大人の雑談力
劇的にコミュニケーション力が上がる
大人の雑談力
大人の雑談力
出版社
リベラル社

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出版日
2021年11月30日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は「社会人の伝わる話し方」の専門家が監修した、雑談のテクニックが凝縮されている本である。「初対面で話のとっかかりをつくりたい」「上手に返事がしたい」など、雑談のよくあるシーンごとに、今日からすぐに試せそうなテクニックがまとめられている。

本書によれば、「会話がひと言ふた言で終わってしまう……」「話すネタが見つからない……」「話すことに躊躇してしまう……」という悩みの声は少なくない。監修者が全国40都道府県で年間2000回、話し方のセミナーや研修を行っているということからも、雑談をはじめとしたコミュニケーションの悩みを抱えている人の多さがうかがえる。

悩む人が多いのは、雑談が「初対面の人」や「それほど仲良くないけれど、定期的に顔を合わせる人」と一緒にいるときに求められるものだからだろう。しかもそうした人は「自分が知る人たち」の中で最も数が多い。家族の人数は両手におさまる程度だろうが、「初対面の人」や「それほど仲良くないけれど、定期的に顔を合わせる人」の数は、仕事に限ったとしてもその何倍、何十倍で、しかも増えていくものだ。その意味で雑談力は、「あったほうがいいスキル」ではなく、むしろ「よりストレスフリーに過ごすために必要なサバイバルスキル」と言える。

もし雑談にかんする悩みを抱えているのであれば、本書を手にして、使えそうなものから少しずつ試すことをおすすめしたい。それだけでも「初対面の人」や「それほど仲良くないけれど、定期的に顔を合わせる人」との付き合いがぐっと楽になるだろう。

ライター画像
藤平泰徳

著者

桐生稔(きりゅう みのる)
・株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役
・日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー
・日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー
・一般社団法人日本声診断協会音声心理士

1978年生まれ。新潟県十日町市出身。
2002年、全国1200支店運営する大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3カ月で左遷される。そこから一念発起し、売上達成率No1を実現する。その後、音楽スクールに転職し、事業部長を務める。
2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、株式会社モチベーション&コミュニケーションを設立。現在全国40都道府県で年間2000回伝わる話し方セミナー、研修を開催。具体的で分かりやすいメソッドが評判を呼び、日経新聞、プレジデント、東洋経済ONLINE、Yahoo!ニュースに掲載される。
「説明下手を克服する!30秒で伝えられるピンポイントトーク」「3秒で頭の中を整理する!論理的会話術」など、数々のヒットセミナーを生み出している。


・図解版:雑談の一流、二流、三流(明日香出版社)
・説明の一流、二流、三流(明日香出版社)
・「30秒で伝える」全技術 「端的に話す」を完璧にマスターする会話の思考法(KADOKAWA)
・雑談の一流、二流、三流(明日香出版社)
・できるビジネスマンは話が短い! 10秒でズバッと伝わる話し方(扶桑社)

本書の要点

  • 要点
    1
    沈黙になったとき、無理に話題を探す必要はない。「そういえば」「その話で思い出しましたけど」などと話題を転換したり、まったく関係のない話を「実は最近こんなことがあって」と話しはじめたりしてもかまわない。
  • 要点
    2
    相手からの質問に対して「はい/いいえ」だけを答えると、会話が終わってしまう。相手がさらに言葉を返せるよう、ひと言付け加えてみよう。
  • 要点
    3
    よい別れ方ができるかどうかで、相手に与える印象が大きくかわってくる。無理に話をまとめず、ほどよく会話が途切れたときに「じゃあまた」と言ってみよう。

要約

【必読ポイント!】最初のひと言を発する

初対面で話のとっかかりをつくりたい

初対面の人と話すとき、あいさつに続けて天気の話をしていないだろうか。確かに天気は定番の話題だが、ベストとは言えない。「そうですね」で終わってしまうことが多く、話を広げるのが難しいからだ。

そこでおすすめなのが、パッと目についた物をほめること。相手の名前や服装、部屋の雰囲気など、なんでも構わない。ほめられて嫌な気分になる人はいないし、ポジティブな話題で場の雰囲気が和むはずだ。しかも相手が謙遜しても、「いや〜、◯◯です」と返して会話を膨らませることができる。

ただし、過剰にほめたり、深入りしたりしないこと。あくまで会話のきっかけになるようにさらっとほめるくらいが、相手を困らせなくてすむ。

共通点がなくても話すきっかけがほしい
kazuma seki/gettyimages

相手のことをよく知らない場合、共通の話題がなくて困ることがあるだろう。いろいろな話を出し合うのにどれも盛り上がらず、気まずい空気になった経験もあるはずだ。

そんなときは、共通点を探すのをやめてみよう。知らない話をされたら、知らないことをはっきり伝えた上で、相手の話を深掘りしてみる。その話題について「昔はどうだったのか」「今はどうなのか」を軸にして聞いてみるのがポイントだ。「僕、野球観戦が趣味なんです」→「へえ! 私は野球は全然詳しくないのですが、ずっとお好きなんですか?」といった具合である。

話を自分からスタートさせる場合も、共通の話題を探してアレコレ話をかえる必要はない。「私は◯◯が好きなんですけど、あなたはどうですか?」などと言って相手に回答権を振ろう。自分の興味とは違う話題を振り返されても、「わからなければ聞く」形に持ち込むことができる。

気まずい沈黙を打ち破りたい

沈黙になったとき、無理に違う話題を探そうとすると、いっそう気まずい空気になることがある。しかも振った話題によっては、またすぐに沈黙がおとずれることになりかねない。

沈黙がおとずれたときの対応法は、今までしていた話の中から、新しい展開ができる話題を見つけ、「そういえば」「その話で思い出しましたけど」などとつなげることだ。もしくは、前の話はきっぱり忘れ、自分の体験談や思ったことを「実は最近こんなことがあって」と話しはじめるのもよい。

リアクションする

いい感じに相づちを打ちたい

「昨日のドラマ観ました?」「最近忙しい?」のように、「はい/いいえ」で答えられる質問で話しかけられることはよくあるものだ。ここで「はい/いいえ」だけを答えると会話が終わってしまう。

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要約公開日 2022.02.07
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