やわらかく、考える。

未読
日本語
やわらかく、考える。
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やわらかく、考える。
出版社
定価
748円(税込)
出版日
2022年06月27日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は『思考の整理学』で知られる外山滋比古氏の金言集である。『思考の整理学』は「東大・京大 この10年で1番読まれた本」という帯コピーのとおり、知的活動をする上での必読書と言ってもよいベストセラーである。実際に読んだことのある人も多いだろう。

外山氏は、本来的には英文学を専門としながら、日本語や俳句についての評論を多数発表している言語学者・評論家である。そうしたバックグラウンドから、本書には「書くこと」や「読むこと」についての金言も多くピックアップされている。誰にでも理解できるような言葉で書かれたこれらの金言からは、外山氏の文学研究者としての厚い知見のエッセンスを得ることができる。「知れば知るほどバカになる」「謎と疑問は放っておく」「時にはアウトサイダーたれ」「小声でつぶやくと届きやすい」「タコツボを出て雑魚と交わる」など、研究者としての外山氏になじみのない方にも刺さるフレーズが満載だ。

私たちの生活には、言語があふれている。仕事の場では言葉を通じてアイデアを出し合い、SNSではたくさんの文字から他人の考えを摂取する。情報化社会はテクノロジーによってコミュニケーションが発展した世界であり、言葉の重要性は増すばかりだ。本書にまとめられた思考と言語についての考察は、短いゆえに示唆に富む。今だからこそ、「やわらかく考える」ための力になってくれるだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

外山滋比古(とやま しげひこ)
1923年、愛知県生まれ。東京文理科大学英文科卒。雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、御茶ノ水女子大学教授、昭和女子大学教授を歴任。お茶の水女子大学名誉教授、文学博士、評論家、エッセイスト。専門の英文学のみならず、思考、日本語論などさまざまな分野で創造的な仕事を続け、その存在は、「知の巨人」と称される。2020年7月逝去。主な著作に『思考の整理学』(ちくま文庫)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社文庫)、『50代から始める知的生活術』(だいわ文庫)、『こうやって、考える。』『ものの見方、考え方』(以上、PHP文庫)、『消えるコトバ・消えないコトバ』(PHP研究所)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    未知のものごとがわからないのは当然である。わからないことはすぐに忘れてしまうが、それでよい。何度も触れるうちにだんだんと理解が蓄積されていく。
  • 要点
    2
    ひらめきを生むためには、外から物事を見てみるとよい。はなれたところから見ればこそ、美しさやおもしろさを創り出せることがある。
  • 要点
    3
    リンゴも人生も、傷があったほうがうまい。むしろ不幸や失敗が足りないことを恐れるべきである。

要約

余裕のあるアタマをつくる

頭のなかを空地にする

勉強すると、頭は悪くなる。知れば知るほど、バカになる。

いくら頭のなかにゴミをつめこんでも、賢くなるわけがない。頭をよくしたければ、頭のなかに入っているよぶんなものを捨ててしまうことだ。

情報は、たちまち忘却のなかへ棄(す)てさってしまおう。去るものは追わずに忘れてしまうこと。そういう人間の頭は、いつも白紙のようにきれいだ。頭の中が空地だから、新しいものを建てられる。

不要な知識は捨てる
Mihaela Rosu/gettyimages

思考には二種類ある。すなわち、目的思考と自由思考だ。

明確な対象を持って考える場合、それを目的思考という。それに対して、課題や問題にしばられることなく、まったく頭を自由に働かせるのが自由思考だ。発明や発見をもたらすのは、自由思考のほうである。

子供の発想は、しばしば天才的だ。それは、子どもの頭が知識でいっぱいになっていないからだろう。頭のなかがあいているから、自由思考に適しているのだ。

子供の例をみればわかるように、知識をふやしすぎると、自由思考を邪魔してしまうことがある。知識があふれれば、それはもはやゴミ同然だ。不要な知識は捨ててしまわなければならない。

わからないことは放っておけ

わからないことこそ心に残る

謎と疑問をそのままにしておくと、ある日偶然、その答えを悟ることがある。読書においても、本当に影響を受けたと言えるものは、たいていはじめはよくわからなかった本だ。わからないからこそ、いつまでも心に残って忘れない。反芻するからこそ、やがて心の深いところに到達するのだ。

すぐにわかることは、得てしてすぐ忘れてしまう。一方、ぱっとわからないことは、あれこれ時間をかけて考えたり、文章を何度も読み返したりする。そのうちに時間が味方して、未知の対象とわかろうとする人間が少しずつ変化し、通じ合うようになるのだろう。

知識は時間をかけて深まっていく

知識というのは、常に変化しながら流れているものだ。上辺だけを流れている流水は、ただの流行であって、いずれほとんどが消えてしまう。

そういった流れのうち、ごく一部が地面にもぐり、長い時間をかけて地下に到達する。そして水脈となり、やがて泉となって湧き出してくるのである。そのときになれば、知はすっかり形を変えている。

未知の読みと既知の読みの違い

新しいことを知るのは大変だ。手がかりになるものがないため、まずわからないと覚悟したほうがよい。

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