本書の要点

  • 地位や肩書のある人が「わたしはリーダーだ」といったところで、そこにリーダーシップが生まれるわけではない。影響力が成り立つためには、フォロワーたちから「喜んでついていってもいい」と思われることが不可欠である。

  • リーダーシップの重要な要素は、原理原則を妄信するのではなく、臨機応変に選択・行動できる力だ。

  • 自分なりのリーダーシップ理論を構築するうえでは、まず自分の中にある考えを言語化することが重要になる。経験を積み、言語化したものをブラッシュアップしていくうち、リーダーシップ理論が形成されていくだろう。

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【必読ポイント!】 リーダーシップの基本

リーダーとリーダーシップの違い

リーダーシップの定義はさまざまある。そもそも、リーダーとリーダーシップの違いは何だろうか。

リーダーとは、実際に存在する(あるいは、した)人物を示す言葉である。一方、リーダーシップとは社会的現象であり、リーダーのなかにではなく、リーダーとフォロワーとの間に存在するものだ。つまり、地位や肩書を備えたからといって、そこにリーダーシップが生まれるわけではない。

リーダーシップという社会現象において、リーダーが影響力を持つためには、フォロワーたちから「喜んでついていってもいい」と思われることが不可欠である。リーダーシップは信任票によって成り立っているのだ。

リーダーシップと「信頼」の関係

pixelfit/gettyimages

リーダーシップの研究と研修を手掛けてきたJ・クーゼスとB・ポスナーは、リーダーシップ現象の本質を「喜んでついていく」という点に見出したうえで、まわりが喜んでついていくリーダーは「信頼できる人」であるとした。

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要約公開日 2023.09.14
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