お金の未来

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お金の未来
出版社
定価
902円(税込)
出版日
2022年05月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

2022年夏、連日のようにイーロン・マスク氏によるTwitter買収に関する報道がニュースを賑わせた。その後、マスク氏は買収をとりやめると発表し、一方的な撤回を不服とするTwitterが取引完了に向けて動くという異例の展開となっている(2022年8月時点)。このニュースで、「なぜあのマスク氏がTwitterを買収するのだろう?」と疑問をもった人は少なくないはずだ。

マスク氏は、Twitterの有用性を最大化することを目指し、ニュースとエンターテインメント、そして決済が重要であると主張しているという。本書によると、すでにTwitter上でビットコインを送れるようになっているらしい。暗号資産のコミュニティがTwitterを活発に使っていることや、ビットコイン以外の暗号資産に批判的だった共同創業者がTwitterのCEOを退任したことも、マスク氏の構想につながったのだろう。

マスク氏の熱狂も、政府や銀行の混乱も、日本にいると伝わりにくいものだ。キーワードは「非中央集権化」。これからは個人が力をもち、お金の主権を取り戻す時代だ。

本書では、お金とテクノロジーのプロたちが、ビットコイン、ブロックチェーン、NFT、Web3などが私たちの未来をどう変えていくのかを語りつくしている。その熱に触れ、お金にまつわる常識がガラッと変わっていく面白さを味わえる。未来のトレンドをつかむ際の入門書として、本書をおすすめしたい。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

山本康正(やまもと やすまさ)
1981年、大阪府生まれ。東京大学大学院で修士号取得後、三菱東京UFJ 銀行(現・三菱UFJ 銀行)米州本部に就職。 その後、ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。卒業後にグーグル合同会社(Google Japan)に入社。大企業の幹部に対し、テクノロジーを活用したビジネスモデル変革等のデジタルトランスフォーメーションを支援する。現在はベンチャー投資家として活躍。日本企業やコーポレートベンチャーキャピタルへの助言なども行う。京都大学経営管理大学院客員教授。プロ野球のパ・リーグをデジタル技術等で支援するパシフィックリーグマーケティング株式会社にて、テクノロジーアドバイザー。著書に『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社現代新書)、『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書)など多数。

ジェリー・チー
シリコンバレー育ちの台湾系アメリカ人。1984年、アメリカ生まれ。米スタンフォード大学工学部経営工学科卒業。在学中に日本留学を経験し、日本に魅了される。卒業後は、バークレイズ・キャピタル証券(現・バークレイズ証券)に就職し、東京勤務。その後、中国・北京にて証券自己勘定取引会社を設立・経営。会社売却後、米ペンシルバニア大学ウォートン・スクールにてMBAを取得。グーグル合同会社(Google Japan)、スーパーセル(東京支社で勤務したのち、本社ヘルシンキで勤務)、スマートニュースなどで勤務(主に機械学習やデータ分析)。東京を拠点に、キャリアを形成中。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビットコインやブロックチェーンによる非中央集権化で、個人はお金の主権を取り戻す。既存の金融機関への不満とサイファーパンクというコミュニティの挑戦の思想が、お金の未来の世界を作っている。
  • 要点
    2
    法定通貨に最も近い暗号通貨であるステーブルコインの売買高が大きくなり、国家対ステーブルコインの構図での議論が注目されている。
  • 要点
    3
    NFTでデジタルコンテンツのマネタイズの仕方が変わり、遊びながら稼げるゲームにより、人々の働き方が変化している。お金の当たり前が変わるなか、個人がどう考え行動するかが重要だ。

要約

いまお金に何が起きているのか?

暗号資産と分散型台帳の登場

ビットコインやブロックチェーンの話題が毎日のように飛び交っている。クレジットカードや決済アプリがあるにもかかわらず、なぜ暗号資産が広まっているのだろうか。

暗号資産とは、暗号技術を使い、インターネット上でやりとりできる財産的価値をもつものである。そのメリットは、決済の速さや匿名性にある。クレジットカードは入金まで数週間かかるが、ビットコインという暗号資産なら数秒~数分で決済できる。金融機関に依存せず、お金のやりとりが成立するため、個人がお金の主権をもてるようになるのだ。

これまでは銀行などの管理者が取引履歴を一括管理して、その信頼性を担保していた。今後は、ビットコインを支える技術基盤であるブロックチェーンによって、取引履歴を関係者が互いにチェックして信頼性を担保する「分散型の台帳」が実現できる。1980年代にインターネットの価値を理解していた人はほとんどいなかったが、今では大多数の人がその価値を理解し、日々利用している。同様に10~20年後、ビットコインやブロックチェーンが分散型の金融システムを形成し、多くの人が利用する未来がありえるわけだ。

お金の役割が変化する?
Tasha Vector/gettyimages

1882年に日本銀行が設立された。中央銀行の歴史は140年しかない。一方、流通通貨は708年に和同開珎が作られて以来、1300年の歴史をもつ。お金は本来、中央銀行が発行する必要はない。国家や中央銀行の保証や信用がなくとも成立するのだ。

そもそもお金の役割とは何だろうか。お金には交換・取引手段、会計・計算の単位、価値の保存手段という3つの役割がある。交換・取引手段としての暗号資産は、決済が早く、手数料が安く、匿名が可能で誰も妨害できないといったメリットがある。そのため暗号資産での決済が増えるだろう。

また、お金は会計・計算の単位でもある。企業の財務会計で暗号資産を扱う動きが2020年から本格化してきた。アメリカでは上場企業が暗号資産を買えるようになってきている。

お金の価値はそうそう変わらないため、価値の保存手段になる。日本円を銀行に預金して保存しても利息はゼロに近い。最近はインフレーションが進んでおり資産価値は減るばかりだ。そこで暗号資産を価値の保存手段として考える人が増えている。

ビットコインを法定通貨に

アメリカは新しいものに物怖じしない人が多いが、日本は保守的な傾向にある。

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