実務家ブランド論

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実務家ブランド論
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実務家ブランド論
出版社
定価
1,980円(税込)
出版日
2021年09月14日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ブランド」という言葉は、誰もが知っている言葉であるがゆえに、あえて意味を調べなくてもわかったつもりになってしまう。しかし、誰かに説明しようとしても、なかなかうまく説明できない言葉でもある。

現代のビジネスにおいて、ブランドが重要であることは、広告やマーケティングの専門家でなくても周知のことだろう。しかし、多くの人は、漠然とブランドというものを理解したつもりになり、ブランドがなぜ、どのように効果的なのかを深く探究しないまま、仕事にブランドを活用しようとしているのかもしれない。

本書は、企業で実務家としてブランドづくりに長年携わってきた著者が、現場で培われてきたブランド論をまとめたものだ。ブランドについて論じられた本はたくさんあるが、そのほとんどが、読者を誤りに導くという。

「教科書ブランド論」がなぜ誤りなのか、ブランドづくりのために実際に必要なものは何か。経験に基づいた著者の主張は説得力があり、ブランドとは何かを理解するうえで、有用である。

世の中には、古くからあるブランドや斬新なブランドなど、たくさんのブランドが存在し、消費者としての私たちは、ブランドのイメージで商品・サービスを選ぶことも多い。本書では、企業の側からブランドを構築するための考え方や方法が解説されているが、逆に、なぜ消費者がブランドに魅力を感じ、選択の基準にしているかということについても、理解できるようになるだろう。

ライター画像
大賀祐樹

著者

片山義丈(かたやま よしたけ)
ダイキン工業株式会社 総務部 広告宣伝グループ長
1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課、1996年広報部、2000年広告宣伝・WEB担当課長を経て、2007年より現職。業界売上第5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。 統合型マーケティングコミュニケーションによる企業ブランドと商品ブランド構築、広告メディア購入、グローバルグループWEBサイト統括を担当。ブランディングの取り組みは、インターブランドジャパン『Japan Branding Awards』や公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会『PRアワードグランプリ』 のグランプリをはじめ多くの賞を受賞。日本広告学会員。

本書の要点

  • 要点
    1
    「教科書ブランド論」で論じられているのは、ごく一部のスーパーブランドに関するものだ。ほとんどの平凡なブランドに当てはめようとしても、うまくいかないのは当然である。
  • 要点
    2
    実務家の定義によるブランドとは「妄想」である。ロゴや商品、ブランド名に触れたときに、自然と頭の中に生じるイメージこそが、ブランドだ。
  • 要点
    3
    「存在価値」「約束」「人格・個性」の三つをブランドの土台として定め、一貫した情報を地道に消費者に伝え続けることで、意図的にブランドをつくることができる。

要約

【必読ポイント!】 なぜ、ブランド論の教科書でブランドをつくれないのか

教科書ブランド論
ideeone/gettyimages

「ブランド」という言葉に関する情報は世の中にあふれている。しかし、「ブランドは差別化である」「ブランドは約束である」といった言説を無邪気に信じているだけでは、絶対にブランドはつくれない。

著者は、ダイキン工業で33年間、企業ブランドの構築に携わってきた。数多くのブランド論の本を読み、セミナーに参加してきたものの、なかなかうまくいかないと感じ続けてきた。世にあふれるブランド論を無邪気に信じていたのは、著者自身のことだという。ブランド論の教科書に書かれていることの本当の意味や、実務家としての方法論を理解できたのは、最近になってのことだった。

著者は、世にあふれるブランド論や、教科書的な考え方を「教科書ブランド論」と定義した。そして、自身が現場で悪戦苦闘しながら理解したブランド論を「実務家ブランド論」と名づけた。

ブランディング専門会社、インターブランドジャパンのブランド価値評価ランキングによると、ダイキン工業は競合となる日立製作所や三菱電機よりも、上位に評価されている。しかし、ダイキンは必ずしも、教科書ブランド論の方法論通りにブランド構築がなされているわけではない。ダイキンが高いブランド価値を持ち得たのは、経営者の力や、良い製品をつくり、営業、サービスに力を注ぐという、ブランド論ではあまり語られない要素によるところが大きいのだ。

一般的に、「ブランド」の語源は、自分の牛を他の牛と識別するために押した「焼き印(burn)」だとされている。そのため、ブランドとは「他者との差別化」をするためのものだ、とほとんどの教科書ブランド論の冒頭に書かれている。

しかし一説によると、そもそもこの語源は正確ではない。しかし、この語源が頭に刻み込まれると、大きな弊害を生み出すことになる。著者はこれを「牛の呪い」と名付けた。牛の呪いから解き放たれて初めて、ブランドをつくれるようになるだろう。

スーパーブランドを目指す間違い

たいていの会社で、思い描いたブランドをつくることができないのはなぜか。その最大の理由は、ブランドの定義がないということである。

多くの人は、ブランドとは「差別化である」「顧客との約束である」といった教科書ブランド論を、なんとなく理解したつもりになってしまっている。しかし、人によって定義が違っていたり、あいまいだったりするため、関係者の間で定義や理解が共有されないままになってしまう。

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