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大人に必要な読解力が正しく身につく本


本書の要点

  • 文章を読む時に大切なのは「要点把握」である。話題(何について書かれているか)と結論(結局何が言いたいのか)に注目して、要点を見抜こう。

  • 文章読解のポイントは「接続語」「指示語」「助詞」だ。この3つをマスターすることで、文脈をスピーディーに把握できるだけでなく、微妙なニュアンスを感じ取れるようになる。

  • 読解力を育む方法の一つは、たくさんの本を読むことだ。さまざまなジャンルに触れる習慣をつけるとよい。

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【必読ポイント!】読む力を鍛える

要点を見つけ出す

読む時に大切なのは、その文章の要点を見抜くことである。たいていの場合、文章を隅から隅まで完璧に理解する必要はない。要点を押さえれば十分だ。

要点把握とは「話題」と「結論」を押さえることだ。話題は「その文章が何について述べているか」。結論は「結局何が言いたいのか」である。

要点を見つけるヒントになるのは、タイトルや見出しだ。新聞各社やNHKのニュース記事には、一瞬で概要を理解できるようなタイトルがつけられている。

一方、芸能トピックやコラムは、あえて結論を伏せたタイトルが多いのが特徴だ。「朝ドラ女優◯◯の艶の秘密は」「夜型人間の早起きの秘訣3つ」のように、話題のみを表示するものである。この場合、結論は本文から自分で見つけるしかない。「何についての文章なの?」「結局どういうことなの?」と尋ねてくる知人に教えてあげるつもりで、情報を抽出するといい。

文章を読む目的は、書き手の主張や意図を汲み取ることだ。自分個人の視点・関心に基づいて読んでしまってはいけない。内容の賛否や好き嫌いはいったん脇に置き、客観的に文章を読んでみよう。主張の核心(=要点)をつかむことを優先し、意見や感想はその後に持てばいい。

繰り返し書かれている言葉に注目する

Sakorn Sukkasemsakorn/gettyimages

要点を見つける際のポイントは、文章に繰り返し書かれている言葉に注目することだ。次の例文を見てみよう。

大人になっても成長する意欲が大事だ。勉強をするのは子どものときだけではない。

「子どものときだけではない」は「子どものときだけでなく、大人になっても勉強は続く」と同意だ。言い方を変えて2回書くことで、結論を強調している。続いて、次の例文を見てみよう。

大人になっても成長する意欲が大事だ。本を読んだり仕事の進め方を工夫したりすることで、日々進歩しようとすべきだ。

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要約公開日 2022.08.15
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