大人に必要な読解力が正しく身につく本

未読
大人に必要な読解力が正しく身につく本
大人に必要な読解力が正しく身につく本
未読
大人に必要な読解力が正しく身につく本
出版社
出版日
2022年05月15日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

本書の「はじめに」では、衝撃的なデータが紹介されている。PISA(国際学習到達度調査)によると、日本の15歳の読解力は、2015年で世界8位だったのに対し、3年後の2018年には15位に低下しているというのだ。

とはいえ誰しも、文章を読まない日はないはずだ。スマホでSNS投稿を見たりネットニュースやコラムを読んだりするようになった分、むしろ文字に触れている時間は増えているかもしれない。それなのに読解力が低下しているとは、どういうことだろうか。

国語講師である著者によると、多くの人は「読解力が欠けたまま、文章の洪水に触れている状態」にあるという。スマホで大量の文章に触れていても、文字を眺めているだけでは何も変わらないということだ。

上司からメールやチャットで届いた指示が理解できず、致命的なミスをしてしまった。家電のマニュアルを読んでもさっぱりわからない。SNSで発信者の意図を理解しないまま反論して炎上を招いてしまった。根拠のない情報を信じてしまい、詐欺に遭った――。読解力不足によるトラブルは、小さなものから大きなものまで枚挙にいとまがない。読解力はあなたを守る武器になるのだ。

では、どうすれば読解力が身につくのか。本書では、国語のスペシャリストである著者が、練習問題を交えて読解の「きほんのき」を丁寧に教えてくれる。本書で読解力を鍛えて、人生をより豊かなものにしてほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

吉田裕子(よしだ ゆうこ)
国語講師。三重県出身。東京大学教養学部超域文化科学科を主席で卒業。
現在は大学受験Gnobleで指導し、東大など難関大学の合格者を多数輩出する。
日本語や古典文学の見識を活かし、NHK学園などのカルチャースクールや企業研修で、大人向けの講座も担当している。
NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、テレビやラジオ、雑誌などのメディアでも活躍。
著書には『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)、『人一倍時間がかかる人のための すぐ書ける文章術』(ダイヤモンド社)、『人生が変わる読書術』(枻出版社)ほか多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    文章を読む時に大切なのは「要点把握」である。話題(何について書かれているか)と結論(結局何が言いたいのか)に注目して、要点を見抜こう。
  • 要点
    2
    文章読解のポイントは「接続語」「指示語」「助詞」だ。この3つをマスターすることで、文脈をスピーディーに把握できるだけでなく、微妙なニュアンスを感じ取れるようになる。
  • 要点
    3
    読解力を育む方法の一つは、たくさんの本を読むことだ。さまざまなジャンルに触れる習慣をつけるとよい。

要約

【必読ポイント!】読む力を鍛える

要点を見つけ出す

読む時に大切なのは、その文章の要点を見抜くことである。たいていの場合、文章を隅から隅まで完璧に理解する必要はない。要点を押さえれば十分だ。

要点把握とは「話題」と「結論」を押さえることだ。話題は「その文章が何について述べているか」。結論は「結局何が言いたいのか」である。

要点を見つけるヒントになるのは、タイトルや見出しだ。新聞各社やNHKのニュース記事には、一瞬で概要を理解できるようなタイトルがつけられている。

一方、芸能トピックやコラムは、あえて結論を伏せたタイトルが多いのが特徴だ。「朝ドラ女優◯◯の艶の秘密は」「夜型人間の早起きの秘訣3つ」のように、話題のみを表示するものである。この場合、結論は本文から自分で見つけるしかない。「何についての文章なの?」「結局どういうことなの?」と尋ねてくる知人に教えてあげるつもりで、情報を抽出するといい。

文章を読む目的は、書き手の主張や意図を汲み取ることだ。自分個人の視点・関心に基づいて読んでしまってはいけない。内容の賛否や好き嫌いはいったん脇に置き、客観的に文章を読んでみよう。主張の核心(=要点)をつかむことを優先し、意見や感想はその後に持てばいい。

繰り返し書かれている言葉に注目する
Sakorn Sukkasemsakorn/gettyimages

要点を見つける際のポイントは、文章に繰り返し書かれている言葉に注目することだ。次の例文を見てみよう。

大人になっても成長する意欲が大事だ。勉強をするのは子どものときだけではない。

「子どものときだけではない」は「子どものときだけでなく、大人になっても勉強は続く」と同意だ。言い方を変えて2回書くことで、結論を強調している。続いて、次の例文を見てみよう。

大人になっても成長する意欲が大事だ。本を読んだり仕事の進め方を工夫したりすることで、日々進歩しようとすべきだ。

こちらは、

もっと見る
この続きを見るには...
残り2931/3705文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2022.08.15
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
視点という教養
視点という教養
深井龍之介野村高文
未読
やわらかく、考える。
やわらかく、考える。
外山滋比古
未読
なぜ、あの人には何でも話してしまうのか
なぜ、あの人には何でも話してしまうのか
山根洋士
未読
人生がすっきりわかるご縁の法則
人生がすっきりわかるご縁の法則
名取芳彦
未読
部下 後輩 年下との話し方
部下 後輩 年下との話し方
五百田達成
未読
仕事は自分ひとりでやらない
仕事は自分ひとりでやらない
小田木朝子
未読
プロ投資家の先の先を読む思考法
プロ投資家の先の先を読む思考法
藤野英人
未読
因数分解思考
因数分解思考
深沢真太郎
未読
法人導入をお考えのお客様