仕事をつくる全技術

トップ営業はこうして「稼げる案件」を生み出している
未読
仕事をつくる全技術
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トップ営業はこうして「稼げる案件」を生み出している
著者
未読
仕事をつくる全技術
著者
出版社
大和書房
出版日
2014年09月14日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

会社勤めのビジネスパーソンでも、フリーランスや自営業者であっても、「仕事をつくり出す技術」を持っているかどうかは自身の仕事人生を大きく左右する。傑出したスキルをもっていたとしても、そのスキルを仕事に結びつける術を知らなければ、やがて淘汰されてしまう時代に私たちは生きているからだ。

リクルートの新規顧客開拓からキャリアをスタートさせ、現在は企業研修や法人営業コンサルティングを手掛ける著者は、過去30年で数万社の企業にアプローチし、華々しい業績を築いてきた。まさに「仕事をつくるプロ中のプロ」といえる。本書が提案する「営業力」は狭義の営業力に、プロデュース力、コミュニケーション力、プレゼン力、人脈力を加えたビジネススキルである。圧倒的な実績を挙げたいビジネスパーソンや、継続的に仕事を得たい自営業者やフリーランス、殻を破りたい営業パーソンにとっては必携の書と言える。第1章に記された「仕事づくりで大切な10の心得」を読んだだけでも、目が見開かれる瞬間が訪れるのではないだろうか。

本書に一貫して流れるのは、どんなシチュエーションでも実践に落とし込める「一つ一つの戦略の完成度の高さ」である。例えば、「顧客に共感し、感情移入することが大切」と述べる本は枚挙に暇がないが、その具体的な方略を事例とともに紹介している本は、この本に並ぶものはないだろう。最強のビジネススキルと、仕事との向き合い方の本質を一挙両得できる本書を開かない手はない。

ライター画像
松尾美里

著者

大塚 寿
1962年群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBA取得。リクルート時代はINS事業部において、社内ネットワークシステムの営業を担当、2年間に80社以上の新規受注をあげ、全国トップセールス一度、2位一度、一貫して営業畑を歩む。社内QC活動においても、社内ネットワークシステムの販促ツール、販促企画で2年連続全国入賞を果たす。米国へのMBA留学を経て、帰国後は1年間、出版社で雑誌創刊のインターンシップを経験。1994年1月オーダーメイド型営業研修および法人営業コンサルティングを展開するエマメイコーポレーションを創業。さまざまな研修を通じ、過去3万人以上のビジネスパーソンの「仕事がつくり出せない悩み」に直面、解決してきた。本書は、その解決策の集大成として執筆。主な著書にシリーズ累計25万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)など多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の潜在的期待を受信できる感度を研ぎ澄まし、こちらからその期待に応えるために「声をかける」という発信を行うことが、仕事づくりにつながる。
  • 要点
    2
    相手への感情移入のポイントを見つけて、共感できるようになれば、意気投合しやすくなり、案件化率や受注率が確実に上がってくる。
  • 要点
    3
    あなたの商品やサービスを買ってくれるコアターゲットの3%を特定して、具体的なアタックリストに落とし込み、テレアポでアプローチをしていくのがターゲティングの鉄則である。

要約

仕事づくり名人の考え方

面白いと感じさせる「いい仕事」がマスト

仕事づくり名人に共通するのは、相手に「面白い」と感じさせる仕事をしていることだ。エンターテインメント性には「世界観、キャラクター、ストーリー」の3要素が必要になるが、仕事にこれを当てはめると、「仕事観、インパクト、ストーリー」となる。相手の心をひきつける3つの中味を考えてみてほしい。

仕事づくり名人たちは、「仕事の報酬は次の仕事」と考えている。新規の仕事を得るのは、既存から得ることより5~10倍難しいと言われており、それゆえに、継続的な仕事がどんなにありがたいかがわかっているからだ。継続的に報酬を得られるようにするには、誰よりもいい仕事をして相手の印象に残すという意識が大事である。「いい仕事は最強の営業」なのだ。

寄り添う力と共感する力
bymandesigns/iStock/Thinkstock

顧客が、自分がいったい何がほしいのか分かっていない時代には、顧客に寄り添う人に仕事が集まってくる。「寄り添う人」は、質問や情報提供によって、顧客本人ですら気づいていない真のニーズを明確にしてくれるため、よい距離感を築けるからだ。では、相手に寄り添うにはどうしたらいいか?それは相手に興味・関心をもつことである。興味をもちやすい「相性のいい人」を探すことはもちろん、「気が合う」要素のない相手に対しても、「相手の不安や課題」に焦点を絞って、その部分で役に立とうという姿勢をもてば仕事が生まれていくはずだ。

また、「共感する力」を持ち合わせているかどうかが、仕事の明暗を分けるといってもよい。相手に共感すれば他人事だった課題が自分事になり、それを解決しようと突き動かされるからだ。

共感の本質は「思い」の受信と発信である。例えば一人暮らしの老人がいるとしたら「嵐がくるけど屋根は大丈夫?」と聞けば、「ちょうど雨漏りがしてたところだから頼むよ」と一気に期待が顕在化する。こうした潜在的期待を受信できる感度を研ぎ澄まし、こちらから「声をかける」という発信を行うことが仕事づくりにつながるのである。そこで感謝されることが、「誰かの役に立ち、何か重要なものの一部になりたい」という欲求を満たしてくれ、今後の仕事の原動力になっていく。

さらには、仕事でも、恋愛と同様に「脈」という意識をもってほしい。自分が勝ちやすいパターンを把握することが、仕事の優先度を決めるときに絶大な効果をもつ。著者は年齢が6歳または6の倍数違いの人との仕事が圧倒的に多かったことから、「ひと回り年上の人との相性がいい」という傾向を信じている。なんとなくでも脈を感じたら、10年でも追い続けるべきというのが著者の持論だ。

トップクラス営業はこう動いている

イマジネーションと準備を徹底する
Sergey Nivens/iStock/Thinkstock

仕事がつくれるかどうかは、準備と初回訪問のヒアリングで100%決まってしまう。最初から自社のカタログを出して会社や製品説明を始めるのはNGだ。王道はこうだ。

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要約公開日 2014.11.07
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