医者が教える 感情的にならない気持ちの整理術 特装版

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2022年06月24日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「今日こそ1日前向きに過ごそう!」。そう思っても、結局何かの拍子に落ち込んだり、イライラしてしまったりする。あろうことか、その感情を誰かにぶつけてしまい、自己嫌悪に陥ることも珍しくない。

感情を持つことや、それを表現することはごく自然なことだ。たとえば、映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんは、泣いたり笑ったりときに怒ったり、人間味豊かな感情表現で私たちを和ませてくれる。感情を表に出すことがその人の魅力につながることがある。よくないのは、感情に振り回されて自分を見失い、問題行動を取ってしまうことだ。このような言動は一時的な発散にはなるかもしれないが、人間関係にしこりを生み、ひどいときは社会生活に支障をきたすこともある。何より、不機嫌な人には誰もが近づきたがらない。感情を適切にコントロールすることは、社会人にとって必須スキルといってもいいだろう。

本書『感情的にならない気持ちの整理術』は2017年の初版から好評を博し、20万部を売り上げた「感情コントロール術」の決定版である。特装版ではイラストやマンガを交えながら、ストレスを軽減して毎日ごきげんに過ごすためのテクニックが多数紹介されている。どれもシンプルかつ手軽で、すぐに実行できるものばかり。「周りの人に振り回されてしまう」「気持ちの切り替えがうまくいかない」「活躍している人に嫉妬してしまう」など、荒ぶりそうな感情に手を焼いている人は、すぐにでもページを開いてほしい。本書のどこかに、心をすっと落ち着かせるヒントが載っているはずだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

和田秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学心理学科教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。
1987年『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られる。
著書に『感情的にならない気持ちの整理術 ハンディ版』『医学部の大罪』(以上、ディスカヴァー)、『「あれこれ考えて動けない」をやめる9つの習慣』(大和書房)、『感情的にならない本』(新講社ワイド新書)、『受験は要領』(PHP文庫)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    感情をコントロールするとは、感情にまかせた問題行動を取らないよう自制することである。これができるか否かで、人生に大きな差がついてくる。
  • 要点
    2
    他人の行動がいちいち気になるのは、自分の性格が偏っているからである。まずは自分の性格の偏りを自覚しなければならない。
  • 要点
    3
    「言わなくても気持ちは伝わる」は幻想だ。互いに理解できなくて当然なのだから、相手に「察してほしい」と思うのは甘えだ。
  • 要点
    4
    人間の脳には、新しい情報を上書きする機能がある。上手に気分転換をすることで、ネガティブな感情も上書きすることができる。

要約

心と脳のメカニズム

感情のコントロールが人生の差に

人間はさまざまな感情を持つ生き物だ。幸せな体験を嬉しいと感じたり、不愉快な体験に怒りを感じたりするのは当然だ。

感情を表現すること自体は悪いことではない。問題なのは、感情にまかせて問題行動を取ってしまうことである。感情をコントロールできない人は、常に心に不安や怒りを抱えてストレスを溜め込んでいる。それが爆発すれば、問題行動を起こしかねない。怒りにまかせて他人を殴ったり、相手を傷つけるような発言をしたりすれば、人間関係を悪化させ社会生活にも支障をきたしてしまう。

感情をコントロールするとは、感情を持ったときに問題行動を起こさないよう自制することだ。感情をコントロールできると上手に人付き合いができるだけでなく、集中力を持って勉強や仕事に取り組むことができる。結果、人生に大きな差がついてくるのである。

不機嫌な人=満たされていない人
Three Spots/gettyimages

現代アメリカの精神分析学に多大な影響を与えた精神科医コフートは「人は自己愛が満たされていないときに不機嫌になる」と言った。自己愛に満たされていない人は、些細な問題に直面するだけで不機嫌になる。たとえば、少し電車が遅れただけで駅員に食ってかかるというような問題行動を取る。こういった行為は「客である私の方が偉い」と主張しているのと同じだ。相手が謝ることで、自己愛が満たされるのである。

しかし、不機嫌になることで自己愛を満たそうとするのは、リスクが高い。相手を不愉快にさせ、逆に攻撃を受けたり周囲の人からの非難対象になったりするからだ。不機嫌にならないためには、自分が置かれた環境の中で「満たされている」という実感を持つことが重要である。

なぜ周りは「虫の好かない人」ばかりなのか?

世の中にはどうしても「虫の好かない人」がいる。顔を見るだけで不愉快になる、バカにされているような気がするというような、苦手意識を持ってしまう相手のことである。

しかし、これは相手ばかりに問題があるとも言えない。実は、不機嫌な人ほど周囲にたくさんの「虫の好かない」人がいる。不機嫌な人は少しでも気に入らないことがあると「この人は私を敵視している」と決めつけ、周囲を虫の好かない人だらけにしてしまう。

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要約公開日 2022.07.26
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