整える習慣

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出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2021年02月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

リモートワークの導入や外出自粛によって、それまで築いてきた生活のリズムがすっかり崩れてしまい、気持ちがどんよりしている。2022年は生活習慣や気持ちを立て直したい――本書はそんな方におすすめしたい一冊だ。

著者は順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏。『医者が考案した「長生きみそ汁」』などの著書で知られる、自律神経研究の第一人者だ。本書ではそんな著者が、自律神経を整え、仕事のパフォーマンスを発揮したり、モヤモヤした気持ちをやわらげたりする習慣を教えてくれる。

自律神経を整えるというと難しく聞こえるかもしれないが、ご安心を。持ち物を最適化する、1カ月間に生じたストレスを書き出してみる、1日1枚写真を撮る……本書で紹介される習慣は、今日から取り入れられるものばかりだ。

著者によると、「自律神経を整える」とは「交感神経と副交感神経をバランスよく、高い状態にすること」。これがコンディショニング、つまり「持っている力を発揮するために状態を整える」ことにつながるのだという。

いくら能力ややる気があっても、コンディショニングが万全でなければ、100%のパフォーマンスを発揮するのは難しいものだ。あなたも、持てる力をフルに使い、気持ちよく毎日を送るために、自律神経の力を借りてみてはいかがだろうか。本書には108の習慣が掲載されているので、1日1個ずつ、今日から3カ月ほどかけて試してみるのも楽しいかもしれない。

著者

小林弘幸(こばやし ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。
日本体育協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者として、数多くのプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。
主な著書に『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム)、『自律神経を整える 人生で一番役に立つ「言い方」』(幻冬舎文庫)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    鞄の整理は、コンディションを整える第一歩である。鞄の中に入れたはずのモノが見当たらないといったささいな焦りによって交感神経が跳ね上がり、そのあとの仕事のパフォーマンスに影響するからだ。
  • 要点
    2
    リモートワークの合間に、5分程度の「体育の時間」を設けよう。おすすめは「ひとつだけストレッチ」と「ゆっくりと10回だけスクワット」だ。
  • 要点
    3
    「30分間ひとりでゆっくりする→一日を振り返る時間をとる→日記をつける→明日の流れをざっとシミュレーションする→感謝する」の5つのステップを習慣化すれば、人生はより良いものになっていくだろう。

要約

「自律神経を整える習慣」で、仕事のパフォーマンスを上げる

自律神経とは

自律神経とは、生命を維持し、体の状態を整える働きをする神経だ。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がある。交感神経は「体を活動的にするための神経」で、副交感神経は「体を落ち着かせ、休めるための神経」だ。

本書では、日常生活の中で簡単に実践できて、あなたのコンディションやパフォーマンスを確実に向上させる「自律神経を整える習慣」が紹介される。「自律神経を整える」とは、ごく簡単に言えば、交感神経と副交感神経をバランスよく、高い状態にすることだ。自律神経を整えて、100%に近いパフォーマンスを常に発揮できる状態をつくろう。

身の回りを整える習慣

Pekic/gettyimages
持ち物を最適化する

スマホや資料、イヤフォンなど、鞄に入れたはずのモノが見つからず、必死に探す――この瞬間、あなたの交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力は下がって、結果として仕事のパフォーマンスは著しく低下する。しかも、一度でも自律神経が乱れた状態になってしまったら、元に戻るまで時間がかかる。

だから鞄の整理は、コンディションを整える第一歩である。必要でないものは鞄から出し、必要なものは鞄の中で定位置を決めて収納するようにしたい。

自分にとってベストな鞄を選ぶことも重要だ。鞄の形、大きさ、深さ、ポケットの位置や数……あらゆる場面を想定し、もっともスムーズに、ストレスなく動ける鞄をイメージして選ぶ。ペンケースやメガネケース、スマホカバー、財布なども同じような意識で選んでいくと、持ち物がどんどん最適化されていくはずだ。その結果、あらゆる場面での動きが快適になり、自律神経が整って、仕事もうまくいくだろう。

電子マネーにチャージするタイミングを決めておく

自律神経を無駄に乱さないためには、「もしかして、こんな問題が起こるかな」といった不安を感じる前に対処しておくことだ。

その典型的な例が、車の給油だ。「もしかして、ガソリンが足りなくなるかも」と感じた時点で、自律神経が乱れてしまう。だから著者の場合、給油メーターが残り4分の1を切ったら迷うことなく給油する。同様に「財布の中身が〇万円以下になったら、必ず継ぎ足す」「電子マネーが〇千円以下になったら、必ずチャージする」も著者のマイルールだ。

本当に仕事ができる人は、常に余裕を持って準備をしているため、「お金が足りなくなったから、ちょっと貸して」「スイカのチャージが不足していたから、ちょっと待って」などと言うことはない。じつはこんな部分にも、大きな差が生まれている。

「帰る前の片づけ」を儀式にする

机の周辺や鞄、財布の整理を退勤前の習慣にするのもよい。落ち着いた気持ちで身の回りを整えると、自然と交感神経が下がり、副交感神経が高まって、体が「オンモード」から「オフモード」へと切り替わっていく。

この片づけは、翌朝の出勤時にも効果を発揮する。朝、自分のデスク回りが整っていると、余計なストレスを受けることなく、スムーズに仕事に着手できるはずだ。

心身ともに調子がいいときは、多少回りが散らかっていても、仕事に影響はないだろう。しかし少しでもコンディションが乱れていると、デスク回りが散らかっていることが大きなストレスにつながる。

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要約公開日 2022.01.03
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