ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング

Webマーケティングの成果を最大化する83の方法
未読
日本語
ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
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Webマーケティングの成果を最大化する83の方法
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ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
出版社
実業之日本社

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定価
1,980円(税込)
出版日
2022年05月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「とても本質的なことと、とてもテクニカルなことしか書かれていないWebマーケティングの本」。本書の広告コピーを書くとしたら、このようなものになるだろうか。本書では「ABテスト」や「SEO」などの流行りのテクニックを取り上げるにしても、その本質に迫っている。

広告の本質は「誰に」「何を」「どう」伝えるかだ。それをふまえた上で、ターゲットの属性や意識レベルに応じた訴求、LP(広告をクリックしたときに表示されるページ)の書き方、正確な顧客獲得単価やLTV(1人の顧客から一定期間に得られる売上・利益)の計算方法、各種指標の読み解き方などを考える。

著者は、広告を作ることは「崇高な仕事」だと説く。たった1行のコピーが商品や会社の行方を左右することもあるからだ。だからこそ、商品や想定ユーザー、競合商品を徹底的にリサーチしなければならない。その商品独自の特徴を見極めるためである。

Webマーケティングは利益を「小さく生んで大きく育てる」。細かなデータを収集し、活用していくことはもちろん、CV(購入率)に関わるところはすべて把握できていることが大切だ。

本書で得られるのは、小手先のテクニックではない。広告の主戦場がWebからメタバースに移っても通用する考えかただ。これからのビジネスパーソンには、このプロのマーケッターの視点が必ず求められるだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

木下勝寿(きのした かつひさ)
1968年、神戸生まれ。(株)北の達人コーポレーション代表取締役社長。(株)エフエム・ノースウェーブ取締役会長。現役マーケッターでもある。(株)リクルート勤務後、2000年に北海道特産品販売サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げる。2002年、(株)北海道・シー・オー・ジェイピーを設立(2009年に北の達人コーポレーションに商号変更)。2012年札幌証券取引所新興市場「アンビシャス」、2013年札幌証券取引所本則市場(通常市場)、2014年東京証券取引所の市場第二部(東証二部)、2015年東証一部と史上初の4年連続上場。2017年、時価総額1000億円を達成。2019年、「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)。日本政府より紺綬褒章8回受章。「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」という高品質の健康食品・化粧品で絶対に利益が出る通販モデルを確立。「北の快適工房」ブランドで、機能性表示食品「カイテキオリゴ」やギネス世界記録認定・世界売上No.1となった化粧品「ディープパッチシリーズ」などヒットを連発。売上の7割が定期購入で18年連続増収。ここ5年で売上5倍、経常利益7倍。利益率29%は、上場しているおもなEC企業平均の12倍の利益率。株価上昇率日本一(2017年、1164%)、社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(2020年、113.7倍、在任期間8.4年)。著書の『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』(ダイヤモンド社)は、ビジネス書ランキング7部門1位。「スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書大賞」を受賞。Twitterで積極的に情報発信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    Webマーケティングは広告制作の基礎である「ファンダメンタルズ」とWeb特有の「テクニカル」に分けられる。ファンダメンタルズを理解していないWebマーケティングは、ただのデジタルオペレーションだ。
  • 要点
    2
    広告制作などのクリエイティブは「誰に」「何を」「どう」伝えるかで構成される。特に「誰に」「何を」を外していたら終わりだ。
  • 要点
    3
    テクニカルマーケティングにおいて一番大事なのは数字だ。「データ」から「人間の行動パターン」を見つけ、その背景を理解し、施策の手を打つことが、普遍的なマーケティングの本質だ。

要約

【必読ポイント!】 Webマーケティングの全体像

「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」
BrianAJackson/gettyimages

Webマーケティングは、リアルマーケティングと違って、売り場に限りはなく、コミュニケーションコストも劇的に低くて済む。当然、今までのマーケティング戦略は通用しない。

Webマーケティングは、「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」に分けられる。ファンダメンタルズマーケティングとは、商品そのものやユーザーのペルソナ(典型的なユーザー像)、インサイト(購買要因)などを分析してコミュニケーションを設計することだ。

一方テクニカルマーケティングとは、CTR(Web広告のクリック率)や購入サイトへの遷移率、購入率、検索キーワードなどの数値的なフィードバックデータから、顧客とのコミュニケーションを設計することである。

ファンダメンタルズとテクニカルの両方をマスターすべきであり、テクニカルの領域はファンダメンタルズの領域の一部だということはしっかり押さえておく必要がある。

ところが、Webマーケティングの世界ではテクニカルを偏重する傾向がある。最たるものが、思いつきのABテストで生き残ったものを正解とすることなどだ。真のマーケッターはまず、無数の選択肢からAやBを厳選した上でABテストを行うし、答えにしっくりこなければAとB以外のXという選択肢を探す。

とはいえ、たとえ商品やサービスに対する知識が浅くても、テクニカルマーケティングの手法だけで結果を出せることがある。そういったケースに当たった人は、テクニカルマーケティングが万能だと思い込み、ファンダメンタルズの土台に乗っていることを忘れてしまう。すると、「商品自体は良いものであるが、情報収集やコンセプトワークの部分が間違っている」といった重要なことを見逃すのだ。

「マーケティングの原理原則がわかっていないWebマーケティングは、ただのデジタルオペレーションに成り下がる」。それはAIの仕事になりつつある。

ファンダメンタルズマーケティングの極意

Webマーケティングの初心者はまず、広告制作などのクリエイティブが「誰に」「何を」「どう」伝えるかという3つの要素で構成されていることを知ろう。

「誰に」(ターゲットユーザー)と「何を」(その商品でしか言えない強み)が明確に決まっていれば、ストレートな表現でもユーザーの心に刺さる。「何を」が弱い場合は「どう」(表現方法)を工夫することになるが、これは市場を広げるだけで、自分の商品の売れ行きにはあまり寄与しない。「誰に」「何を」を外していたら、「面白い広告だけど、その商品に興味はない」で終わってしまう。

必要なのは、商品・ユーザー・競合を徹底的に調査し、その商品「だけ」に言える強みを見つけ出すことだ。

「マーケッターは商品企画者や商品開発者からもらった情報をそのまま消費者に伝えるのではなく、自分自身で情報収集をし、『売り』となる部分を再構築しなければならない」。

具体的に「誰に」「何を」「どう」伝える?
Olivier Le Moal/gettyimages

「誰に」を設定するために、「ニーズ」の強さを段階的に分類する方法がある。ここでいう「強さ」とは「ユーザーの悩みや痛み」のことだ。たとえば美容系の商品であれば「対策の必要性に気づいていない」段階から、「対策を検討し始めている」段階、「お気に入りを見つけてはいる」段階、「色々試して結局満足できていない」段階など、どの状況にあるかで、商品の「何を」アピールするかが大きく変わる。

ほかにも、「そのジャンルの商品を知らない」段階から、「そのジャンルの商品が好きでいろいろ試したい」といった、商品との距離感によって分ける方法もある。

「何を」伝えるかは、USP(Unique Selling Proposition)、すなわち「その商品やサービスが持っている独自の強み」から導きだすとよい。

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