがどのように考え、行動しているかがよくわかる一冊だ。

「頭のいい人」は自分の性格や特性をよく理解し、活用している。自分を高めたいと思っている人は、ぜひ本書を手に取って、自分の個性を理解し、伸ばすためのヒントとしてほしい。

著者

中野信子(なかの のぶこ)
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用科学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ 脳に潜む闇』(講談社)、『キレる!』『「嫌いっ!」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

本書の要点

  • 要点
    1
    「頭のいい人」の中には、あえて空気を読まず自分を貫く人も多くいる。自分の苦手分野の仕事まで抱え込もうとせず、得意な人の力をうまく借りて、お互いにプラスになるように導くのが上手だ。
  • 要点
    2
    仕事や勉強のスケジュールを立てるときには、目標達成までの制限時間を設けるのがよい。「やらないことリスト」をつくり、やるべきことに集中するのも効果的だ。
  • 要点
    3
    「集中力を身につける」という発想は捨て、集中できる環境を整えることを心がけよう。目や耳から入る情報を排除したり、「快適さ」に配慮したりするのがポイントだ。

要約

【必読ポイント!】世界の「頭のいい人」はどんな人か?

空気は読まない

空気を読み、周囲に合わせることを美徳とするのは日本の風潮だ。一方で、世界で活躍する人には、空気を読まない人が多いのも事実である。

著者の先輩研究者であるSさんは、「空気を読まない」ことで己を貫いている人物だ。Sさんの最大の特徴は、「自分の得意なものを把握して、苦手なことはやらない」「周囲に自分を合わせるのではなく、周囲が自分に合わせるようにする」ことだった。苦手な分野を克服しようとするのではなく、自分の得意なところをさらに高めるための努力に徹していたのだ。

この方法は、いい結果につながりやすい。自分の苦手な部分を他の人にお願いすると、相手は「頼りにされた」と感じ、喜んで引き受けてくれることが多いものだ。そして自分は、得意なことに集中して能力をフルに発揮できる。

オールマイティになれることなんて、めったにない。不得意分野までカバーしようとして中途半端になるよりも、得意なところに目を向けよう。そうすれば結果につながるし、何より楽しく取り組めるだろう。

決まった儀式を行う
Maryna Andriichenko/gettyimages

勉強や仕事をいきなり始めても、なかなか調子が出ないことがある。そんなときは、自分なりの「儀式」を行ってから取りかかるようにするとよい。コーヒーをいれてから仕事をする、机の整理整頓をしてから勉強をスタートするなど、ルーティンを決めてみよう。やがてこの「儀式」によって、脳が勉強や仕事の準備を始めるようになる。

儀式を終えてもやる気が出なかったとしても、ガマンして5分間だけやってみよう。そうすると、脳が勉強モード、仕事モードに入り、30分、1時間と続けられる。

人間は、面倒なことでも一度始めてしまうと、意外にすんなりと進められる生き物だ。始める瞬間の「やる気が起きない」気持ちを取り払うことが、一番大事なのだ。

ニコニコしながら主張する

某大手電機メーカーの役員を務めたKさんは、20世紀の「技術大国・日本」を牽引した功労者だ。「世界の強力なビジネスパーソンを相手に渡り歩いてこられたのはなぜだろう?」と感じさせるほど、柔らかい雰囲気をまとった人物である。だがKさんと一緒に過ごすと、彼は物腰柔らかでありながらも、決して主張を曲げないのだと気付く。

相手のミスを突き、自分の考えを通す方法は、議論において有効だと思うかもしれない。だがその方法では、相手と良い関係を築いていくのは困難だ。

一方、周囲を気遣いながらも意見は曲げず、相手を巻き込めば、相手のプライドを傷つけずに自分のやりたいことを貫ける。友好的な関係を築けて、互いにメリットが大きい。

「そういわれても難しい」と感じる人には、「アサーション・トレーニング」をおすすめしたい。

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要約公開日 2021.11.01
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