ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから

本書の要点

  • ナッジは、強制や禁止をせずに本人の「よりよい選択」を後押しする。「ナッジする人」とは「他人に注意喚起をしたり、控えめに警告したりする人」だ。

  • 人の脳は極めて優れているが、完全ではなく多くのエラーを起こす。問題はエラーを起こす人ではなく、複雑すぎる世界にある。そのため、よりよい選択のための「ナッジ」が必要だ。

  • 我々の判断はバイアスに満ち溢れている。「アンカリング」「代表性」「利用可能性」といったさまざまなバイアスが判断に介在している。

1 / 3

【必読ポイント!】 ナッジと、中核を成すリバタリアン・パターナリズム

リバタリアン・パターナリズム

Zerbor/gettyimages

「nudge(ナッジ)」とは、親ゾウが子ゾウの背中を鼻でちょっと押すように、強制や禁止をせずに本人の「よりよい選択」を後押しする「使える」経済学だ。「ナッジする人」とはつまり、「ほかの人に注意喚起をしたり、気づかせたり、控えめに警告したりする人」である。

ナッジの中核を成すのは、「リバタリアン・パターナリズム」という概念だ。

とにかく個人の自由に任せ、他者は介入・干渉しないようにしよう――。これが「リバタリアン」の考え方だ。一方の「パターナリズム」は、弱者の利益につながるとして強者が介入・干渉する。この相反するようにも映る二つの概念を組み合わせたものが「リバタリアン・パターナリズム」である。

「リバタリアン・パターナリズム」の戦略におけるリバタリアン的な側面としては、他者に害を与えない限り、人は自由に行動すべきであり、自分が望まない場合にはオプトアウト(拒否の選択)をする自由が与えられるべきだと説く。一方、パターナリズム的な側面としては、人びとが健康でよりよい人生を送るため、「選択アーキテクト」が人の行動に影響を与えようとすることを当然視する。

選択アーキテクトは「選択の設計者」であり、人びとが意思決定する文脈を整理して示す責任を負う。民間の組織と政府は、暮らし向きがよくなるような選択を人びとにうながせるよう、自覚的に取り組まねばならない。

何十年にも及ぶ行動科学の研究によれば、人は「まずい選択」をする傾向がみられる。著者らが提唱するリバタリアン・パターナリストは「完全な情報を得て完璧にセルフコントロールできている状態であればするであろう選択を、きちんと選択できるように手助けする」ことを目指している。

押し付けがましくなく、選択が制限されたり、大きな負担になったりするわけではない。しかしながら、官民の選択アーキテクトは、人びとをよりよい方向へ進ませるようにする、つまり「ナッジする」必要がある。

よりよい選択へちょっと一押し

本書が表す「ナッジ」は、選択を制限したり大きな経済的インセンティブを与えたりすることなく、人びとの行動を予測可能なかたちで変える、「選択アーキテクチャー」のあらゆる要素のことだ。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3848/4803文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.02.11
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

ひとり広報の戦略書
ひとり広報の戦略書
小野茜
世界インフレの謎
世界インフレの謎
渡辺努
思考力の地図
思考力の地図
細谷功
シンクロニシティ
シンクロニシティ
ポール・ハルパーン権田敦司(訳)
きみの人生に作戦名を。
きみの人生に作戦名を。
梅田悟司
問いこそが答えだ!
問いこそが答えだ!
黒輪篤嗣(訳)ハル・グレガーセン
スキー場は夏に儲けろ!
スキー場は夏に儲けろ!
和田寛
自分を鍛える!
自分を鍛える!
渡部昇一(訳・解説)ジョン・トッド

同じカテゴリーの要約

Z家族
Z家族
博報堂生活総合研究所
強いLLMO
強いLLMO
竹内渓太
センスのよい考えには、「型」がある
センスのよい考えには、「型」がある
佐藤真木阿佐見綾香
ファンダムマーケティング
ファンダムマーケティング
高野修平
新版 エスキモーに氷を売る
新版 エスキモーに氷を売る
ジョン・スポールストラ佐々木寛子(訳)
影響力の武器【第三版】
影響力の武器【第三版】
ロバート・B・チャルディー二社会行動研究会(訳)
ファスト&スロー
ファスト&スロー
ダニエル・カーネマン村井章子(訳)
ストーリーとしての競争戦略
ストーリーとしての競争戦略
楠木建
なぜ4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか
なぜ4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか
岩本武範
【新】100円のコーラを1000円で売る方法
【新】100円のコーラを1000円で売る方法
永井孝尚