きみの人生に作戦名を。

未読
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きみの人生に作戦名を。
出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2022年10月24日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「世界は誰かの仕事でできている。」「バイトするなら、タウンワーク。」のコピーを聞いたことがない人はいないだろう。いずれも本書の著者、コピーライターである梅田悟司氏の作品だ。

梅田氏は本書において「自分の人生に作戦名をつけること」を提案している。自分の生きざまに名前をつけることで、人生のオーナーシップを持てるようになるからだ。

本書を特に勧めたいのは、「やりたいことが見つからない」と悩んでいる人や「キャリアに一貫性がなく、アピールポイントもない」とモヤモヤしている人である。著者自身、これまでの行動に一貫性がないと悩んでいたが、作戦名をつける作業を通して自分の信念が浮き彫りになり、人生が変わったという。

作戦名をつける作業は「振り返る・思いを馳せる→再整理する→結晶化する」の3つのステップで進んでいく。過去・現在・未来の自分のきっかけ・行動・学びを書き出し、整理し、名前をつけるという流れである。難しく聞こえるかもしれないが、まずは本書に掲載されている著者の例を見てほしい。きっとワクワクし、自分の人生にも作戦名が欲しいと思うだろう。

「言葉はその人の思考そのものであり、認識である。認識としての言葉の解像度が高まれば、その分だけ自分が行う活動の解像度も高まることになる」と梅田氏は言う。自分を見つめ直したい、何か行動したいという思いがあるなら、本書を読んで自分の作戦名を考えることから始めてみてはいかがだろうか。

著者

梅田悟司(うめだ さとし)
コピーライター
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授
1979年生まれ。大学院在学中にレコード会社を起業後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。言葉を中心に据えたクリエーティブ・ディレクションを行う。2018年にベンチャーキャピタルであるインクルージョン・ジャパンに参画し、ベンチャー支援に従事。2022年4月より現職。
主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、タウンワーク「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション統括など。経営層や製品開発者との対話をベースとした、コーポレート・メッセージ開発、プロダクト・メッセージ開発に定評がある。
著書にシリーズ累計35万部を超える『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版)などがある。また、4ヶ月半におよぶ育児休暇を取得し、その経験を踏まえた『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)を執筆。大きな話題となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    やってきたことに一貫性がないからといって、信念がないわけではない。自分の人生に作戦名をつける作業を通して、自分の中に眠っている一貫性を見出そう。
  • 要点
    2
    9マス思考法を使って「過去」「現在」「未来」の「行動」と、それに関わる「きっかけ」「学び」を書き出すと、自分の軸が見つかりやすくなる。
  • 要点
    3
    作戦名のネーミングにおいては、「単語型」「台詞型」「書名型」の3つの型を使って案を出し、しっくりくるものを選ぶとよい。

要約

一貫性のない人生に悩むあなたへ

人生の「作戦名」をもとう

やりたいことが見つからない。新しいことをはじめるのが苦手な上、はじめても長続きしない――。このような悩みを抱えている人は多いかもしれない。

著者自身、何も長続きしない、一貫性のない人生を送ってきた。習い事は続かず、部活は入ってすぐに幽霊部員化。大学受験に失敗し、仮面浪人をするも挫折。レコード会社の起業と経営、生体材料の研究、広告制作、育休取得と家事への専念、ベンチャー支援、起業家養成……。こうした経歴から脈絡や関係性、つながりを読み取ってくれる人はほとんどいないだろう。

だがあるとき、ふと気づいた。やってきたことに一貫性がないからといって、信念がないわけではないのだ。この気づきにより、「一貫性のなさの呪縛」から解放された。

何もやってこなかった人生などない。自分の中に確固たる意志や思想があり、それに基づいて行動してきたはずだ。それなのに、行動に一貫性がないと捉えられ、誤解されてしまうのはつらいものだ。

本書では、人生に作戦名をつける作業を通して、自分の中に眠っている一貫性を見出していく。作業に取り組むうちに、大切なものが見えてくるはずだ。

【必読ポイント!】ステップ(1)振り返る・思いを馳せる

9マス思考法で経験をまとめる
©Satoshi Umeda

作戦名の検討は「振り返る・思いを馳せる」「再整理」「結晶化」の3ステップで進んでいく。まずはステップ1、9マス思考法を使って行う「振り返る」について説明しよう。

9マス思考法は、時間を示す「過去」「現在」「未来」の横軸と、経験を示す「きっかけ」「行動」「学び」の縦軸で構成される。この思考法を使い、これまでの経験を振り返るとともに、未来に思いを馳せて、自分の軸を可視化する。

A4の紙を3つ折りにして、下から順に、1つの経験の「きっかけ」「行動」「学び」を書き出そう。2段目の「行動」欄では、左に「何をしたのか」を、右に「その行動を行っていたときの心境」と「行動の結果」を書く。

規模の大小や期間の長短などは関係なく、思い出深い行動や分岐点とも呼べるような出来事をとにかく書き出すのがポイントだ。著者の場合、「広告会社でコピーライターになる」「獣医志望と受験失敗、仮面浪人へ」「育休取得と見える世界の変化」といった行動が並んだ。

行動と合わせて、「エピソード」とでも呼ぶべき小さな行動を書き出すのもいい。1つのイベントに複数のエピソードが紐づいているイメージだ。「広告会社でコピーライターになる」というイベントに付随して、「打ち合わせ当日は朝6時に出社し、コピーを清書した」「自分と犬の話をラジオCMにしたら評判がよかった」などといったエピソードを書き添える。

過去から現在までの行動を書き出したら、「きっかけ」欄と「学び」欄にも記入しよう。A4用紙に直接記入するのではなく、付箋にメモ書きをしてどんどん貼るといい。書いては貼る、書いては貼る、を繰り返して、自分と向き合っていく。

自分にとって大切な行動を抜き出す
©Satoshi Umeda

振り返りの最後に、書き出した行動の中から自分にとって大切だと思えるものを選ぶ。ここでは2つの選択基準を参考にしてほしい。

1つ目の基準は、人生の節目になるような大きな行動である。「この行動は自分にとって、やっぱり外せないよね」という出来事だ。

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要約公開日 2023.01.24
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