節約なしで十分なお金が貯まる本

年収350万円でできる!
未読
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節約なしで十分なお金が貯まる本
出版社
日本実業出版社
出版日
2014年10月01日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は、人生のイベント毎に発生する大きな支出の仕組みや知識の紹介と、これらの知識を前提に目標に向かって無理なくお金を貯めるコツが数多く紹介されている。ファイナンシャルプランナーである著者ならではの視点で描かれた、興味深い一冊と言えるだろう。数多くの事例を見てきた著者によると、夫婦共働きなど高収入の家庭でも、人生のイベントという多額の支出に備えた貯蓄が、十分にできていないケースが散見されるという。つまり、貯蓄額は年収の多寡に比例するものではなく、家計の中にお金を貯める「仕組み」作りができているかどうかが重要な鍵だとしている。また、小さな節約をコツコツ重ねるといったよくある節約術を実践するのも大切だが、それだけでは大した金額は貯金できず、日常生活や気持ちに余裕がなくなるため効果的でないとしている。

本書内で紹介されている「お金を貯める仕組み作り」は決して難しいものではなく、ちょっとした知識で実行できる内容が多いのが特徴だ。例えば、住宅ローンの頭金支払は最低限にする、毎月1万円を教育費として積み立てる、生命保険は掛け捨てで十分、といったものだ。これは、生活にゆとりを持ちながら無理なく確実に貯蓄することを目指した、ファイナンシャルプランナーならではのアドバイスであり、住宅ローンや生命保険、教育資金といった大きな支出に対する確かな知識があるからこそ導き出せる手法と言えるだろう。目からウロコの貯蓄法が満載のこの一冊、是非一度手に取ってご覧頂きたい。

著者

田中 秀尚(たなか ひでたか)
ファイナンシャルプランナー、米国公認会計士(US.CPA)、ライスFP事務所代表。
1975年生まれ。立命館大学経営学部卒業。大学在学中に米国テキサス州に留学。大学卒業後、コンサルティング会社や外資系企業にて事業計画策定、海外進出支援、M&A関連業務等一貫して、財務関連の業務に従事。同僚のお金の相談に乗っているうちに、楽しさに目覚めて独立。個人・法人に向けたファイナンシャルプランニング業務を名古屋中心に展開。相談者の「思い通りの人生」を歩むためのプランニング、いざという時に困らないための「使えるお金を手元に残す」アドバイスで、相談者の「将来のお金の不安」を解消し、絶大な信頼を集めている。

本書の要点

  • 要点
    1
    収入の多寡と貯蓄額は比例しない。ライフプランを考え必要な支出額を可視化し、夫婦で目標を共有することが貯蓄への近道である。
  • 要点
    2
    住宅ローンには頭金を多く支払う必要はない。ある程度手元に現金を残せば短期的な支出に対応できる。
  • 要点
    3
    教育費は決まった時期にまとまった資金が必要になる。金額は大きいものの、長期的に少額ずつ貯蓄すれば準備することが可能だ。
  • 要点
    4
    生命保険は収入保障のための手段と考え、必要保障額を基に保険を選ぶと良い。老後の資金のためには、資産運用を行うことが望ましく、リスクを減らすためには長期で分散投資することが望ましい。

要約

【必読ポイント!】 無理なく続く「貯まる仕組み」のつくり方

Minerva Studio/iStock/Thinkstock
定期的に出ていくお金を見直す

貯蓄を増やす方法は、収入増、支出減、運用の3つしかない。しかし、収入増加は一概に難しいだけでなく、実際は収入の多寡が貯蓄高とイコールになるとは限らないため、まずは支出を減らすことから始めると短期間で成果が表れる。

支出を抑える上で重要なのは、毎月定額の支出となる固定費の見直しである。食費や交際費などといった変動費の抑制と違い、固定費を一度抑えるとその状態が維持できるため日常生活で我慢や無理をする必要がない。固定費の例としては、住宅ローンや生命保険、携帯電話の通信費、習慣化している趣味代や英会話等が挙げられる。

次に貯蓄法について二つ紹介する。一つ目は自動積立機能の利用だ。定額が自動的に定期預金に移されるため知らぬ間に貯蓄ができ、また残りの額でやりくりせざるを得ない状況を作り出せる。二つ目は家計簿をつけることである。面倒だという人には家計簿アプリをお勧めしたい。上記の方法に加え、貯蓄額を可視化し夫婦で共通の目標を立てるなど、家計の中身を夫婦で共有できると尚良い。共働き夫婦の場合それぞれが財布を持つため、家族全体の支出総額や貯蓄総額の把握が特に難しい。例えば、夫婦共有の銀行口座を作るなど、お金の流れが管理しやすくなる仕組み作りを行おう。

「十分なお金」って一体いくら?

貯蓄に向けまず夫婦で取り組むべきことは、日常生活の節約方法ではなく人生の中で生じる大きな支出について話し合うことである。人生の5大支出とは、住居費、教育費、老後の生活費、生命保険料、自動車関連費用である。それぞれ1,000万円単位での支出が想定され、支出の総額は2億円以上になるものだ。

まずは、いつどんなイベントが起こりどれ位の費用がかかるのか、そのためにはどれ程の貯蓄が必要なのかを可視化し、夫婦や家族で共通認識を持ち協力し合うことが大切である。目標が明確化すれば、飲み代のような短期的な出費は減らし長期的な効用を選択するようになる。

「住宅ローン」の頭金は払うな

AlexRaths/iStock/Thinkstock
頭金を払わないからこその選択肢を活用する

住宅購入の頭金に貯金をほとんど充てる、というのはもったいない。確かにローンの総返済額や利息額は減少するが、それまでコツコツ貯めた現金は一度支払ったら手元には戻らないし、頭金を少し増やしたところで利息額の大幅減にはつながらない。頭金の支払いを最低限にしておけば手元に現金が残り不測の支出にも対応できるし、返済を優先させたいときには借入後、資金に余裕がある時に繰り上げ返済すればよいのだ。

ローン金利を選択する際、契約期間中同じ金利でローンを組める固定金利がお勧めだ。また、固定と変動の両方を選択できるローンを利用する場合、手持ちの貯蓄額の範囲内で変動金利を選べば、金利上昇時に返済可能となり更に現在の超低金利を享受できる。また、年末のローン残高に比例した免税額が10年間適用される「住宅ローン減税制度」というものがある。これはローン残高が多いほど免税額も大きくなるため、最低限の頭金支払いとすることで免税の恩恵を多く享受できることになる。

そもそも家は買うべきなのか?

家を持つには、購入と賃貸どちらの方が得だろうか? 平均的なケースでは、住宅購入後ローン完済までの期間は購入の方が賃貸よりも支出増だが、ローン完済直後から差は縮まり購入後40年経過時に逆転し以後は賃貸の方が支出増となる。つまり、

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要約公開日 2014.11.10
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