「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術

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「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術
出版社
実業之日本社

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出版日
2022年12月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

声を大にして言いたい。「成長したいすべてのビジネスパーソンは、本書を手に取るべきだ」と。特に新人の段階を抜けて自分で業務を推し進める方や、後輩や部下を持ってチームを引っ張る立場になった方には、ぜひ読んでいただきたい。

本書はタイトル通り「答えのないゲーム」の戦い方、考え方が非常に具体的に示されている。抽象的なテーマを取り扱いながらも、「桃太郎」の昔話などよく知られたストーリーや事例をもとに考察を深めるため、難解なはずの思考作業が苦もなく進んでいき、痛快だ。

そもそも「答えのないゲーム」には正解がない。だから上司や顧客に「合ってますか?」と聞く筋合いのものではない。そのように聞いてしまうのは「答えのあるゲーム」の戦い方だ。

しかし、私たちは受験勉強や資格試験で「答えのあるゲーム」の戦い方が体に染みついてしまっている。上司から言われた作業をしたり、統一の書式で書類を準備したりするなど、「答えのあるゲーム」と向き合う日常を過ごしている。

だからこそ、成長したいビジネスパーソンは、「答えのないゲーム」について学ぶべきだ。もちろん、そのゴールは「正解」ではない。ゴールは「議論」だ。議論ができるよう、選択肢は2つ以上用意する必要があるし、選択肢を導きだすプロセスも非の打ちどころがないものにしなければならない。

そのテクニックの詳細はぜひ本書で確認してほしい。著者の思考技術を身に付けられれば、きっと仕事や人生の見方が大きく変わるだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

高松智史(たかまつ さとし)
一橋大学商学部卒。
NTTデータ、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て「考えるエンジン講座」を提供するKANATA設立。
本講座は法人でも人気を博しており、これまでアクセンチュア、ミスミ等での研修実績がある。
BCGでは、主に「中期経営計画」「新規事業立案」「組織・文化変革」などのコンサルティング業務に従事。
YouTube「考えるエンジンちゃんねる」の運営者でもある。
著書に『変える技術、考える技術』(小社刊)、『フェルミ推定の技術』『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』(以上、ソシム)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちは「答えのあるゲーム」の戦い方が体に染みついている。しかし「答えのないゲーム」には明確な正解がない。自分なりの「答え」を出したとしても、それが正しいかどうかはわからない。
  • 要点
    2
    答えのないゲームのゴールは「正解」ではなく「議論」だ。生ぬるい議論ではなく、炎上したり喧々囂々のやりとりが発生したりするという前提に立とう。
  • 要点
    3
    ファクトから示唆を導き出すには、「見たままですが」と「何が言えるっけ?」を口癖にするとよい。

要約

「答えのないゲーム」とは何か?

答えのないゲームの戦い方の3ルール

私たちは「答えのあるゲーム」の戦い方が体に染みついている。これまで義務教育や部活、受験、就職活動と、あらゆる「答えのあるゲーム」で試されてきたからだ。

「答えのあるゲーム」は答えが当たればそれでよい。だが、「答えのないゲーム」には明確な正解がない。つまり、「答え」を出したところでその答えが「正しい」かどうか判断できない、ということだ。

ではどのようにして、答えのないゲームを戦うかといえば、ルールは3つしかない。1つは「プロセスがセクシー」。もう1つは「2つ以上の選択肢を作り、選ぶ」。最後の1つは「炎上、議論が付き物」。

これら3つを意識すれば、答えのないゲームを健やかに、セクシーに戦える。

「答え=解答」だけでは無価値
BrianAJackson/gettyimages

「プロセスがセクシー」とはすなわち、「セクシーなプロセスから出てきた答えはセクシー」ということだ。「答え」だけを評価するのではなく、「答え+プロセス」を評価する考え方である。

例えば新規事業の立案というのはまさに答えのないゲームだ。ここで、「アイデア自体」にフォーカスし、思い付きのアイデアに飛びついてはいけない。

著者は、愛読書『ビジネス・クリエーション!』(ビル・オーレット著)のサブタイトルにある通り、「アイデアや技術から新しい製品・サービスを創る24ステップ」を踏むことを勧める。つまり新規事業のような答えのないゲームの場合は、24ステップというセクシーなプロセスを愚直にこなすことこそが、セクシーなアイデアを生む唯一の手段だと説く。

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要約公開日 2023.04.06
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