ファッションの仕事で世界を変えるの表紙

ファッションの仕事で世界を変える

エシカル・ビジネスによる社会貢献


本書の要点

  • 幼少期からファッションに関心を持ってきた著者は、学生時代の衝撃的な体験を経て国際協力の道を志す。やがて、新しい資本主義を目指すビジネスによって世界を変えていけると知り、エシカル・ビジネスを始めた。

  • すべての人が偏見や差別に怯えることなく自分の心に従って生きていける社会が、著者の考えるインクルーシブな社会だ。

  • エシカル・ビジネスを成功させるには、自分が諦めないで臨める分野の仕事(感情面)と、お金がまわせる仕組み(ビジネス面)の両方を組み合わせることが大切である。

1 / 3

内気な子どもがビジネスを興すまで

控えめな少女時代と殻を破れた高校生活

1981年の夏の終わり、著者の白木夏子(以下、白木)は、ファッションデザイナーの母と繊維関係の商社で働く父との間に生まれた。今では国際会議でスピーチをするなど精力的に活動をしている白木だが、幼少期は全く正反対の性格であった。一人で遊ぶのが好きで、絵を描いたり本を読んだりアクセサリーのデザインをしたりして過ごしていた。人に話そうとすると赤面し、言葉に詰まってしまう。集団行動を息苦しく感じ、できるだけ一人でいたいと思っていた。だが、そんな白木にも転機が訪れる。高校が体育祭や文化祭に力を注ぐ学校だったため、クラスでチーム活動をするうちに、次第にリーダーシップを発揮するようになった。女子高だったため、男性の目を気にせずのびのびと振舞えたことも大きい。二年生の時にはキング牧師のスピーチに感銘を受け、文化祭でアメリカの人種差別問題をミュージカル風に表現し、全員で号泣した。いつのまにか赤面症の自分は影を潜めていた。進路選択ではファッションの世界を考えたが、両親から猛反対を受け、一度は道を見失う。しかし、祖父からの「日本は女性にとって生きづらい。夏子は海外に行ったほうがいい」という言葉で、白木は留学を志すようになった。

国際協力の道へ

oonal/gettyimages

高校を卒業した白木は、ひとまず短大に通いながら留学準備を進めた。短大では人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2841/3447文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2022.04.19
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義
ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義
柴田裕之(訳)スティーヴン・ケイヴ
新時代を生き抜く越境思考
新時代を生き抜く越境思考
沢渡あまね
コーヒーで読み解くSDGs
コーヒーで読み解くSDGs
Jose.川島良彰池本幸生山下加夏
音楽する脳
音楽する脳
大黒達也
クビライの挑戦
クビライの挑戦
杉山正明
鎌倉殿と13人の合議制
鎌倉殿と13人の合議制
本郷和人
「世界基準」で動け
「世界基準」で動け
山本康正
HEALTH RULES ヘルス・ルールズ
HEALTH RULES ヘルス・ルールズ
津川友介

同じカテゴリーの要約

起業の天才!
起業の天才!
大西康之
才能のトリセツ
才能のトリセツ
佐野貴
論破という病
論破という病
倉本圭造
ローソン
ローソン
小川孔輔
ぜんぶ、すてれば
ぜんぶ、すてれば
中野善壽
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
八木仁平
先読み!IT ×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来
先読み!IT ×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来
古川渉一酒井麻里子
超初心者でも稼げるAI活用法
超初心者でも稼げるAI活用法
あべむつき
シン・サウナ
シン・サウナ
川田直樹
得意なことの見つけ方
得意なことの見つけ方
澤円