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新規事業立ち上げの教科書の表紙

新規事業立ち上げの教科書

ビジネスリーダーが身につけるべき最強スキル


本書の要点

  • 今後の日本経済は成長率の低迷が想定されること、環境の変化が速く既存事業の衰退も急激に起こること、などの要因から、多くの企業では3~5年に一度は新規事業を立ち上げていく必要がある。

  • 認知的に近いところでの新規事業展開では、本当に有望な収益機会は得られにくい。有望なビジネス・チャンスを得るためには、心理的に・感覚的に、遠いところを探索すべきなのである。

  • 1社だけで新しい事業を行おうとすると、様々なケイパビリティの獲得に時間がかかる。企業にとって時間はコストであるので、企業はアライアンスを梃子に新規事業を迅速に立ち上げることに注力するべきだろう。

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なぜ今、新規事業の立ち上げが必要なのか

3~5年ごとの新規事業立ち上げの必要性とメリット

本書では新規事業の立ち上げに必要なノウハウが凝縮して紹介されている。そのノウハウに入る前に、なぜ新規事業という難題が求められるのだろうか、という疑問について考えたい。企業において新規事業立ち上げプロジェクトが始まる理由は様々である。既存事業が衰退しているため、今後の反転攻勢を目的に、上司や経営者から指示されることもあるだろう。

著者は原則3~5年ごとに継続して新規事業を立ち上げる必要があると主張している。その理由の1つ目は、「今後、日本経済そのものが大きく伸びることはない」ことだ。過去右肩上がりで成長した日本経済は、バブル崩壊以降、デフレ傾向と低成長が続き、売上を維持することも難しくなっている。そのような長期的トレンドの中においては、新しい売上を作る努力、すなわち新規事業への取り組みが必要となるのである。

2つ目の理由は、「これからの時代は外部環境の変化が速くて激しい」ことである。そのような環境下では事業のライフサイクルが短くなるため、既存事業の衰退を見越して新しい事業で売上を補っていくことが求められるのだ。

新規事業による会社経営の安定化

新規事業というと、新たなチャレンジでハイリスクハイリターンの世界と捉える方もいるかもしれない。しかし、新規事業には経営を安定させるという効用がある点に注目すべきである。

外部環境や内部環境は変化し続けるため、会社経営や事業に絶対的な安定は存在しない。しかし、新しい事業の新しい売上が得られれば、売上規模が拡大し、リスク許容度も大きくなり、環境変化に強い会社を作ることができる。

また、事業ポートフォリオという観点からも、複数の事業にチャレンジすることで、1つの事業に頼るのではなく、別の事業が会社全体の収益を支えてくれる状況を作りだせる。それにより、社員が安心して働いて、人生を送っていける会社にする、という経営目標を実現していくことも可能になる。

組織活性化のための新規事業

新規事業には、社員のモチベーションを上げ、組織の活性化にもつながるというメリットがある。業歴の長い安定した会社では、新しいことをまったくしないことで社員のモチベーションが下がってしまう、という問題が生じやすい。「このまま、なんとなく与えられた仕事だけをやっていればよい」という雰囲気になってしまう前に、ある程度のペースで何か新しいことをして、それを社内外にアピールすることが求められるのだ。

著者のコンサルティング先の企業で、経営者の祖父の代から高級別荘地とリゾートホテルを運営している会社でも、リゾートホテルの設備拡充や、夏の間だけオープンカフェを運営すること、東京の本社ビル地下1階でイタリアン・レストランをオープンすることなどの新しい試みを行っている。こうした試みを通じて、挑戦する社風を醸成し、社員のモチベーションを上げているのだ。

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【必読ポイント!】新規事業でどこに一歩踏み出すかの戦略立案

収益モデルから見た新規事業のタイプ

新規事業は5つのタイプが存在する。会社の経営基盤の安定化のためには、異なる事業を組み合わせることを考えると良い。

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要約公開日 2014.09.22
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