できる30代は、「これ」しかやらない

会社に使われて終わらないシン・働き方の教科書
未読
できる30代は、「これ」しかやらない
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できる30代は、「これ」しかやらない
出版社
出版日
2021年11月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

20代の頃は正解のある仕事を効率よくこなせば優秀な社員として評価されていた。しかし30代はそうはいかない。正解がない仕事でも成果を求められるからだ。

30代は多くの仕事を任され、多忙な日々を送り、じっくり考える時間がとりづらい。また、20代のうちはとにかく目の前のことに全力投球で突き進んできたかもしれない。だが、30代になると、「このままでいいのか」とキャリアの悩みも増えてくる。そう、この30代の10年間をどう過ごすかで、今後の人生が大きく変わってくるのだ。ではどんなふうに仕事の進め方や人との関わりをアップデートしていけばいいのか? その問いに鮮やかに答えてくれるのが本書だ。

著者は外資系コンサルティング会社の部長職を経て、人事戦略コンサルタントとして独立し、活躍している人物だ。そんな著者が30代で身につけておくべきスキルやキャリアの考え方を紹介してくれる。

30代ですべきことのポイントは次のような点だ。「向いた環境で評価される」「やったことがないことでも成果を出す」「得意な人を増やす」「組織を活用する」「声がかかる・相談される人脈を作る」。その具体的な活用シーンがありありとイメージできるのが本書の面白さでもある。人生の分岐点といえる30代で、本書を武器にさらなる成長のヒントを得ていただきたい。

ライター画像
木下隆志

著者

松本利明(まつもと としあき)
HRストラテジー代表
HR総研 客員研究員
PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手コンサルティング会社のプリンシパル(部長級)を経て現職。世界や日本を代表する大企業からスタートアップ企業まで、600社以上の人事改革に従事。5万人のリストラと7,000名を超えるリーダーの選抜と育成を行った『人の「目利き」』。最近は企業向けのコンサルティングに加え、「誰もが自分らしく活躍する世の中」に近づけるため、自分の持ち味を活かしたキャリアの組み立て方を学生、ワーキングマザー、若手からベテランまでのビジネスパーソンに教えている。個別のアドバイスを5,000名以上にライフワークとして提供し、好評を博す。主な著作は『稼げる人稼げない人の習慣』(日経ビジネス人文庫)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)、『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)があり、ベストセラー多数、累計15万部以上。英国BBC放送、ロイター通信、TBS、日本テレビ、『週刊東洋経済』、『AERA』、『新R25』など、メディア実績多数、講演多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    30代は「得意なこと」や「向いていること」から「好きな仕事」や「やってみたいこと」を見つけるとよい。
  • 要点
    2
    キャリアは同業界内や社内の延長線上といった「線」ではなく、他業界・他業種・他役職を含めた「横」へスライドさせていくイメージをもつとよい。
  • 要点
    3
    自分の隠れた資質を洗い出すうえでは、「ありがとうの声を集める」「得意なことの解釈を因数分解する」「コンプレックスをいい意味で逆転させる」「心に引っかかることに着目する」という4つの方法が役立つ。

要約

30代で「これだけ」やれば困らない5つのポイント

30代で成功を収めるための秘訣
Cn0ra/gettyimages

今後の人生を大きく左右する時期が30代である。ではどうすれば大きな仕事のチャンスを掴み、自分らしく活躍できる人になれるのだろうか。著者は、30代で「これだけ」やれば困らない5つのポイントを次のように解説している。

(1)キャリア:自分の向いている環境に行く

結果が求められる30代では、自分が向いている環境に身を置き、ラクに成果を上げて、評価されることが大切だ。

(2)仕事の成果:結果を出すことに集中する

30代では今までにやったことがないことでも成果を出すことが求められる。仕事のコツを掴んで、成果をより多く出すことに集中することが肝心だ。

(3)対人関係:苦手な人を割り切り、得意な人を増やす

30代では相性の良い人だけでなく、利害が対立する人、苦手な人も動かしていく必要がある。そこで、30代では苦手な人は割り切り、先に得意な人のパターンと数を増やすことで、結果克服することが重要だ。

(4)働き方:根回しのコツを掴み、組織を活用する

大きな成果を出すためには、根回しによって組織を活用し、動かすことが不可欠である。そこで根回しのコツが有効となる。

(5)人脈:相談される人、声がかかる人になる

相談されて、信頼を築き上げていくことで、欲しい情報を入手できるようになる。また、一緒に成長していける仲間を見つけ、つながることも必要となる。相談される人、声がかかる人をめざすようにしたい。

要約ではキャリア、仕事の成果、働き方に関連して、1章、2章、4章、6章のポイントを一部取り上げる。具体的には、自分の向いている環境で強みを活かす方法、最短で成果を上げる方法、そして組織を動かす根回しのコツを紹介する。

【必読ポイント!】 自分の向いている環境で強みを活かす

「得意なこと」から「好きな仕事」を選べ

「せっかく働くならば好きなことをやりたい」「好きな仕事が分からない」と悩んでいる方も多いだろう。実は、「好きなこと」「やりたいこと」を追い続けるのは危険である。なぜなら、もっといい仕事が見つかると思い、転職を繰り返しているうちに、キャリアの賞味期限が来てしまう可能性があるからだ。

では、これを避けるためにはどうすればいいのだろうか。それは選択する順番を変えてみることだ。「得意なこと」や「向いていること」の中から「好きな仕事」や「やってみたいこと」を見つけるのである。自分が得意で向いていることを活用できる環境を選べば、好きな仕事で大きな成果を残せるようになる。

横へのスライドで、独自のポジションを築く

同じ業界内や社内だけでキャリアアップを目指していくと、上に行くほど道のりは険しくなる。なぜなら役職の椅子にはすでに誰かが座っているからだ。

そのため、キャリアを同業界内や社内の延長線上といった「線」ではなく、他業界・他業種・他役職を含めた「面積」で考えることが求められる。キャリアアップをめざすのではなく、キャリアを「横」へスライドさせていくイメージである。そうすれば、自分の提供価値が広がり、活躍できる場所が増えていく。

その良い例が、お笑い「キングコング」の西野亮廣氏だ。お笑いの世界で得た知見を絵本作家や映画監督の道でも活かすことにより活動を広げ、独自のポジションを築いている。

キャリアの面積は「人軸」と「場所軸」で掛け算する

どうすれば、キャリアを横展開して、キャリアの面積を広げていけるのだろうか。

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要約公開日 2022.01.10
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