リーダーのコミュニケーション習慣力の表紙

リーダーのコミュニケーション習慣力


本書の要点

  • 「相手を変えたい」という気持ちが漏れ伝わると、相手は頑なになってしまう。まずは相手の存在そのものを承認しよう。

  • 承認によって信頼関係を築き、「自分の気持ちをわかってくれる人だ」と思ってもらうことができれば、相手はあなたの言うことを受け入れてくれるようになる。

  • 褒めることによって、相手の現状を承認することができる。ただし褒める際には、「相手をコントロールする目的で褒めない」「的外れな褒め方をしない」の2点に注意したい。

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「部下を変えたい」と思っているあなたへ

BさんとJ君の会話から

著者のクライアント企業の社員、Bさんにはあるイライラがあった。PR担当のJ君から出てくるアイデアに目新しさがなく、どれも今一つなのだ。Bさんの経験上、PR企画にはフレッシュなアイデアが欠かせない。それなのになぜいいアイデアが出ないのかと、ついJ君を強い口調で責めてしまっていた。説得術の本を読むなどして、J君を変えようと工夫してはいるものの、成果は出ていない。そこで著者は、Bさんに「ポジションチェンジ」を提案した。まず、隣にJ君がいるつもりで、最近の会話を再現してもらう。その後、Bさんの普段の声がけを、J君になりきって体感してもらった。両方の立場を経験したBさんの感想は「ああ、やっちゃってた!」だ。相手の話をほとんど聴いていないばかりか、J君を“アイデアがない人間”と決めつけて接していることに気がついたのだ。このセッションによって「自分の行動に課題がある」と気づいたBさんは、習慣を徐々に改めていくことにした。数カ月後には、J君からいい企画が出されるようになっただけでなく、チーム全体の雰囲気も明るくなっていた。

相手を動かす能力は、誰でも身につけられる

kazuma seki/gettyimages

あなたは「相手を動かし、変えることができるリーダー」と聞いて、どんな人を思い浮かべるだろう。社会的なポジションが高く専門性もあり、理路整然としている、優秀なリーダーを想像するかもしれない。だが、これらの要素は必ずしも必要なものではない。誰かを動かしたり、変えたりする力は、誰でも身につけられるものだ。「相手を動かすため、変えるためには、優秀でなければならない」という思い込みから、あなた自身を解放してほしい。

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要約公開日 2023.03.17
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