世界のマーケターは、いま何を考えているのか?

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世界のマーケターは、いま何を考えているのか?
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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定価
1,848円(税込)
出版日
2021年12月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

要約者は地域のコミュニティで、ミレニアル世代やZ世代の人と話す機会がある。Z世代とは、一般的に1990~2000年代終盤までに生まれた世代を指す。本書で著者が指摘しているように、十把一絡げに特定の世代を語ることの危うさを承知のうえで、あえていうならば、彼ら・彼女らはどこか「寂しがりや」の面がある。同時に、政治や環境といった大きな物語に疲れているようにも感じられる。

Z世代の特性に寄り添いながら、企業はどのように顧客との関係性を築いていけばよいのだろうか。こうした課題に対し、世界のマーケティングの「いま」と「未来」を提示してくれるのが本書だ。

第1章ではマーケティングを取り巻く社会の現状と課題について、第2章ではZ世代の特徴と彼らが抱える問題についてわかりやすく解説されている。また第3章ではマーケティングの主要な潮流が「コミュニティ」「デジタルキャンプファイア」「メタバース/マルチバース」など13の切り口で紹介されている。そして巻末では『Z世代に支持されているブランド60』が掲載されているという充実ぶりだ。

読み進めるにつれ、世界的な消費者インサイトをどう読み解くのか、それをもとにマーケターは何をすべきなのかが見えてくる一冊だ。マーケティングの新たな可能性にふれたい方にぜひ手に取っていただきたい。

ライター画像
しいたに

著者

廣田周作(ひろたしゅうさく)
1980年生まれ。放送局でのディレクター、広告会社でのマーケティング、新規事業開発・ブランドコンサルティング業務を経て、2018年8月に、企業のブランド開発を専門に行うHenge Inc.を設立。英国ロンドンに拠点をもつイノベーション・リサーチ企業Stylus Media Groupのチーフ・コンサルタントと、Vogue Business(コンデナスト・インターナショナル)の日本市場におけるディレクターも兼任する。独自のブランド開発やリサーチの手法をもち、多くの企業のブランド戦略立案やイノベーション・プロジェクトに携わる。著書に『SHARED VISION』(宣伝会議)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    ブランドは「本気で未来への約束ができるか」という本気度が問われている。
  • 要点
    2
    いまやマーケターが考えるべき対象は「市場・経済」だけではなくなった。マーケターは、技術、文化、社会、環境などとの相互作用のもと、それぞれのテーマや課題、それに携わる人々との関係をつくっていくことが求められている。
  • 要点
    3
    世界全体の消費者のうち約40%を占めるといわれるZ世代は、SNSのつながりすぎによる孤独などから「メンタルヘルス」の問題を抱えている。

要約

【必読ポイント!】 マーケティングは未来への約束

本気で未来への約束ができるか
scyther5/gettyimages

ブランドはいま、技術力や商品ラインナップだけではなく、消費者と向き合う姿勢や振る舞い、とりわけ「世の中を本気で変えていこう」という勇気が求められている。

アーティストのリアーナ・フェンティは、その名も「Fenty(フェンティ)」というコスメティックスのブランドを立ち上げた。これは、彼女が黒人の女性として「なぜ自分の肌の色に合うファンデーションが売られていないのか?」という疑問から企画したものだ。さまざまな肌の色に合う化粧品を提供しており、彼女のファンはもとより多くの人々から支持されている。

2021年、バイデン大統領の就任式に参列したミシェル・オバマ氏がフェンティのアイライナーを身につけていたことが、このブランドの意味を象徴している。

既存の化粧品メーカーであれば、さまざまな色のバリエーションを揃えるのは容易だ。しかし、そうした表面的な対応だけで、コアとなる思想がなければ消費者から共感を得られない。ブランドは「本気で未来への約束ができるか」という本気度が問われているのだ。

マスニッチというヒット

市場が成熟しモノやサービスが溢れて久しい。「まだ行き渡っていないもの、『みんなが欲しい何か』がある」というマスマーケティングの考え方自体が過去のものになってしまった。

一見、ニッチなニーズでしかないと思える「少数の人」のインサイトを深く掘り下げていく。すると、意外にも多くの人から共感され売れているモノやブランドがあることに気づく。このような局所的なヒットは、「マスニッチ」と呼ばれる。最初から「平均的なみんな」を想定する従来のマーケティングの発想からは、深い共感を集めるブランドを生み出すことは難しくなっている。これに対し、ニッチでも価値観がはっきりしているモノやコトは売れる。共感はあくまで一人のインサイトを掘り下げた先に生まれるのだ。

「みんなが使ってる」よりも「私が推せる」方が大事

価値観やライフスタイルが多様化したいま、企業に問われているのはブランドの認知度といった「指標」ではない。社会や環境に対してどのような姿勢で取り組んでいるのかという「ファクト」と、それに基づいた「ブランド・プロミス」である。

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