掟破り

逆境を力に変え、挑み続けるための111の言葉
未読
掟破り
掟破り
逆境を力に変え、挑み続けるための111の言葉
未読
掟破り
出版社
かんき出版
出版日
2013年10月21日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、日本マクドナルド社元CEOの原田泳幸氏が社員に向けて発信した言葉をまとめたものである。「掟」とは常識のようなものであり、「掟破り」とは「これまでの経験を全て捨て、失敗を怖れず自由な発想で挑戦しよう」という著者の信念を体現している。

前半では、「仕事」や「経営」、「リーダーシップ」について語っている。「リーダーが大きな目標を掲げるのは、会社のなかでこれだけチャンスがあるんだと社員に教えるため」、「人を評価することがリーダーの仕事ではない。人をつくることが仕事である」など、ビジネス経験のある管理職レベルの人には、具体的かつ有益なアドバイスとなることだろう。後半では、「『スピード感』は、仕事をたくさんこなすためのものではなく、プライベートの時間をしっかり確保するためのもの」など、「働き方」や「生き方」について、より概念的かつ包括的な価値観について語っている。具体的アドバイスを挙げながらも「ビジネスの根本とは?豊かな人生とは?」と深く考えさせられる内容であり、読了後には誰もが原田氏の下で働いてみたいと思うことだろう。

本著の中に収められた言葉のひとつひとつは、多くの経験に基づいた本質を語っている。就職活動中の人、仕事に悩んでいる人に一読を強くお勧めする。マクドナルドの改革を成功させた経営者のパワフルな人生訓やビジネス哲学を学ぶことができるだけでなく、失敗を怖れず前向きに生きるエネルギーを受け取ることができるはずだ。

著者

原田 泳幸
日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長兼CEO、日本マクドナルド株式会社代表取締役会長。
1948年長崎県生まれ。東海大学工学部卒業。日本NCR、横河・ヒューレット・パッカード、シュルンベルジェを経て、1990年にアップルコンピュータジャパンに入社。97年、同社代表取締役社長兼米本社副社長に就任。スティーブ・ジョブズとともに、アップルブランドの再構築に尽力。iMacなど多くの製品を日本でヒットさせ、市場拡大に貢献した。
2004年2月、日本マクドナルドに入社。常識にとらわれない発想と実行力で、7年連続マイナス成長だった同社をV字回復に導く。2013年6月、ソニー株式会社と株式会社ベネッセホールディングスの社外取締役に就任。
著書に『とことんやれば必ずできる』『日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉』(ともにかんき出版)、『ハンバーガーの教訓―消費者の欲求を考える意味』(角川書店)、『ストイックなんて無用だ』(ポプラ社)などがある。
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

本書の要点

  • 要点
    1
    アップルやマクドナルドの経営をする上で、著者はたくさんの失敗をしてきている。たくさん失敗しているということは、たくさん挑戦しているということ。特に若いうちはリスクを排除せず、がむしゃらに進むことが大切である。
  • 要点
    2
    「管理職は評価をすることが仕事である」と勘違いしているリーダーが多いが、本来は部下をいかに一人前の社員に育てるかが重要である。
  • 要点
    3
    人生でもっとも大事なものは愛だ。愛とは人と人との心のつながりである。まずは家族や周囲の人を一生懸命愛し、そして頑張って仕事で成果を出し、成果を社会に役立てる。シンプルだが、こうした姿勢こそが人間らしい豊かな生活に導いてくれる。

要約

仕事の本質

byryo/iStock/Thinkstock
情熱を持って仕事をし、失敗を怖れるな

「失敗なくして成功なし」。著者はアップルやマクドナルドの経営をする上で、たくさんの失敗をしてきた。しかし、たくさん失敗しているということはたくさん挑戦しているということである。若いうちにはリスクを排除することなく、ただがむしゃらに進むことが大切である。

ところが中には「指示を待つだけ」「予算を使いこなすだけ」「失敗を恐れて挑戦しない」社員がいる。この3タイプに共通しているのは、「情熱が足りない」ということだ。何事にも情熱を持って挑戦し、常にベストを尽くして結果を積み上げていく社員が、最も優秀な社員である。

実は著者は60歳までヘビースモーカーで運動もほとんどしなかった。一念発起し、ランニングやサイクリングを始めたところ、より集中して仕事ができるようになり、物事を前向きに考えられるようになった。仕事に必要なのは「考え抜く力」。仕事力と健康管理は密接に結びついており、精神的な健康は身体的な健康があってこそだと日々実感している。

キャリア

出世を目的とせず、今目の前にある仕事に全力で取り組むことが大事

自分の将来を細かくイメージし、あれこれ悩んでみたりしても大半はうまくいかない。それよりも目の前の仕事に全力を尽くすことが重要だ。自分のキャリアを決めるのは周囲の人であり、自分の描いたプラン通りになることはないからだ。出世することを目標とするのはナンセンスなこと。大切なのは、今、自分が周囲から与えられている仕事、目の前の仕事に全力を尽くし、わき目も振らず取り組むことである。

もちろん、長い仕事人生の中で転職することもあるだろう。転職したときは、それまでのキャリアや経験を捨てるつもりで働いてみることだ。転職してすぐにするべきなのは、その会社の「弱み」ではなく、「強み」を見つけることである。著者自身はアップルからマクドナルドに移り、前の会社のやり方を踏襲しようとはしなかった。マクドナルドの「強み」に目を向け、そこから新たな試みに挑戦していった。

リーダーシップ

sunabesyou/iStock/Thinkstock
大きな目標を掲げてチャンスを示し、人を育てることがリーダーの仕事

大きな目標を掲げることこそが、リーダーの仕事だと著者は考えている。リーダーが大きな目標を掲げるのは、会社の中にあるチャンスを社員に教えるためだ。「できるわけがない」と思うようなビジネスや、難しい案件でも、部下を「やる気」にさせて目標を達成することが重要だ。そのことが部下の成長を促す。

リーダーは朝令暮改でいい。何事もまずやってみてから検討すればいいし、結果として間違っていたら変えればいい。著者自身、成功体験の10倍の失敗をしているが、数々の失敗体験が成功につながっていると感じている。リーダーの発言内容が変わると部下は戸惑うかもしれない。しかし、

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要約公開日 2014.11.10
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