気くばりがうまい人のものの言い方

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気くばりがうまい人のものの言い方
出版社
定価
770円(税込)
出版日
2019年11月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

自分の発言をきっかけにして、相手の態度やその場の雰囲気が変わってしまった。何かまずいことでも言ってしまっただろうか……このような状況で冷や汗をかいた経験は、誰しも一度はあるのではないだろうか。要約者もこれまで何度もそのようなシチュエーションを体験し、心苦しい思いをしてきた。本書は、そのような状況を回避し、良好な人間関係を構築すべく、著者の豊富な人生経験から得られた「ものの言い方」についての知見をまとめた一冊である。

著者は、卓越した人間観察力を持ち、仕事術・仕事にまつわる人間関係などのビジネス書を多数生み出してきた山﨑武也氏だ。山﨑氏は、口から入る食べ物が身体に栄養を与えて「動物的生命」を維持し発展させるように、口から出る言葉は人間味に栄養を与えて「社会的生命」を維持し発展させることに役立つと主張する。この考えには、多くの人が同意するのではないだろうか。

また山﨑氏は、「口は禍の門」であると同時に「幸せの門」でもあるとも言う。つい口にしてしまった言葉で誰かを傷つけ、人間関係を悪化させてしまわないために、そして優しい言葉で誰かを幸せにするために、日々使用する言葉には気を付けたいものだ。本書を読み、普段から何気なく使っている言葉を見直す機会としていただきたい。発言だけでなく、考え方や行動、ひいては生き方を考え直すきっかけになるかもしれない。

著者

山﨑武也(やまさき たけや)
広島県生まれ。1959年、東京大学法学部卒業。ビジネスコンサルタントとして国際関連業務に幅広く携わるかたわら、茶道など文化面でも活動を続ける。仕事術、仕事にまつわる人間関係などのビジネス書での著作が多い。また、卓越した人間観察力から生まれた『心を打つちょっとした気の使い方93』はベストセラーになる。
その他の著書に、『さりげなく「感じのいい」人』『「気の使い方」がうまい人』『ちょっとしたことで「かわいがられる」人』『*「孤独」はつくって愉しむもの』(以上、三笠書房、*印《知的生きかた文庫》)、『一流の作法』『一流の気配り』(以上、PHP文庫)、『なぜか好かれる人の「ちょうど良い礼儀」』(日本実業出版社)など多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    感謝の気持ちを伝えたいときは、お礼の言葉を言うだけでなく、自分の感想を付け加えるようにしよう。
  • 要点
    2
    「それでよい」という言葉は、仕方がない、我慢するなどといった印象を与えかねない。「で」を「が」に変えて「それでよい」ではなく「それがよい」と言うのが大人のマナーだ。
  • 要点
    3
    出入口を通るときや狭い通路ですれ違うときは、「どうぞ」と言って道を譲ろう。逆に譲ってもらったときは、「お先に」と言って相手の好意を素直に受け取るようにする。

要約

【必読ポイント!】気のきいた「一言」

うれしい気持ちは「感想」で伝える

人から何かをプレゼントされたり親切にしてもらったりしたときは、誰しも感謝の気持ちを表すだろう。しかし「ありがとう」というお礼だけでは、相手の心に残る「一言」にはならない。

感謝の気持ちを表明するときは、できるだけ具体的にその気持ちを表現し、自分の感想を付け加えるようにしよう。たとえば食事をご馳走になったなら、「どうもありがとうございました」や「ごちそうさまでした」だけでなく、「おいしかった」という一言を追加する。すると、感謝の気持ちに加えて、料理を楽しんだという事実も相手に伝わるだろう。加えて特に印象に残った料理について「あれほどにおいしい料理は初めてで、これ以上の幸せはない」などとコメントすると、ますます相手の心に残る「一言」になるはずだ。

相手に同じ質問を返す
recep-bg/gettyimages

英会話で「お元気ですか?」という質問に対して「ありがとう、元気です。で、あなたは?」という答え方を教わった人は多いだろう。質問に対して返答するだけでなく、相手の様子を尋ねるのだ。

ここに、会話をスムーズに続けながら、人間関係を深めていくヒントがある。つまり会話において、相手が聞いてきたことに対して答えた後、同じ内容を尋ね返すのだ。

ただし、同じ内容を尋ね返した場合でも、相手が言葉を濁すこともある。そんなときはすぐに話題を変えよう。もちろん自分が何かを聞かれた際にも、答えたくないならあまり詳細に話す必要はない。

いずれにしても、個人的な情報について質問をしたら、相手も同じ内容について自分の情報を求めてくると心得ておかなくてはならない。その覚悟ができていないなら、質問を変えたほうがいいだろう。

「大変だっただろう」の一言でいい

とある企業の管理職が、取引先に依頼する仕事をすっかり忘れていて、大慌てで依頼をかけた。通常は1週間かかる仕事を3日で仕上げてもらわなくてはならないのに、自分の過失を認めて頭を下げるのではなく、ただ期間内に仕上げてくれの一点張りである。割増金を払うからと言ったり、過去の取引実績を盾にとったりして、無理やり引き受けてもらった。

3日後、取引先はきっちりと仕事を仕上げて持ってきた。それに対して彼が開口一番に言ったのは「やればできるじゃないか」という言葉だった。無理して仕事を受けた相手は唖然とし、二度と彼の仕事はしないと決心したと言う。「無理を言ってすまなかった」「大変だったでしょう」などといった言葉とともに、感謝の気持ちをきちんと伝えていたら、別の結果が待っていただろう。

相手が特別に努力をしたことがわかったときは、労いの言葉をかける必要がある。「大変だっただろう」の一言でいい。相手の苦労を思えば、自然と言葉が出てくるはずだ。

とっさの「一言」

形容詞や副詞を効果的に使う

海外駐在員としての経歴を持つ著者は、アメリカで幾度となくホームパーティーを経験した。会話が苦手なので、はじめは参加することに抵抗感を抱いていたが、回数を重ねるうちに慣れていった。

ここで悟ったのは、大抵の会話はたわいのないことをしゃべっているのだから、立派なことを上手に話そうとする必要はないということだ。たいしたことのないトピックでも、ちょっとしたスパイスをきかせるとぐっと面白い話になる、ということにも気が付いた。

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要約公開日 2021.10.17
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