リーダーのコミュニケーション習慣力

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リーダーのコミュニケーション習慣力
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出版日
2023年01月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「あの人がいるだけで、なんだか場の雰囲気が明るくなるよね」「あの人の指導は不思議と気持ちよく受け入れられる」と囁かれるリーダーがいる。自分にもそんなカリスマ性が備わっていれば……と羨ましく感じる人もいるだろう。だが本書の著者によると、相手を動かす力は誰でも身につけられるものだという。

著者は、人材育成・組織開発コンサルタントであり、エグゼクティブコーチでもある三浦将氏だ。これまで数多くの企業経営者や起業家、プロのアスリートに対し、よい習慣を身につけ、態度や行動を変えていくサポートをしてきた。まさにカリスマ性あふれるリーダーだと言えるだろう。

だがそんな著者も、かつてはチームマネジメントに失敗した「滑稽なほどのひとりよがりなリーダー」だったという。「相手を変えよう」と思えば思うほど、チームの雰囲気はやらされ感に満ち、反発が強まっていく――。そんな苦い経験があったからこそ、コーチングの道へと進んだそうだ。

本書のメソッドを実践すると、相手を無理に動かすのではなく、相手が自然と動きたくなるような「コミュニケーション習慣力」が後天的に身につく。ポイントは相手を「承認」することと、承認を習慣化することだ。

習慣は人を動かす。朝起きたら歯を磨く、食事の前には「いただきます」と手を合わせる、時間になったら仕事を始める……。こうした日常習慣のように、意識せずとも良いコミュニケーションがとれる習慣が定着すれば、メンバーとの関係性やチームの成果は自然と変わり始めるだろう。

著者

三浦将(みうら しょうま)
株式会社チームダイナミクス代表取締役、人材育成・組織開発コンサルタント/エグゼクティブコーチ、早稲田大学オープンカレッジ講師。英国立シェフィールド大学大学院修了(MSc : Master of Science 理学修士)、大阪府立大学工学部(現大阪公立大学)卒業。
大手広告会社、リーバイスなどの外資系企業を経て、株式会社チームダイナミクス設立。「休み明けの朝、元気に仕事に向かう人をこの社会に増やす」をパーパスとし、人材育成・組織開発コンサルティングや企業研修プログラムを提供。アドラー心理学やコーチングの技術を駆使した手法で、リーダーシップと自律性のある人材の育成をはじめ、従業員エンゲージメント向上や、心理的安全性の高い組織作りをサポートする。学習内容の実践と習慣化による「本質的変化の実現」を重視したプログラムが評価され、研修リピート率は95%超。企業や大学などでの講習実績も多数。
『自己肯定感が高まる習慣力』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『自分を変える習慣力』 『チームを変える習慣力』(クロスメディア・パブリッシング)他、著書累計30万部超。

本書の要点

  • 要点
    1
    「相手を変えたい」という気持ちが漏れ伝わると、相手は頑なになってしまう。まずは相手の存在そのものを承認しよう。
  • 要点
    2
    承認によって信頼関係を築き、「自分の気持ちをわかってくれる人だ」と思ってもらうことができれば、相手はあなたの言うことを受け入れてくれるようになる。
  • 要点
    3
    褒めることによって、相手の現状を承認することができる。ただし褒める際には、「相手をコントロールする目的で褒めない」「的外れな褒め方をしない」の2点に注意したい。

要約

「部下を変えたい」と思っているあなたへ

BさんとJ君の会話から

著者のクライアント企業の社員、Bさんにはあるイライラがあった。PR担当のJ君から出てくるアイデアに目新しさがなく、どれも今一つなのだ。

Bさんの経験上、PR企画にはフレッシュなアイデアが欠かせない。それなのになぜいいアイデアが出ないのかと、ついJ君を強い口調で責めてしまっていた。説得術の本を読むなどして、J君を変えようと工夫してはいるものの、成果は出ていない。

そこで著者は、Bさんに「ポジションチェンジ」を提案した。まず、隣にJ君がいるつもりで、最近の会話を再現してもらう。その後、Bさんの普段の声がけを、J君になりきって体感してもらった。

両方の立場を経験したBさんの感想は「ああ、やっちゃってた!」だ。相手の話をほとんど聴いていないばかりか、J君を“アイデアがない人間”と決めつけて接していることに気がついたのだ。

このセッションによって「自分の行動に課題がある」と気づいたBさんは、習慣を徐々に改めていくことにした。数カ月後には、J君からいい企画が出されるようになっただけでなく、チーム全体の雰囲気も明るくなっていた。

相手を動かす能力は、誰でも身につけられる
kazuma seki/gettyimages

あなたは「相手を動かし、変えることができるリーダー」と聞いて、どんな人を思い浮かべるだろう。社会的なポジションが高く専門性もあり、理路整然としている、優秀なリーダーを想像するかもしれない。

だが、これらの要素は必ずしも必要なものではない。誰かを動かしたり、変えたりする力は、誰でも身につけられるものだ。「相手を動かすため、変えるためには、優秀でなければならない」という思い込みから、あなた自身を解放してほしい。

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要約公開日 2023.03.17
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