ひとり広報の戦略書

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出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2022年11月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

朝起きたらニュースメディアのアプリを開く。トップページからビジネス、テクノロジーの記事に目を通し、気になればクリックして通読する。印象に残った箇所の情報元を確認し、追加情報を加えてコメントする。要約者の平日朝のルーティンだ。ハマっていた頃は、毎朝20コメントを欠かさなかった。

情報発信がしやすく、発信者がありふれた現代。多くの人々の目にとまり、知ってもらうことは至難の業だろう。

しかしそうした「知ってもらうこと」を生業とするのが「広報」だ。難易度が年々高まる中、期待されるところは大きい。

そんな容易でない広報業務の中でも、「ひとり広報」のために書かれたのが本書だ。

「ひとり広報」とは自分の会社やビジネスのことを自ら発信している人、広報業務をする人が自分しかいない広報担当者、本業もやりながら広報業務もまかされている兼業広報担当者、広報担当がいないために自ら情報発信をする経営者、活動を自ら広めなくてはいけない個人事業主、クリエイター、フリーランス……。多種多様な「ひとり広報」のありように驚かされた。

著者は企業の外から広報をサポートするPR支援会社の代表だ。PR TIMESが認定するプレスリリースエバンジェリストに選ばれた、現役の「ひとり広報」でもある。

ひとり広報も「独り」じゃない。そう思わせてくれる励ましの戦略の数々が本書には綴られている。広報のパワーが日本の未来を切り開くことを願って――。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

小野茜(おの あかね)
1981年、千葉県生まれ。カフェ・レストラン・ホテル等の現場経験、外食業界向けニュースメディアでの執筆・編集経験を経て、2012年に株式会社ABC Cooking Studioに入社。広報として企業広報および商品・サービス広報全般を担当した後に、新規事業開発・アライアンス担当へ。料理教室をプラットフォーム化し、「作る・食べる・触れる・知る」という体験の場として異業種とのアライアンスに積極的に取り組んだ。約5年在籍した後、2017年1月に独立。あらゆる企業の広報活動を社外から支援する広報パーソンに。2018年から3年間は宮崎県へ移住し地方創生の観点から広報活動に携わり、2021年より東京に戻り多種多様な企業の広報支援に携わる。

本書の要点

  • 要点
    1
    フットワークが軽く、時代の流れに合わせられる「ひとり広報」にとって、現代は追い風が吹いている。
  • 要点
    2
    「知識・情報・話題・時間・繋がり」という5つの不足を抱えるひとり広報には独自の広報戦略が必要だ。
  • 要点
    3
    仮面をかぶり、沼に片足をつっこみ、俯瞰し、片思いをしながら、フラれてもへこたれない姿勢がひとり広報には求められる。
  • 要点
    4
    日々触れる情報から時代観をつかみ、「媒体・時期・情報」の視点から話題を作る。

要約

「ひとり広報の戦略」が必要な訳

「ひとり広報」だから強い時代

いま「ひとり広報」が急増している。広報を兼務する人も少なくなく、自ら広報活動をする経営者や個人事業主も「ひとり広報」だ。

「ないものは無い」と言われるほど、巷にものがあふれている時代。品質やコスパの良い商品は山ほど存在し、それだけで話題になることは極めて難しくなった。

だからこそ大事になるのが「切り取り方」と「伝え方」だ。たとえば商品そのものに際立った特徴がないネクタイも、「〇〇な人専用のネクタイ」「オンライン会議で映えるネクタイ」など、アピールの切り口を変えることで、話題になる可能性はある。商品やサービスの切り取り方を変え、社会の流れに乗せて伝えることこそ、広報の役割だ。広報活動が、ビジネスの成否を決めると言ってもよい。

現代は話題の入れ替わりが早く、日々新たな潮流が現れては消えている。フットワークの軽い「ひとり広報」は、刹那的に現れた潮流を瞬時に捉え、乗っかることができる。上司などの確認が必要な広報部と違い、自ら判断してリリース文を作り、発信できる。

時代の流れのスピードに合わせた動き方ができるひとり広報にとって、現代は追い風が吹いている。

5つの不足とPRの意味
Gearstd/gettyimages

チャンスにあふれたひとり広報だが、もちろん課題もある。それは「知識・情報・話題・時間・繋がり」という5つの不足である。それぞれ以下のようなものだ。

見よう見まねで広報業務を始めたため十分な知識がない。

メディアが何を欲しているのか、自社の各部署がどのような仕事をしているかといった情報がない。

会社の規模が小さく、広報する話題がない。

業務が多く、とにかく時間がない。

これといった成果がなく、メディアやインフルエンサーとの繋がりがない。

先輩からしっかり教えてもらえ、メディアとの繋がりも強い大企業の広報部門とは、そもそもの働き方や、とるべき戦略が異なる。

5つの不足を抱えるひとり広報には「ひとり広報の戦略」が必要だ。

本書では、PRの意味や役割も含めて「広報」を用い、実践的な広報のコツをお伝えしていく。PRはPublic Relationsの頭文字を取ったもので、企業を取り巻くあらゆるステークホルダーとのあいだに、良好な関係や利益を築くことを指す。

情報発信だけを広報の仕事だと思っている人がいるとすれば、それはとってももったいない。PRという観点で見ると、メディアに出ることは手段の1つにすぎない。社会との関係を良好に構築するための有効な手立てとして、メディアの力を借りるのだ。

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要約公開日 2023.02.12
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