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新版 マネジメントの基本

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おすすめポイント

「VUCAの時代」と言われるようになって久しい。VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、未来の状況を見通せない状況のことを指す。コロナ禍やウクライナ侵攻など、社会の変化は激しくなる一方だ。刻一刻とマネジメントの難易度が高まる中で、マネジメントの「基本」を押さえた本書は一読に値する。

本書は、日本総合研究所出身のリサーチ・コンサルティングのプロである5名の共著であり、コミュニケーションの実践例なども交え、専門的な概念もチャート図等で分かりやすく図示している。

マネジメントという概念は多義的で、立場によってそのあり方は異なるため、本書ではマネジメントを次の5つに区分して検討している。4〜5人程度のチームにおけるチームリーダーの視点、部署レベルのミドルマネジャーの視点、部署間の横断的なプロジェクトリーダーの視点、会社組織全体をマネジメントする経営スタッフの視点、会社の意思決定を行う経営者の視点である。

自分がどの階層の立場にいるのかということを超えて、自分以外の立場の視点を知っておくことは組織に属するうえで非常に有益といえる。本書を読めば、個人・チーム・部署・会社全体、すべてのマネジメントを網羅的に把握することが可能だ。

ライター画像
鈴木えり

著者

手塚貞治(てづか さだはる)
國學院大學経済学部教授・立教大学大学院ビジネススクール兼任講師。
元 株式会社日本総合研究所プリンシパル。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は経営戦略論・事業計画論等。共著書は『経営戦略の基本』、著書は『武器としての戦略フレームワーク』『「フォロワー」のための競争戦略』(以上、日本実業出版社)など多数。

浅川秀之(あさかわ ひでゆき)
株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 主席研究員/プリンシパル。共著書は『経営戦略の基本』。

安東守央(あんどう もりお)
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター/リサーチ・コンサルティング部門 マーケティング部長。共著書は『経営戦略の基本』。

岡田匡史(おかだ まさし)
株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 主席/部長 事業開発・技術デザイン戦略グループ担当。共著書は『経営戦略の基本』。

吉田賢哉(よしだ けんや)
株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー。共著書は『経営戦略の基本』。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書ではマネジメントを「組織の成果を上げるための手法、仕組み、行動、およびその行動主体」と広い定義で考え、5つの視点からその基本を押さえていく。
  • 要点
    2
    チームリーダーはグループ内のメンバーと直接接することが多いため、対人関係を意識したマネジメントが必要だ。まずはチームの骨組みをつくったうえで、コミュニケーションのスキルを磨こう。
  • 要点
    3
    経営スタッフは会社全体をマネジメントする。組織構造や人材管理などの「ハード」な側面と、風土・文化の醸成といった「ソフト」な側面の両面からアプローチする必要がある。

要約

マネジメントとは何か?

5つの視点から考えるマネジメント

どんなにテクノロジーが発達しても、「マネジメント」への関心が衰えることはない。だが、「マネジメント」という言葉が何を指すのかは曖昧だ。マネジメントの本家というべきドラッカーも、この言葉は難しい言葉だと述べ、場面によって言葉のニュアンスを変えて使っていた。本書でも、「マネジメント」という言葉を無理に絞り込まず、「組織の成果を上げるための手法、仕組み、行動、およびその行動主体」と広い定義を採用する。

本書の記述では組織の代表として「会社」を前提とし、次の5つの視点から検討を行う。

(1)チームリーダーの視点

(2)ミドルマネジャーの視点

(3)プロジェクトリーダーの視点

(4)経営スタッフの視点

(5)経営者の視点

要約では、2つの視点の要点をまとめる。

【必読ポイント!】 チームリーダーのマネジメント

まずはチームの骨組みをつくるスキル
PixelsEffect/gettyimages

本書における「チーム」は部や課より小さな単位の組織(4〜5人程度)を想定している。チームリーダーは、もっとも現場に近い担当メンバーに直接接しながら、チームという組織をマネジメントする。

チーム発足後にチームリーダーにまず求められるのは、チームを動かす骨組みをつくることだ。そのためにはまず、「目的意識の明確化」をする必要がある。柔軟性やスピードが重視される仕事の場合にはとくに、向かうべき方向性を最初の段階からチーム全員で共有しておくことはとても重要だ。目標が共有されてこそ、細かいアクションや個人の判断が、全体として整合のとれるものとなる。

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要約公開日 2023.08.09
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