「本当に役立った」マネジメントの名著64冊を1冊にまとめてみた

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出版社
出版日
2022年12月27日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「17%の人材になろう」。著者の中尾隆一郎氏は、そう訴えかける。17%つまり6人に1人だけが過去1カ月以内に仕事に関する情報収集をしている。そんな彼らは残りの5人よりも仕事の満足度が高く、所得も役職も高いという。この事実を知った中尾氏は、23年間にわたり、毎年100冊以上の書籍を読み続けてきた。

本書は、中尾氏が厳選した「本当にマネジメントに役立つ本」を64冊も紹介する重厚な一冊だ。選書の基準は3つある。1つ目は、中尾氏が29年間勤めたリクルートで事業運営や会社運営の参考にしていたこと。2つ目は、社内で主催していた経営塾(中尾塾)で課題図書に設定し、活用してきたもの。そして3つ目は、独立後の中尾塾にて経営層やマネジャー層が有効に活用できたものだ。そのため、様々な規模・業種の経営者にも応用でき、役立てられる可能性が極めて高い。

本書のコアバリューは、何といっても、本の要点や魅力にとどまらず、中尾氏の実体験に基づくケーススタディを学べる点だろう。リクルートや中尾塾で起きた事例を、各書籍の内容に沿った形で解説してくれる。読み手は具体的なシーンをイメージしながら、臨場感をもって各書籍のポイントや教訓を学ぶことができる。

経営者やリーダー、マネジメントに悩む方、新たな視座を得たい方におすすめしたい一冊だ。目の前の課題を乗り越え、未来を思い描くときの拠り所となる本に出合えることだろう。

著者

中尾隆一郎(なかお りゅういちろう)
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長。株式会社旅工房取締役。株式会社LIFULL取締役。株式会社ZUU取締役。株式会社博報堂テクノロジーズフェロー。東京電力フロンティアパートナーズ合同会社投資委員。LiNKX株式会社監査役。1964年生まれ。大阪府摂津市出身。1989年、大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、株式会社リクルート入社。2018年まで29年間同社勤務。2019年、NMI設立。NMIの業務内容は、業績向上コンサルティング、経営者塾(中尾塾)、経営者メンター、講演・ワークショップ、書籍執筆・出版。専門は、事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織づくり、KPIマネジメント、経営者育成、リーダー育成、OJTマネジメント、G-POP®マネジメント、管理会計など。『最高の結果を出すKPIマネジメント』『最高の結果を出すKPI実践ノート』『自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント』『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(以上、フォレスト出版)、『「数字で考える」は武器になる』『1000人のエリートを育てた爆伸びマネジメント』(以上、かんき出版)など著書多数。リクルート時代の29年間では、主に住宅、テクノロジー、人材、ダイバーシティ、研究領域に従事。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長などを歴任。住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に、6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者。リクルートテクノロジーズ社長時代は、リクルートが掲げた「ITで勝つ」を、優秀なIT人材の大量採用、早期活躍、低離職により実現。約11年間、リクルートグループの社内勉強会において「KPI」「数字の読み方」の講師を担当、人気講座となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    品性が低いリーダーは組織を崩壊させる。管理職を決める際は「品は位で功は禄で」の基準が大事になる。
  • 要点
    2
    データを複雑にするとメンバーの意識は分散する。KPIを1つに絞り、シンプルな戦略にフォーカスしよう。
  • 要点
    3
    「ゆでガエル」にならないためには、常に自社にとっての水温を測り続ける必要がある。
  • 要点
    4
    ノウハウや人脈など、あらゆる資産を総動員することも富を増やす有効な手段だ。

要約

人に関する課題を解決する本

『不機嫌は罪である』齋藤孝

誰もが不機嫌な人とは付き合いたくないと思うのは当然だろう。『不機嫌は罪である』からは、不機嫌さを周囲にばらまく人の取り扱い方法を学べる。不機嫌な人と接すると空気がよどみ、場が不機嫌の空気に包まれる。結果、仕事効率が下がり、関係性も悪化してしまう。今や上機嫌でいることは働く人の「職務」である。

とはいえ、最初からすごく上機嫌でいるのは難しい。齋藤氏は、次の4つの要素を押さえて「おだやかな上機嫌」を目指そうと説く。

・自己を客観的に見つめ、コントロールできる

・他人を気遣い、場の空気を読む余裕がある

・からだがしなやかで、オープンな雰囲気がある

・こころが内にこもらず、自分を笑い飛ばす器量がある

また、年齢を重ねて身体が硬くなり全体的な柔軟性が失われると、表情も硬くなる。特に40歳を超えたら、人と対面する場において意識的に笑顔を作ることが大事になる。

【必読ポイント!】 チームに関する課題を解決する本

『非営利組織の経営』P・F・ドラッカー
melitas/gettyimages

多様なメンバーのマネジメント方法を学びたいなら、ドラッカーの著書『非営利組織の経営』が大いに参考になる。

ドラッカーは、非営利組織のマネジメントのほうが営利組織のそれよりも難しいと語る。その理由は何か。非営利組織の場合、多くのボランティアがいる。彼らは組織のミッションや仕事に価値を感じなくなると、簡単にやめてしまう。さらには、支援者や参加者(出資者)の数も、営利組織の株主などと比較して圧倒的に多い。マネジメントする際 に目配せしなければいけない相手が圧倒的に多いのだ。

では、非営利組織を率いるリーダー像とはどのようなものか。中尾氏はいわゆる管理職を決める際、「品は位で功は禄で」という基準を重視している。これは「人徳のある者にはより高い地位を与え、功績のある者にはより高い給与を与える」ということだ。成果を挙げることはできるが品性が低い人がリーダーとなると、メンバーが疲弊し、結果として組織は崩壊する。多様なメンバーのマネジメントをするためには、品性を高めることが重要だ。

今までと異なる仕事がリーダーをつくる。副業やボランティアに参加して新しい能力開発にトライしてみるのもよいだろう。

『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー

高い業績を挙げたいのであれば、チームの心理的安全性の高さが必要だ。『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』はその理由を教えてくれる。

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要約公開日 2023.03.10
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