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本書の要点

  • 著者は、幸せに生きたいと思う世界、人生観を〈イエローワールド〉と名づけている。がんの闘病中に気付いた23の発見は、それぞれの人のイエローワールドを見つけるヒントとなるものである。

  • ヒント例1:失うことはいいことだ。喪失を、理解し、正面から向き合う習慣をつければ、失うものはない。すべての喪失は獲得なのだ。

  • ヒント例2:人生を変えるかもしれない情報に向き合うときは、30分待とう。起きたことを認識し、解決しようとする力が湧いてくるので、軽率な判断を避けられる。

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〈イエローワールド〉とは

明るい太陽の色の人生観

Evgeni Bazanov/iStock/Thinkstock

著者はよく「どうやってがんから生還したか」と聞かれるそうだ。が、がんを克服するのにコツや秘訣はない。自分に耳を傾け、闘いを挑み、自分の力を信じる、それだけだ、という。

がんが教えてくれたことと、それを日常生活にどうやって活かしていけるかということが、本書では紹介されている。

がんは生きている。だから、がんと闘うと、いろんなことを考えさせられ、学ぶことになるのだ。

著者は、自分自身を幸せにしてくれる世界、そこで生きていきたいと思う世界を〈イエローワールド〉と呼ぶ。いい時と悪い時、両方から学び取った教えがそこにはある。

イエローワールドにはルールがない。「これは正しい」という絶対的なものもない。物事にはいつも二つの顔、二つの側面があるからだ。既成概念もレッテルもノルマもない。

イエローワールドで生きるためにしなければならないのは、信じることだ。信じれば物事は叶う。著者が提唱する23のヒントを頭の中でつないでいけば、自身のイエローワールドを見つけ、思いきり生きるやり方が見えてくるだろう。

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【必読ポイント!】幸せが見つかる23のヒント

失うことはいいことだ

monkeybusinessimages/iStock/Thinkstock

昔は誰かが死ぬと集まって喪に服したものだ。黒い服をまとい、家にこもった。「喪」とは、喪失のことを考え、喪失を生きるための時間だった。ところが現代では、喪を通過することは難しく、何もなかったかのような振る舞いをすぐに求められる。例えば、恋人と別れた2週間後には「誰かとデートしろ」とせっつかれたりもする。

がんで片足を切断することになった著者は、手術の前日、主治医にこう言われた。

「脚のさよならパーティをやるといい。君の脚にゆかりある人を招いて、脚を盛大に送り出してやるんだ。君を支えてきてくれたんだろう? それなら今度は君が送り出してやる番だ。」

著者はいろんな人を脚のさよならパーティに招いた。最初は雰囲気が重かったが、そのうち和んできて、みんなが脚にまつわるエピソードを話したり、脚に触ったりした。そして、最後に著者は二本脚で踊る最後のダンスを踊った。

パーティの翌日、脚は切断されたけれど、きちんとお別れをしたので、著者は悲しくなかった。そして、こう考えるようになった。脚を「失った」んじゃない、切断を「獲得した」んだ、と。

この考え方はがんのない人生にもあてはめることができる。何かを失った時、「失ったんじゃない、喪失を獲得したんだ」と自分に言い聞かせること。そして、喪に服すこと。

以下のような順序でやってみるとよいだろう。

1.喪失を楽しむ。

2.そして、苦しむ。

3.泣く。

4.じっくり時間をかけて、喪失によって得られるものを探す。

5.再び得たものも、いつかは失われるかもしれないと覚えておく。

30分後、問題解決力は高まる

闘病中、著者はよく病院にCTスキャンやX線検査の結果を取りに行った。検査結果が入った封筒には、必ず封をしたまま医者に渡すことと書かれている。けれど、そこにはがんの転移が伝えられているのかもしれないので、ものの2分と経たないうちに封筒を開けずにはいられない。

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要約公開日 2014.09.16
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